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糖尿病で治療中の犬 おやつも食べさせてはだめ?

♦内分泌ホルモン
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糖尿病は血糖値のコントロールが全てです。

犬が糖尿病と診断されたら、それまでの食事や生活習慣の見直しが必要で、特におやつを含めての食習慣は、血糖値を大きく左右するのでとても重要になってきます。

そうは言っても、いきなりおやつをやめるのは飼い主さんも犬も辛いですね。

今回は、糖尿病の犬のおやつの与え方についてご説明したいと思います。

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犬の糖尿病の治療・食事療法

糖尿病は、体内のインスリンというホルモンが不足することによって起こる病気です。

栄養として取り入れた糖はエネルギーとして使われますが、エネルギー変換するにはインスリンの働きが不可欠なのです。

インスリンは、膵臓で作られるホルモンです。

【参考記事】

犬の膵炎は再発しやすい病気 食事療法が治療の基本!

糖尿病では、インスリンが不足するので糖をエネルギーに代謝できず、代謝されない糖は血液中に浮遊したまま増えていきます(高血糖の状態)。

高血糖の状態が続き、それが全身を巡ることで、あちらこちらの細胞がダメージを受けます。

糖尿病で血糖のコントロールが不良のままで長年経過すれば、そのうち多くが合併症を起こします。

糖尿病の合併症には、余命を左右する重大なものもあります。

糖尿病には2つの型があるのですが、犬の糖尿病は、Ⅰ型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)という型がほとんどです。

【糖尿病の症状と合併症の参考記事】

犬の糖尿病の症状チェック 初期症状や合併症はどんなもの?

糖尿病の治療方法

糖尿病では、血糖値を良好に保って合併症を予防することが治療の目標になります。

Ⅰ型(インスリン依存型)糖尿病とは、インスリンの働きが不足するというより、もうインスリンの分泌そのものが期待ができない状態です。

人の生活習慣病で問題になる糖尿病は、ほとんどⅡ型糖尿病で、そのタイプは食事療法や運動療法、内服薬との組み合わせでインスリンが間に合うようになり、病状が改善できることが多いです。

しかし、犬の糖尿病に多いタイプのⅠ型糖尿病の治療は、注射でインスリンを補充するインスリン療法が必要になります。

ちょっとわかりにくいですね。

【参考記事】

犬の糖尿病の検査方法と診断・治療にかかる費用について

食事療法の重要性

インスリンを使用すれば、血中に浮遊している糖の代謝が進むので、血糖値は下げられます。

でも、血糖が極端に上下しない状態に安定させるには、摂取と消費のカロリーのバランスが大切なのです。

インスリン療法を行いつつも、それだけではなく、食事療法、運動療法は治療の上で必須です。

糖尿病に適した食事

糖尿病は、自分で血糖値の調整ができなくなる病気なので、血糖値の急激な上昇などは避けなければなりません。

その為には、食事内容や食事の摂り方に工夫が必要です。

食物繊維は糖の吸収速度を抑えてくれるので、血糖値の急上昇を抑えることができ、糖尿病の食事に加えると効果的です。

また、できるだけゆっくりと時間をかけて食べる方が血糖値上昇は緩やかになるので、早食いの癖がある犬には、早食い防止の食器などもあります。

 

 

 

糖尿病には療法食のフードも市販されています。

療法食については下のリンク先の記事を参考にされて下さい。

【糖尿病の療法食の参考記事】

犬の糖尿病と食事療法のポイント フードの選び方について

糖尿病の犬はおやつを食べられるのか?

犬のおやつの必要性とは?

