老犬のお漏らし対策 その原因と必要となる介護について

犬のお漏らしの原因は病気であることも多いので、まずはその対策が最も大切ですが、老犬の場合には特有の原因や、その年齢から、介護の必要性が切り離せなくなることが想定できます。

今回は、お漏らしをする老犬の排泄の問題について、どのような原因があるのか、その対策について解説したいと思います。

(2016/12/14初回公開記事)

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犬の老化と平均寿命

犬の寿命は、だいたい12~15歳と言われています。

2016年にアニコム損害保険会社が発表した犬種別平均寿命のデータによれば、犬全体の平均寿命は13.7歳であることがわかりました。(出典元 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2016/news_0160531.html

一般的には、大型犬よりも小型犬の方が長寿の傾向にあります。

もちろん、犬種や体格、個体差もありますが、犬の平均寿命はこの30年くらいで急激に延びているようです。

【犬の年齢の人間の年齢への換算方法】

>>老犬に粗相が始まった時 理解すべきことと対策について

犬が長寿になった背景には、犬のフードの改善や、ワクチンの普及、昔のような外での飼育ではなく環境の良い室内で飼育される犬が増え、病気にかかりにくくなったことなどがあります。

それだけ犬の健康に関心を持つ、意識の高い飼い主が増えたとも言えるでしょう。

そして、長寿であるということは、同時に老犬の介護というものも必然になってきたということを意味します。

犬が老犬と呼ばれる年齢は、大型犬では7歳くらい、小型犬は10歳くらいからとされています。

ただし、老化の兆候には個体差があり、それぞれの健康状態や持病などによっても異なります。

免疫力の低下などが始まるのも、平均すると7歳くらいからと考えられ、フードの種類の切り替えもそのあたりを目安にしていることが多く、いわゆるシニア期と呼ばれる時期になります。

老化の兆候としては、次のようなことが挙げられます。

【犬の老化による体の変化】

  • 被毛の艶が悪くなってボリュームが減ってくる。
  • 目が白く濁り、視力が落ちて、あまり見えてない様子である。
  • 歯に付着している歯石が目立つようになり、口臭がある。
  • 呼んでも反応が鈍く、耳の聞こえが悪い様子である。
  • 一日を通して寝ていることが多く、活発に遊ばなくなる。
  • 食欲が異常にあるか、またはなくなる。
  • 動作に時間がかかり、起き上がれない。
  • 足元のふらつきがあり、歩き方が不安定である。

そして、それまではちゃんとできていたのに、トイレ以外の場所での粗相やお漏らし(失禁)という行動も、このような老化現象のひとつと考えられるのです。

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老犬がお漏らしする原因

病気が原因

犬のお漏らしには、病気が原因となっていることも多いです。

【お漏らしの原因で考えられるものの参考記事】

>>犬のお漏らしは病気のサイン?知っておこう!原因と対策

犬のお漏らしには、上記リンク先のような病気が原因になっている可能性があり、それは老犬も例外ではありません。

むしろ、老犬であるがゆえに、このような病気の発生が多いと言うことができます。

老犬のお漏らしに気づいたら、老化から起こる現象であると決めつけるのではなく、病気が原因になっていないかを第一に考えて医療機関に相談して下さい。

その原因が治療できるものであれば、是非、適切な治療をしてもらいましょう。

老化によってホルモン量が減少する為に、老犬はホルモンが原因となる病気になりやすいです。

ホルモンが原因の病気は、オス犬には前立腺肥大メス犬の場合には尿道括約筋機能不全が起こりやすく、それぞれがお漏らしの原因になります。

さらに老犬は、免疫力の低下が原因で膀胱炎などの炎症を起こしやすく、また、治りにくくなります。

一旦治っても繰り返しやすいなど、慢性的に尿路系の病気を抱えてしまうことが多くなるのです。

老犬には、腎機能の低下が見られることも多いです。

おしっこを濃縮する腎臓の機能が低下することが原因で、おしっこの量が増えると、お漏らししやすくなります。

【腎臓の病気の参考記事】

>>犬の腎不全と余命 検査数値と腎臓病のステージについて

筋力の低下

また、加齢による筋肉の衰えは、膀胱や尿道の筋肉にも影響します。

筋肉が緩んでくることが原因となって、おしっこを膀胱にたくさん溜めておくことができなくなります。

その結果、おしっこが少量しかたまってないのに我慢ができないので、おしっこの回数が増え、尿道の筋肉を閉めておくのが難しいのが原因で、お漏らししてしまうという現象が起きてしまいます。

足腰も弱くなっていきますので、立ち上がるのも、排泄の時に体を自分で支えることも次第に難しくなって来ます。

動作が鈍くなっていることが原因で、トイレに移動するのが間に合わず途中で粗相するということも重なってくるようになるかもしれません。

あるいは、おしっこそのものの感覚がわからなくなって来て、それもお漏らしの原因に繋がっていきます。

わからなくなる原因には、次のような病気の可能性もあります。

【犬の認知症について】

>>止まない徘徊は犬の認知症の症状?診断はどのようにされるのか?

