犬の腎臓の病気は食事療法が重要!ポイント3点をチェックしよう

気が付かないうちに進行し、気付いた時には末期に近い状態になっている、そういう危険性が高いのが犬の腎臓の病気です。

腎臓の機能は、発症していても最初はそれほど症状がありません。

でも、腎臓の機能は、一度失われたら元には戻らないのです。

早期に発見し、その機能を保つような対応が必要で、それには食事療法がもっとも重要になります。

今回はの腎臓病の食事療法のポイントについて解説したいと思います。

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腎臓の主な働きは血液の濾過

腎臓がおしっこを生成するということは一般に知られていると思いますが、そもそもおしっこは何でできているのでしょうか?

おしっこには体内には必要ない毒素などが含まれています。

腎臓は、血液中には代謝によってできた、体にとってはゴミになる物質と、体に必要なものを振り分けるフィルターの役割を果たしています。

必要なものは血液中に取り込み、不要なものを排泄し、水分を再吸収しておしっこの量を調節し、尿管から膀胱へと送り出して体外に排泄します。

腎臓には無数のフィルターがそれぞれ独立して機能しています。

この個別のユニットをネフロンと呼んでいます。

腎臓の機能不全

腎炎などの腎臓病やそれ以外の様々な原因(尿路結石、感染症、毒物など)で、腎臓の機能は壊されてしまいます。

腎臓の機能が壊れて正常に働かなくなった状態を腎不全といいます。

腎不全には、急性と慢性があります。

急性腎不全はその名前通りに急に発症し、みるみるうちに病気が進行して、治療しなければ数日以内に亡くなるような急速な経過をたどります。

一方、慢性腎不全は主に高齢犬に見られやすい病気です。

じわじわと進行し、具合が悪そうなのは高齢のせいと思っていたら腎臓の機能がかなり悪くなっていたというパターンも多いです。

【犬の腎不全の参考記事】

犬の腎不全と余命 検査数値と腎臓病のステージについて

腎臓病の進行は食事療法で食い止める

二つのうち食事療法による日常のケアが必要になるのは主に慢性腎不全の方です。

急性腎不全は、入院による集中的な治療が必要になります。

慢性腎不全は、腎臓の残存機能を長持ちさせるべく、できるだけ負担をかけないようにしなくてはなりません。

腎臓と食事はとても関係の深いものです。

生体は、栄養素を口から摂りこんで、それを体内でエネルギーに変え、その老廃物を体外に排出しています。

3大栄養素である糖質・脂質・蛋白質のうち、蛋白質から出た老廃物の排泄を腎臓が担っています。

蛋白質を多く摂取すれば、腎臓は処理に追われ、その働きに負担がかかることになります。

蛋白質はそのエネルギー代謝において、インドキシル硫酸という老廃物質(尿毒症物質)を発生させますが、この物質はネフロンの血管を硬化させダメージを与えてしまいます。

つまり、腎臓の残された機能にできるだけ負担をかけず、長く持たせる為には、蛋白質の摂取量を制限することが必要なのです。

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腎臓病の食事療法で制限が必要な3つの栄養素

腎臓の機能に負担をかけない為、摂取制限をしなければならない3つの栄養素があります。

  1. 蛋白質
  2. リン(P)
  3. ナトリウム

注意すべきはこの3点になります。

蛋白質制限

蛋白質の老廃物は窒素です。

窒素は、腎臓で最終的には尿素に変えられますが、腎臓の機能が悪いと、血液中には体外に排出されない窒素が蓄積し、血液検査では尿素窒素(BUN)という項目の数値が上昇します。

