ドッグフードは、犬の日常的な食事であるため、食物アレルギーの原因になる可能性がもっとも高いです。
与えているフードにアレルゲンが含まれていたとすれば、アレルギー症状はいつまでもよくなりません。
フードは原材料がとても複雑です。
今回は、ドッグフード選びのポイント、アレルギーのある犬におすすめの外国産・国産フードをご紹介してみます。
市場に出回るフードは多種多様
ドッグフードの種類は実に豊富です。
子犬用・成犬用・シニア用という年齢別フードもあれば、犬種ごとのフードなども見かけます。
そしてどの年齢もどの犬種も同じものでOKのオールマイティなフードもあります。
国産だけでなく外国産のものもあります。
値段にもずいぶんと差があります。
いったい何を基準にしたら良いのか?迷いますよね。
子犬用~シニア用など年齢別のものは、その時期の基礎代謝や活動量に合わせてカロリーや栄養素が変えてあります。
例えば小犬用は、少量で効率よくカロリー摂取できるようになっていて、反対に代謝が低いシニア用は消化がよく低カロリーです。
犬種別フードは、犬種に多い病気を考慮した栄養素が加えられているようです。
このようなフードの分類は、国産フードによく見られる傾向のようです。
細かくてわかりやすく親切なのは日本らしいと言えるかもしれません。
国産に比べると、外国産のフードの種類分けは少ないと思います。
ホームセンターやスーパーなどで購入できるフードは比較的安価なものが多いです。
一方、動物病院やネット販売限定などのフードは、値段の設定もやや高めです。
フードの原材料表示に注目してみよう
広く市場に出回っているフードの方が購入しやすく、安価ならそれに越したことがないと考えがちではないかと思います。
中身に違いがなければもちろんそのとおりです。
ただ、ここで注意すべきなのはフードの原材料です。
ちなみにフードの原材料表示は、法律で義務付けられています。
原材料の表示は、そのフードに使用されている割合が多いものから順番に掲載されています。
表示をよく見ると、○○ミール・○○肉粉・○○肉類・副産物という曖昧な表現で掲載されているフードもあります。
防腐剤・着色料・香料などの添加物の記載もとても多いです。
このような記載の多いフードははっきり言って品質が低くおすすめはできないフードです。
添加物の中には、発がん性が問題となり人間には使用禁止あるいは制限されているエントキシン・BHA・BHTといった酸化防止剤があります。
そしてこれらの添加物が表示されているフードもあります。
犬のフードには、タンパク質である肉や魚が使用されていますが、肉のランクというのをご存じでしょうか?
肉には、品質により9ランクまでランク付けされていて、そのうち人間が食べられる肉は6ランクまでです。
最高の品質とされるものが1ランクの霜降りなどです。
一方、フードに使用されている肉には最下位の9ランクの畜肉4Dと呼ばれる肉が使用されていることがあります。
【畜肉4Dとは】
- Dead(死んだ動物の肉)
- Dying(死にかけていた動物の肉)
- Diseased(病気の動物の肉)
- Disabled(身体の一部に障害のある動物の肉)
これらの4Dミートは、人間の食用には不可で廃棄処分される腐敗やカビ、癌細胞に冒された組織なども含まれています。
信じられないかもしれませんが、このような廃棄物がリサイクルされてフードとして加工され、「ミール」「肉類」「肉粉」「副産物」などの曖昧な原材料名で、安価に流通することになります。
フード選びでチェックすべき品質
安価なフードの対極にあるプレミアムフードと呼ばれる種類のフードは、比較すると価格が3倍ほど高い設定です。
その代わり原材料は○○ミールというような不明な表現はなく、良質で信頼性が高いと考えられ、おすすめはこちらのフードです。
品質の高いフードの表示は、タンパク源である肉か魚が最初に掲載されています。
つまり、それは肉や魚の割合が多いということであり、動物性タンパク質を第一の材料として豊富に含む良いフードという証明です。
高品質のフードの保存期間は、それほど長期ではないことも多いです。
フードを選ぶ時は、4Dミートや保存料をチェックしましょう。
粗悪なものは選ばないようにチェックして下さい。
少し高価でもやはり良質のフードが安心であり、おすすめです。
あまりにも安すぎるフードには品質は期待できないと考えて下さい。
《ドライフードの原材料表示チェックポイント》
- メイン食材が(表示の順番が前の方に記載)肉や魚であり、粗タンパク質が25%以上ある(ただし療法食などでタンパク質制限しているものもある)
- 水分が10%以下である
- ○○ミール、○○副産物、○○肉粉などが入っていない
- 赤色〇号などの着色料が入っていない
- 酸化防止剤エトキシキン、BHA、BHTが入っていない
- 甘味料ソルビトール、コーンシロップ、グリシリジン・アンモニエートなどが入っていない
- 保存料プロピレングリコール、亜硝酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムなどが入っていない
アレルギーの犬はタンパク質がカギ
犬の食物アレルギー対応のフードは、ほとんどが材料のタンパク質を加水分解処理したものを使っています。
加水分解とは、タンパク質をより小さい物質であるアミノ酸やペプチドまで分解したものです。
アレルギーの元になるタンパク質をあらかじめ分解することで、アレルギーを起こしにくくなるのです。
病院でおすすめされるアレルギー療法食フードも、蛋白質が加水分解されたものと思います。
アレルギーの犬には、このようにリスクを最小限にした低アレルゲンフード、または検査でアレルゲンを見つけてその食材を使用してないフードが選択の条件です。
食物アレルギーは一種類だけでなく複数の食材に対して反応することが多いので注意して下さい。