さらに老犬の場合は、心臓の病気などを発症することも多く、そのような病気の治療で使われる利尿剤などの薬の種類によっては、おしっこの量が極端に増えることもあります。

それもまた、お漏らししやすくなる原因になります。

【犬の心臓病について】

>>心臓に雑音が生じる犬の病気 僧帽弁閉鎖不全症の症状と治療

老犬のお漏らしの対策

お漏らしにもいろいろなパターンがあります。

飼い主さんは、床に水滴がぽつぽつと落ちているのを見て異変に気づくかもしれません。

犬がほとんど寝たきりのような状態であれば、犬が休んでいた場所やベッドがおしっこで濡れていることもあるかもしれません。

ちょうどおねしょのように、寝ながらお漏らししているパターンもあります。

老犬のお漏らしに気づいたら、今後のお漏らし対策、トイレの介助のことなどを考えていかなければならなくなります。

トイレでの排泄の介助

犬が動ける状態であれば、排泄の習慣はこれまで通りに維持していくことができますが、老犬の膀胱は筋力低下が原因でたくさんのおしっこを溜められなくなっています。

それを踏まえた対策が必要になってきます。

もしも排泄の習慣が屋外のみであるのなら、散歩の回数を増やす対策が必要になるでしょう。

老犬の散歩時間は、まとめて長時間するのではなく、一度の散歩時間を短くして、その分回数を増やす方が、老犬にとっては体力的にも負担が少なく、お漏らし対策になります。

老犬には、排泄のための短い散歩を増やしてあげるようにして下さい。

【老犬の散歩についての参考記事】

>>老犬が散歩で歩かない時・歩けない時の対応について

また、今は散歩に出られても、老化が原因でいずれ歩けなくなるという可能性もあります。

屋外派の老犬は、室内のトイレも使えるような対策をとっておいた方がベターです。

それまで室内トイレの経験のない犬の場合は、習慣を変えるのは難しいかもしれません。

それでも、時間を見計らってトイレシートに誘導し、そこでできたら褒めるという、子犬のトイレのしつけのような練習をしてみて下さい。

トイレの場所は、できるだけベッドから動線の良い、移動に無理のない位置で、トイレシートをトイレとして認識させる対策をしておきましょう。

根気がいることで、今更と感じるかもしれませんが、今後、体の動きがもっと悪くなる可能性はあり、また、病気で外に連れだせなくなることもあります。

室内トイレを使用できるということは、その時の対策であり、結果的に老犬も飼い主さんも楽になることなのです。

あるいは、筋肉の衰えや関節痛などが原因で、体を自分で支えることが難しく、排泄時の姿勢が安定できないためにうまく排泄できないということもあるかもしれません。

出しきれてないおしっこがお漏らしの原因になっている可能性もあります。

その場合の対策として、飼い主さんが、老犬の排泄時にその姿勢を支えて安定させ、全部出し切れるように介助をしてあげて下さい。

具体的な対策は、大型犬では、飼い主さんが犬の後ろにまわり、腰から後肢にかけて支えてやると安定しやすいと思います。

小さい犬の場合は、前から支える方が支えやすいかもしれません。

うんちの時は、左右の太ももから胴体にかけて股の間から手で内側から支え、犬が踏ん張ってもよろけないように手伝ってあげて下さい。

もし、少量ずつのお漏らしがずっと続くということであれば、マナーベルトや尿パッドなどによる対策も便利です。

紙オムツに比べると違和感が少なく、装着しても老犬に負担も少ないと思います。

【紙オムツ他の種類について】

>>犬のお漏らし対策 体にフィットするオムツを選んで快適に!

