老犬介護で問題になる床ずれの3大要因とグッズ利用による予防法

近年、飼い主による犬の健康への関心が高まったこと、動物医療の発展などにより、犬の寿命は延びてきました。

しかし、老化は止められるものではなく、長生きになった分、介護される老犬もまた増えたと言えるでしょう。

老犬介護の中で、特に防止策が欠かせない問題に「床ずれ」があります。

床ずれ=褥瘡(じょくそう)は人間の医療介護の場面においても常に大きな課題です。

今回は、床ずれの防止策について解説したいと思います。

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寝たきりになった老犬は床ずれの発生リスクが高まる

犬にも老化によって様々な病気が起こりやすくなり、たとえ治療をしたとしても完治することなく慢性的に経過していくものもあります。

また、身体機能や体力の衰えによって若い時と同じように動けなくなったとしても、それは自然なことでしょう。

そして、老犬の中には、病気や怪我をきっかけにして、それまでのADL(日常生活動作)を取り戻すことができないまま、寝たきりになってしまう犬もいると思います。

そこで問題になるのが床ずれ(褥瘡)の発生です。

床ずれは、同一姿勢で過ごすことで同じ部位が圧迫され続けることにより、その部分の正常な血流が低下、または停止されることで起こります。

血液循環が悪化し栄養分や酸素が届かない状態が一定時間持続すると、その周辺組織は阻血性障害を起こし、やがて死滅してしまいます。

これが床ずれです。

寝たきりの犬の床ずれは、人の場合と共通の問題と感じます。

ただ、犬は全身に被毛がある点が人とは異なっていて、それがクッションになるなどの皮膚を保護する効果がある反面、清潔を保ちにくく感染源になりやすいという欠点にもなるようです。

ここでは老犬という前提での話ですが、床ずれは年齢にかかわらず、例えば麻痺があり体を自由に動かせない若い犬などにも発生します。

床ずれは、一度できてしまうと治りにくく、多発しやすく、あっという間に悪化してそれが全身状態を左右することもあるので、その予防はとても重要です。

床ずれは骨の突出部位に好発

骨が突出している部位は、強い圧迫を受けやすい為に床ずれの好発部位になります。

どのような姿勢で過ごしているかにもよりますが、頬部(ほお)、肩~肩甲骨、前肢や後肢の外側、肘、大腿部、腰など、触って骨を感じるようなところにできやすいと考えるとわかりやすいです。

そのような部位と床(寝床)が長く接していて圧迫を受け続けている場合や、または、骨ばった部位同士が長時間重なり合っている場合なども床ずれの原因になります。

老犬は間接的な要因も高い

同一部位の長時間の圧迫に加えて、床ずれの発生には間接的な要因もあります。

全身的な要因

老犬は栄養状態が低下していることも多いです。

その為、低アルブミンによる浮腫なども起こりやすいので、皮膚の抵抗力が弱く傷つきやすいというリスクがあります。

また、栄養状態が悪いと皮下脂肪や筋肉が不足し、全体的に痩せて骨の突出も明らかになるために床ずれにつながりやすくなります。

局所的な要因

加齢や栄養不足により、皮膚の状態が悪いことも床ずれのハイリスクです。

乾燥して皮膚が薄くなっている、炎症性の皮膚病がある、失禁などにより排泄物で常に汚染や湿潤がある場合は、外からの刺激にも弱くなっており、床ずれが発生しやすくなります。

浮腫のある皮膚、黄疸が出ている皮膚なども床ずれのハイリスクであり、これは全身性の要因とも言えます。

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床ずれの予防策・皮膚の清潔

寝たきりになってしまった老犬では、排泄の問題も同時に考えなければならなくなります。

そして排泄の管理と清潔の保持は、床ずれ予防にも重要な課題になります。

やむを得ずオムツを活用することもあるとは思いますが、こまめに取り替える、清潔を保つことを心がけなければなりません。

オムツの中はただでさえ蒸れやすく、排泄物が皮膚に付いたままにしておくと皮膚のトラブルが起こりやすいです。

そのように皮膚の状態が悪いと、床ずれの発生の条件が高まってしまいます。

【参考記事】

老犬のお漏らし対策 その原因と必要となる介護について

被毛のカット

普通の状態でも、汚染を防ぐために肛門周囲などの毛をカットすることはよくあります。

寝たきりの老犬はもっと汚れやすくなりますので、できる限り肛門周囲の毛を短くカットしてあげて下さい。

足裏カット用の小さいバリカンだと安全にできると思います。

尻尾の毛も長くて汚れが付きやすいようでしたら、コンパクトになるようにカットしてあげましょう。

尻尾をサポーターなどで保護しておくのも1つの手段ですが、そうするのなら覆いっぱなしにするようなことのないようにマメにはずして取り替えて下さい。

尻尾の血流が悪くなるような窮屈なものは、別の問題が発生し危険ですので気を付けて下さい。

部分浴

シャンプーが無理な状態でも清潔を保つことはできます。

人の医療や介護の場面では寝たきりの状態でも、毎日、全身を温タオルで拭き、排泄物で汚れる陰部はベッド上で洗浄します。

犬用の、水が不要なシャンプーは市販されていますし、拭き取り不要のシャンプータオルなど手軽なものがあります。

シャンプータオルはビニール袋に入れてお湯に浸け温かくして使うこともできます。

 