動物性タンパク質で比較的アレルギーが起こりにくくおすすめとされるのは、ラム肉・鹿肉・魚などです。
ただ、これも個体差があるので全てが安全というわけではありません。
外国産フードのメリットとデメリット
ペット先進国であるイギリスやドイツ、アメリカなどの外国産のフードは、日本でも国産より優れていると定評があります。
世界中に広く流通し、品質の基準なども厳しいのが特徴です。
良質な動物性タンパク質を多く使用して穀類を使用してない「グレインフリー」と呼ばれる高品質フードも多いです。
ただ、輸入品=輸送中の品質管理が適切かどうかは不明な点であり、そこがデメリットとも考えられます。
たとえ現地で高品質に作られているとしても、私達の手元に届くまでの輸送中の環境については知ることができません。
国産のものと比較すると、輸送中の酸化による品質の劣化の可能性はあるかもしれません。
輸送中のことについては、輸送の気圧に耐えるように外袋に小さい穴をあけておき、日本でパッケージしなおすという話もあります。
真偽のほどはわかりませんが、そのような話があるだけでも不安材料になりますよね。
外国産おすすめフード2点
1.カナガン
カナガンはイギリス産のプレミアムフードであり、おすすめグレインフリーの高品質フードとして有名です。
グレインフリーは、小麦などの穀物が犬のアレルギーリスクを高めるもので、本来肉食である犬には必要ないという考えのもとに作られています。
カナガンは食いつきがよいと好評であり、信頼性も高いフードです。
全ての犬種、全てのステージで同じものを量を変えて与えるスタイルで、小粒で小型犬にも無理なくおすすめできます。
ただ、タンパク質の原材料はチキンのみなので、鶏のアレルギーがある犬にはおすすめできません。
画像出典元 https://www.canagandogfood.co.jp/info/canagandogfood/recommend.html
2.アカナ
アカナは、カナダ原産のグレインフリーフードです。
こちらのたんぱく源は、低アレルギー性のラム肉(グラスフェッドラム)のみが使用されています。
値段は高価ですが、材料全てがヒューマングレードで良質なフードとして定評があります。
国産フードのメリット・デメリット
私達が食品を選ぶ時には、国産であることが信頼性の一つになります。
国産フードにも同じことを期待しがちだと思いますが、実は、添加物の点などで規制が緩いのは国産の方です。
そして国産フードには、動物性タンパク質よりも低コストの穀類(とうもろこしや小麦など)が中心になっているものも多いと思われます。
しかし、2007年に中国で、中国産フードに有毒成分が含まれていたために犬猫が死亡した事件があり、それをきっかけに日本でもフードに対する意識が高まってきました。
それまでは義務でなかったフードの添加物の表示も全て義務付けられることになったのです。
最近は、国産にもこだわりのあるものが増え、国産の良い素材を使った良質なフードを見かけるようになりました。
ただし、国産というのは日本で最終加工がなされたことを指すだけなので、輸入して日本で加工しても国産を名乗ることができるという曖昧さはあります。
そういった意味からも、国産フードを選ぶ時には、原材料の内容に加え産地がわかるものがおすすめです。
国産おすすめフード3点
1.このこのごはん
「涙やけ」「におい」「毛並」にアプローチするドッグフード。
このフードはわりとSNSなどでも評判がよく、ご存じの方も多いでしょう。
食いつきがよいというのもよく聞くので、本当においしいのではないかと思います。
アレルギーの原因になりやすい添加物も加えられていません。
原材料が厳選されていて、しかも低脂肪なフードであることはとてもよいですね。
産地や製造場所なども明確であり安心できると思います。
2.馬肉自然づくり
国産馬肉を使った、小型犬・シニア対象のフードです。
獣医師監修で馬刺し専門店が作っています。
100%ヒューマングレードで添加物や保存料が入っていません。
原材料は全て国産で、明記されている点は品質も安心でおすすめです。
馬肉はアレルギーを起こしにくく、皮膚のトラブルに良いとご存じの飼い主さんも多いのではないでしょうか?
私の愛犬も皮膚や被毛の状態の改善のために、このフードではないのですが馬肉のフードをしばらく食べさせていました。
馬肉フードはアレルギー体質の犬にはおすすめです。
初回限定の割引購入がありますので、興味のある方は、お試ししてみて下さい。
3.みらいのドッグフード
製薬会社が開発した高性能ドッグフード【全13種類】です。
和漢を中心に鹿や魚・マクロビ原料・サプリ・オメガ3・ファイトケミカルなど、犬の健康を守るために作られた『和漢ドッグフード』。
特定の疾患、病気を持っている犬用11種、幼犬、成犬、シニア用など、幅広く選択可能です。
アレルギー対応の為の和漢みらいのドッグフード【特別療法食(皮ふアレルギー用)】もあります。
ぜひ一度ご覧になってみてください。
まとめ
犬のフードは大変多くの種類がありますが、安価すぎるフードはその原材料の安全性に問題が多いと言えるでしょう。
私も、外国産、国産、メジャーなものからそうでないものまで試してフードジプシーだった時期があります。
そして感じたのは、やはり良いものを選ぶならそれなりの価格のものであるということです。
フードは犬が日常的に食べる総合栄養食であり体を作ってくれるものです。
国産か外国産か意見も分かれますが、どちらであってもおろそかにせず、きちんと良質なフードを選ぶことをおすすめします。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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