そして、同時に部屋のフローリング対策などもされた方が良いでしょう。

これは、筋力が落ちた老犬が滑りにくくする為の対策にもなり、お漏らしで汚れた時の掃除対策でもあります。

フローリングは、部分的にはずして洗えるタイルカーペットなどを敷いておくと便利だと思います。

下の画像は、滑り止めコーティング剤です。

ペット専用なので安全性も配慮されており、滑り止め対策、防水対策になります。

いざという時の掃除も簡単になると思います。

 

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床対策も、今更と思われるかもしれませんが、最初に手間をかけて今後のために対策しておけば、老犬と飼い主さん双方の負担を減らすことになると思います。

寝たままでの排泄

老犬が自分で動くことが難しくなってきたら、寝たままで排泄しても良いような対策が必要になってきます。

動きが少ない犬であれば、オムツではなく、お尻のあたりにトイレシートを敷いてやる方が、蒸れの原因にもならず、違和感をあまり感じさせることなく、尚且つ皮膚のトラブルも防げると思います。

トイレシートは、オス犬の場合は腹部の方に重点的に、メス犬の場合はお尻の方に広めに敷くと、おしっこが飛ぶ位置にちょうど当たることになり、受け止めるのもうまくいくと思います。

老犬が寝ていることが多くなると、皮膚の同じ部位の圧迫を避ける為に、定期的に向きを変えてやるという介助(体位変換)も必要になります。

それは、ずっと圧迫されている同じ部位に床ずれができやすくなるので、その予防対策の為です。

床ずれは、できてしまうと悪化しやすく、大変治りにくいもので、寝たきりになってしまった時に床ずれをいかに予防するか、その対策は人間の介護でもとても重要なテーマなのです。

床ずれができる原因には、栄養状態の低下、同一部位の圧迫(骨の出ている部分に圧がかかりやすくできやすい)、皮膚の汚染や湿潤などがあります。

常に排泄物で濡れ、蒸れている状態は、床ずれを作ってしまう大きな原因になります。

できる限り清潔で乾いた状態を保てるよう、気を付けてあげて下さい。

【床ずれの参考記事】

>>老犬介護で問題になる床ずれの3大要因とグッズ利用による予防法

そして、ほとんど寝たきりであったとしても、飼い主さんができる時だけでも、排泄時間を見計らってトイレに連れて行くようにしてあげましょう。

支えられながらであっても、これまでと同じようにトイレで排泄するということは、老犬の精神面によい刺激になり、現在の機能の維持の為のリハビリ対策になります。

腹圧をかけられなくなったことが原因で、自力でおしっこやうんちを出せない場合は、腹部を圧迫する方法や肛門を刺激する方法で介助する対策も必要になります。

ただ、これはむやみに圧迫すればよいものではありません。

おしっこが溜まっている状態で強く圧迫しすぎると、膀胱を損傷する原因になり危険です。

圧迫による排泄介助の手技は、獣医師に正しい指導を受けることが必要です。

オムツの活用

 

オムツ対策をする場合は、サイズ選びが重要です。

オムツは、お腹まわりに人間の指2本分くらいが入るゆとりがあって、足回りはぴったりとフィットしていることが大事です。

足回りが大きすぎると、漏れの原因になり、きつすぎると絞まる原因になってしまい、オムツ使用もうまくいきません。

選ぶ前に、実際のサイズを計測しておく方が無難と思います。

犬用のオムツもたくさんあるのですが、体格が合うようなら、人用のオムツ(赤ちゃん用・大人用)でも応用できます。

人用のオムツを使用する時は、尻尾が出せるようにその部分を切って、さらに中のポリマー成分が出てこないように切り口をテープで塞ぐなどの対策が必要です。

この時、尻尾の形に丸くくりぬくのではなく、尻尾の位置に十文字に切り目を入れる方法が簡単です。

切り目から外側に折り返して、テープ固定をします。

そうすることによって、テープで切り口周囲を全面的に覆う必要もなくなり、外側に折り返しているので、テープや切り口が犬の尻尾の付け根に直接当たらず、不快感の原因にならずにすみます。

【犬のオムツの参考記事】

>>犬のお漏らし対策 体にフィットするオムツを選んで快適に!

いろいろと対策してみた結果、やはりオムツが必要になった場合でも、着けたままにはしないで下さい。

飼い主さんの目が届く範囲で、こまめにはずしてやることによって、皮膚のトラブルの原因にもなることも防げます。

オムツが汚れた時は、マメに交換して、汚染した体も温タオルで拭くなどして、きれいにしてあげましょう。

そして、たとえうまくいかないとしても、排泄習慣を忘れないようにトイレに誘導してあげて下さい。

現実的な方法ではなくても、そうすることで心身にメリハリをつけられ、老犬の生活の質をよりよく保つには無意味ではないのです。

まとめ

犬が若い時には、このようなことはおそらく想像もつかず、関係のないことと思いがちかもしれません。

しかし、犬に目立つ老化の症状が出現するのは、ある日いきなりであることも珍しくないようです。

普段から、いずれは来る日への覚悟と、もしもの時の対策も考えておくべきだと思います。

年を取って体が動かなくなってしまっても、愛犬と過ごす時間はとても貴重で愛しいものではないでしょうか。

あなたと大事な家族が一緒にいられる時間が、少しでも永く続きますように。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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