《水がいらないウォーターレスシャンプー》

 

お尻を部分浴する時は、ペットシーツを敷きこんで、下の画像のようなお尻洗浄用のボトル(このボトルは人用ですが応用できそうです)を使用すると便利だと思います。

百均に行って使えそうなボトルを探しても良いかもしれません。

 

《ベビー用おしり洗浄ボトル》

 

ただし、拭く時も洗う時も絶対に皮膚を強くこすったりしないようにして下さい。

弱っている皮膚をこするなどの外的刺激は、皮膚の表面を傷つけ、床ずれのリスクになってしまいます。

部分浴も優しく丁寧に洗い、もしシャンプーを使用するなら、シャンプー成分は残さずにすすぎ、水分はタオルで抑えるようにしてしっかり吸い取って下さい。

床ずれ予防策・栄養状態の改善

老犬で寝たきりになってしまうと、食欲も低下していることが多いと思います。

しかし、栄養状態が悪いと、床ずれができやすくどんなにケアしても治りにくいです。

創傷の治癒にはアミノ酸(蛋白質)が欠かせない栄養素です。

また、脂肪や筋肉を少しでも増やして床ずれを防ぐ為にも栄養状態を改善しなければなりません。

流動食

自力で食べることが困難な状態であれば、市販のシリンジを使って介助で流動食を食べさせてあげて下さい。

流動食を食べさせる時は、寝せたままで口に入れるのではなく、抱き起して頭を起こしてあげた方が自然な飲み込みの形であり、気管に誤嚥することなく安全です。

 

《介護食や水分補給に 流動食注入器》

 

流動食も市販されていますが、フードをふやかしてミキサーにかけても大丈夫です。

ただ少量でも高カロリーでバランスのよいものを考慮したいので、栄養補助食などを併用していく方が効果的だと思います。

老犬の好みの味で、ミキサー食などの形状にすれば何とか自分で食べられるようなら、もちろん、自分で食べられるように体を支えて介助してあげて下さい。

 

《流動タイプの総合栄養食24個セット》

 

体圧分散マットと時間ごとの体位変換

細かいかもしれませんが、床ずれを予防するためには2時間おきの体位変換が基本です。

人の看護では、その人の身体条件をチェックして褥瘡リスクを判定し、ハイリスクのスコアの場合はエアーマットというベッドマットを導入します。

エアーマットもいろんな種類がありますが、電源に繋ぐことでマットの内部を自動的にエアーが膨張や収縮を繰り返しながら対流し、体圧を分散させるもので、褥瘡予防に効果的です。

犬の介護用品では、電動式ではないですが、やはり体圧分散の効果が得られるようなマットが市販されています。

寝返りが打てなくなった老犬では、体位変換もですが、普段寝かせるベッドも是非そのようなものを活用してあげてみて下さい。

低反発は体が沈み込み、湿度もこもりやすくなるのでお勧めしません。

通気性のよい体圧分散マットの方が効果は期待できると考えられます。

体位変換(寝返り)の際は、一度抱き起して下さい。

肩の下に手を差し入れ、片手は腰を抱えながら、抱き起します。

体制を整え、老犬の手足をできるだけ安全に曲げて背中を上にした伏せの姿勢から、さっきとは反対の向きに整えながら寝かせます。

犬の体をそのまま仰向けにして反対側に転がすような寝返りは危険なのでさせないで下さい。

また、ひきずったりすると皮膚に刺激が加わり床ずれの原因になりますので、丁寧に扱って下さい。

起こしただけでも血流が期待できますが、せっかくの機会ですので、関節の曲げ伸ばしや優しくマッサージなどしてあげると関節の拘縮の予防にもなります。

【参考記事】

犬もリラックスして免疫アップ!ドッグマッサージの素敵な効果

寝たきりになると、関節が拘縮し不自然な形に固まって動かせなくなることもあるので、気を付けてあげて下さい。

 

《通気性抜群・中身も丸洗いできる体圧分散マット》

 

シーツ類のしわ・手足の重なりに注意

寝床に敷いたシーツやタオルなど、敷物のしわなどもできるだけ伸ばしましょう。

しわの寄った部分の圧迫も床ずれの原因になります。

また、寝かせた姿勢でできるだけ手足が重ならないようにしてあげて下さい。

骨が突出しているかかとや肘の部分を保護するように、靴下などを履かせることや、上下重なってしまう部分に小さいクッションを入れてそれを抱かせるなどして、体制を工夫してあげましょう。

やわらかいビーズクッションなどが使いやすいと思います。

まとめ

床ずれは皮膚の同一部位の圧迫によって血流が停止し、組織が死滅してしまう状態を言います。

床ずれの3大要因は「長時間の圧迫」「栄養不良」「皮膚の汚染や湿潤」です。

床ずれは一度できてしまうと治療が難しく、悪化して敗血症など全身の悪化に繋がることもあり軽視できません。

床ずれは、できてから治療するのではなく、予防に努めることが何よりも重要です。

予防は、3大要因への対策がポイントになります。

今は介護用のグッズも多数あり、人用のグッズで応用できるものもあると思います。

是非、上手に活用し、お互いが快適に過ごせるようにして下さい。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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