血液中に溜まった窒素は老廃物であり、体にとっては毒素になります。

蛋白質は生体に必要な栄養素ですが、腎臓の病気においては、窒素の蓄積を抑えるために蛋白質の制限が必要になります。

ちなみに、蛋白質には動物性と植物性があり、植物性の方が窒素の含有量は少なく、腎臓病の犬の蛋白源としてはこちらの方が良質であると言えます。

リンの制限

リンは検査データなどでPと表示されている項目の物質です。

リンは、体内ではその80%が骨や歯にあります。

また、DNA、RNA、ATP、細胞膜などの構成成分でもあり、地味ですが、重要な栄養素でもあります。

リンは体内でカルシウムと共に動きます。

そしてそれに関わっているのが、副甲状腺から分泌されるパラソルモンというホルモンです。

リンを多く摂りすぎると、パラソルモンはリンの濃度を下げようとします。

そしてリンと一緒に動くカルシウムが必要なので、骨や歯からカルシウムを溶かし、血液中に放出させます。

リンは腎臓から排出されるのですが、リンとカルシウムの結合物質は腎臓に蓄積されやすいです。

この成分は尿路結石であるストロバイトの成分です。

カルシウムと結合した多くのリンの排出は、腎臓にダメージを与えることになります。

【参考記事】

頻尿や血尿で急変の危険?尿路結石はあなどれない犬の病気

ナトリウム制限

ナトリウムは塩分で、摂取する時はNaclの状態です。

ナトリウムもまた腎臓から排泄されるのですが、腎臓の機能が悪いと、濾過ができずに血液中に残った状態になります。

血中のナトリウム濃度が高くなると、濃度を一定に保つために、浸透圧で血管内に水分を引き込みます。

血管内に水分が多くなると、心臓への負担がかかり、血圧も上昇します。

血圧が上昇すれば、腎臓への血流も増えて腎臓にかかる負担が大きくなります。

これを避けるためには、ナトリウムの制限が必要になります。

腎臓病の療法食に早期に切り替える

失われた腎臓の機能はもう元にはもどりません。

腎臓のネフロンは、その75%が破壊されるまでは症状も目立たないのですが、それを越えると様々な症状が現れるようになり、やがて完全な腎機能の不全状態へと陥っていきます。

無症状のステージであっても、いかに早期に腎臓の機能異常を発見でき、そして機能維持していけるかがポイントです。

その中でも食事療法は、開始が早ければ早いほど良好な経過が望めるとされており、早急に療法食に切り替える必要があります。

腎臓の療法食は、動物病院でもお勧めがあると思いますが、蛋白質の含有量は20%以下が標準になっています。

ただ、療法食はフードの味がいつもと変わってしまうこともあり、なかなか食べてくれないという悩みも多いようです。

療法食は数種類ありますので、お試ししてみてその中で食べてくれそうなものを選んであげて下さい。

 

ナチュラルハーベスト (療法食) キドニア 腎臓ケア 1.36kg

腎臓にトラブルがある犬のための食事療法食です。

日本の獣医師と、米国の獣医師が共同で開発した腎臓の療法食ドライフードです。

 

フォルツァ10 Forza10 リナールアクティブ(腎臓ケア療法食)-800g

高品質のタンパク質と、タンパク質とリン、ナトリウムの含有量を抑え、カリウム:ナトリウムの比率にもこだわった腎臓病の療法食フードです。心不全の犬の療法食にも適しています。

 

【ヒルズ】 犬用 腎臓ケア k/d チキン&野菜入りシチュー缶詰 156g×24缶セット 

腎臓病の犬のためにたんぱく質、リン、ナトリウムを調整した特別療法食です。

こちらは缶詰のウェットフードです。食欲がない、療法食ドライフードではなかなか食いつきがよくない、高齢で食べにくいという時などにお勧めだと思います。

 

エランコジャパン ドクターズケア 犬用 キドニーケア 食事療法食ドライ 3kg

腎臓病の犬のためにリン、たんぱく質およびナトリウムの含有量が調整された療法食です。腎臓の健康維持に配慮してオメガ3脂肪酸も配合されています。

 

 

 FORZA10 リナール(腎臓ケア) アクティウェット 100gX12缶(フォルツァディエチ)療法食 

パテタイプの腎臓療法食ウェットフードであり、トッピングとしてもそのまま食事としても与えることができます。無農薬など、食材にこだわったプレミアムフードになっています。