犬の栄養が食事できちんとまかなえているなら、捕食としてのおやつは必要ないものです。

おやつは完全に嗜好品のカテゴリーに入ります。

市販のおやつは、高カロリーなものも多く、添加物も使われていて、たとえ糖尿病でなくても好ましくないおやつもたくさんあります。

犬におやつは不要、とはっきりと言い切ってしまう意見もあり、フード以外は食べさせないと決めている飼い主さんもいます。

しかし、おやつはご褒美という特別感を持たせやすいので、上手に使えばしつけなどに活用しやすい良いアイテムでもあり、食事で不足している栄養を補うことにもなります。

【犬のおやつの量の参考記事】

アレルギーがある犬に手作りおやつ 安全おすすめレシピ3点

ただ、糖尿病の犬は、血糖値を急上昇させる食習慣は作らないようにしなければならないのです。

食事時間や量が不規則だと、インスリン注射も台無しになってしまいます。

おやつは血糖値の上昇を一時的に招いてしまうので、糖尿病の犬は、決められた時間以外の食べ物は避けた方が安全です。

おやつ習慣はやめられない

市販のおやつが心配なら、野菜や果物ならばヘルシー?

そう考える飼い主さんは多いのですが、実は果物は糖分が多いので注意が必要です。

野菜でも、犬が好きな芋類やかぼちゃなどはやはり糖質が多いです。

犬は食べ物を自分で選んで食べることはできません。

食習慣の良し悪しは全て飼い主さんの判断に委ねることになり、糖尿病の犬の食事の内容は全て飼い主さんが管理することになります。

守らなければならないことは、血糖値を正常範囲に近づけることと日内での変動の少なさです。

それまでおやつ習慣があった犬に、いきなりおやつを全てやめるのは難しいかもしれません。

糖尿病の犬にどのようにおやつを取り入れるかは、飼い主さんの工夫次第と思います。

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糖尿病の犬にもこんなおやつならOK

糖尿病があっても、少しのおやつなら与えている飼い主さんは多いです。

選ぶおやつは、糖質が少なく水分の多い野菜、例えばきゅうりやキャベツ、ブロッコリーなどを少量与えているパターンが多いようです。

一回分の食事量を少なくして、その分回数を増やすようにすると、犬は満足感を得られ血糖値の上昇も緩やかになります。

おやつの代わりに、一日量のフードを分割食にして回数を増やすというのはひとつの手段です。

または、分割までしなくても、一日分のフードから取り分けて、フードをおやつにするというようにすれば、カロリーオーバーする心配はなくなります。

インスリンとの兼ね合いがあるので、食事時間や量の変更は、必ず獣医師に相談して下さい。

おやつの与え方の工夫

犬は、おやつをあげればあげるだけ食べてしまう傾向があるものです。

そして、そのおやつが一粒のフードであっても、飼い主さんにおやつをもらうということが犬を満足させます。

インスリン注射とおやつをリンクさせ、注射の前後にほんの少しのおやつをあげるようにして、それを注射のご褒美として位置付けている飼い主さんもいらっしゃいます。

注射ができたことを褒めながらおやつをあげ、スキンシップを十分に行えば、インスリン注射を習慣化させることにも役立つわけです。

ヒルズ・犬用【メタボリックス】ビスケット

糖尿病の療法食フードと同じラインで市販されているおやつもありますので、ご紹介します。

こちらは「体重減量と体脂肪管理の食事療法のため成分を調整した特別療法食おやつ」ということで、何だか食べさせると減量できるように勘違いしそうですが、もちろんカロリーはあり、1個およそ6.9kcalです。

食べさせなければ摂取しないカロリーで、食べさせるならそれを一日の中のカロリー計算に加えなければなりませんのでご注意下さい。

 

まとめ

犬の糖尿病は、一生涯に渡っての血糖値コントロールが必要になります。

様々な合併症が命に関わる危険性もありますが、血糖値のコントロールが良好であるなら、病気と共存しながら長生きし、その寿命を全うすることは十分可能なのです。

毎日のインスリン注射やカロリー計算など、糖尿病の管理は簡単なことではないかもしれませんが、要するに血糖値を安定させればいいのです。

おやつは、絶対に食べさせてはいけないのではなく、血糖値を変動させない工夫が必要ということなのです。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

 

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