腎臓病の食事療法のコツ

腎臓病の食事療法を手作りするのはかなり難しいと思います。

しかし、市販の療法食は、それまで好んでいたフードと栄養構成も違っているので、食べてくれないということもあるかもしれません。

腎臓の食事療法を理解し、時々は手作りで飽きないように工夫をするというのも良いかもしれません。

1.良質な蛋白質として候補にあげられるものは

鶏肉、豚肉、卵、ヨーグルト、カテージチーズ、納豆、豆腐、豆乳、枝豆などです。

卵はアミノ酸スコアが高く、良質な蛋白質と言えるでしょう。

また、植物性蛋白質を上手に取り入れるようにするとよいと思います。

【参考記事】

卵は完全栄養食品!犬の食べ物として問題なのはこの2点!

どうすれば食べていい?犬の食べ物に大豆は要注意!

ただし、蛋白質は最低限の量でなければなりません。

《蛋白質の量の目安:体重×2.2g~体重×3.5gの範囲内で調整》

また、肉の生食は、腎臓の機能に負担がかかるようですので避けて下さい。

蛋白質を制限する分、ささみの煮汁なども活用し、食事に少しでも変化を持たせると良さそうです。

煮汁を製氷皿で凍らせてストックしているという飼い主さんもいらっしゃるようです。

2.エネルギー源として、

蛋白質を多く使うことができない分、脂質や糖質で補わなければなりません。

最近は穀物不使用で肉中心のフードが多く、そのようなフードを食べさせていた飼い主さんも多いかもしれませんが、腎臓の食事療法はそれと真逆の食事と考え直す必要があります。

脂質はカロリー源になりますので、良質の脂を足すようにすると良いと思います。

オメガ3などは犬にも良い栄養素とされていますのでお勧めです。

【参考記事】

犬の認知症にサプリメントが期待される理由とお勧め7品

食事ができずにカロリー不足になると、腎臓機能だけでなく全身状態の悪化の原因になります。

人の話ですが、腎不全で透析を受けていた患者さんの食事には羊羹などの甘いデザートがいつも付いていたことを思い出しました。

蛋白質が少ない分、そのようなカロリー調整がされていたということですね。

3.ミネラル分の調整について

カルシウム:リン=1.2~1.4:1

とされますが、これを手作りで測って作るのは現実的には困難だと思います。

リンに関しては、リンを腸内で吸着させて体外へ排出させるサプリメントなどもあります。

処方として出される可能性もあるので、獣医師にご相談下さい。

人で透析を受けている方で、リンの数値が高い場合、やはり吸着・排出の目的で炭酸カルシウムが処方されています。

ナトリウム(塩分)は、腎臓が良いか悪いかに関わらず犬には良くないものです。

ナトリウムを含んでいるような食べ物は腎臓の食事には論外と考えて下さい。

カリウムは、野菜や果物に多く含まれるのですが、これも制限が必要になることがあります。

この数値は腎臓の機能がどの程度悪いかにもよりますが、利尿剤を使っている時には反対に低カリウムになってしまうこともあります。

ナトリウムやカリウム値は血液検査でわかります。(Na、Kと表記)

もしカリウムの排泄がうまくいかずに数値が上昇するようであれば、制限する必要があります。

まとめ

犬の腎臓の病気の治療は食事療法がメインになるほどに重要になります。

腎臓病の食事療法は、人に行う場合も容易ではないです。

日常的なことになりますので、なかなか守られないことも多いです。

しかし、残存機能がわずかしかない進行した腎不全で、透析治療が不可能な犬の場合、食事が命を左右すると言っても過言ではないかもしれません。

犬の腎臓食の書籍もいくらかあるようですが、それよりも人の腎臓食の本などに一度目を通されてみると、基本的なことがわかるのではないかと思います。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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