ピーナッツは、普段からおつまみなどに買い置きしている家も多いのではないでしょうか?
食べながらついうっかり落としてしまっても、粒が小さいので見つけにくいです。
でも、落としたピーナッツを犬が拾って食べてしまったら?
ピーナッツは犬が食べてはいけないものなのか、飼い主さんはぜひ確認しておきましょう。
ピーナッツは脂質そのもの・栄養価は高い!
ピーナッツは、マメ亜科ラッカセイ属の一年草です。
つまり「落花生」と呼ばれるナッツです。
そもそもナッツと豆の違いがわかりにくいと思いませんか?
ナッツとは?
バラ科(アーモンドなど)、マメ科(ピーナッツなど)、ブナ科(栗など)の全てを含めた総称で、硬い皮や殻のある食用の植物の果実や種子のこと
ちょっとイメージが違うかもしれませんが、栗もナッツの仲間なのです。
【参考記事】
ピーナッツとは、落花生の皮を取った中身です。
薄皮の付いているものもあれば、薄皮まで取ったものもあります。
一粒のカロリーは、あんなに小さい粒にもかかわらず約3.5Kcalもあり、その成分は半分が脂質です。
しかし、ピーナッツの脂質は大変良質なものなのです。
ピーナッツの脂質は、オレイン酸やリノール酸という不飽和脂肪酸です。
これらの脂肪酸は、悪玉コレステロールを減らして、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病を防ぐ効果があります。
ビタミンEも豊富で、その抗酸化作用は老化防止に効果があることはよく知られています。
ビタミンEは、血管を柔軟に保つ、アンチエイジングのビタミンとして有名ですね。
また、糖質の代謝を促し疲労回復に有効なビタミンB1も豊富です。
そして、ピーナッツの薄皮には、強力な抗酸化作用のある、ポリフェノールが含まれています。
あの小さなナッツは、カロリーも高いですが栄養たっぷりなのです。
ピーナッツは犬が食べてはいけないもの?
ピーナッツの栄養素を見てみると、今のところ、犬が食べてはいけないものという成分はなさそうですね。
ピーナッツは、犬が食べてはいけないものというわけではないのです。
ただ、犬の消化管は大豆なども含めて豆類の消化は苦手なので、ピーナッツも消化吸収はいいと言えません。
食べた量にもよりますが、消化不良で嘔吐や下痢などの原因になることもあれば、未消化のピーナッツがそのままの形で排泄されることもあります。
【参考記事】
体の外に出て来るなら良いですが、腸に詰まるというトラブルを起こす可能性もあります。
犬の歯は、形状的に人と違っているので、食べ物を噛んで潰すということができません。
犬は食べ物をほぼ丸飲み状態です。
そのために、特に小型犬などでは、あの粒が気管に詰まる危険もあってとても危険なのです。
そして、ピーナッツにはミネラルも多く含まれています。
ミネラルを多く摂りすぎると、尿路の結石ができやすくなります。
【参考記事】
それに人が食べるピーナッツは、塩分がとても濃いです。
私達はあの塩辛さも美味しいのですが、犬にはナトリウムの過剰摂取で論外です。
ピーナツは、たった一粒でも高カロリーなので、肥満にもなりやすいです。
このようにあげていくと、ピーナッツは、あまり犬に好ましい食べ物ではないですね。
ピーナッツは、毒物のような成分はなく、犬が食べてはいけないものとまではいかないのですが、積極的に食べさせるものでもないです。
さらに、ピーナッツ(落花生)は、アレルギー食品にあげられている食品の一つであることは重要なことです。
食品に表示が義務付けられている成分で、普段私達が手にする食べ物をよく見たら「ピーナッツと同じ工場で作られています」というような表示がありますね。
ナッツには絶対に犬が食べてはいけないものがある
ナッツの中には、絶対に犬が食べてはいけないものがあります。
それはマカダミアナッツです。
マカダミアナッツは、その名前から付けられたマカダミアナッツ中毒というものが存在するほどで、中毒を起こすナッツとして知られているのです。
マカダミアナッツ中毒
症状:嘔吐・発熱・痙攣・後肢麻痺
犬が食べて12時間以内に発症し、重度になると腎不全を起こして死亡する。マカダミアナッツの殻付きが簡単に手に入るハワイでは、多く報告されている中毒。解毒剤はない。
この中毒は、対症的な治療によって回復することも多いようですが、個体差があり、ほんの少しの量を食べただけで亡くなったケースもあるようです。
マカダミアナッツは、日本でも普通に手に入るナッツですので、これは知っておかないといけないと思います。
実は、ピーナッツ・クルミ・アーモンドでも、それに含まれているペニトリウムAという物質が中毒を引き起こすと言われていて、犬が食べてはいけないものという説もあります。
マカダミアナッツ以外のナッツなら、犬が食べても問題ないという意見と分かれるのです。
犬の食べ物に対しては、このような意見の違いはよく見かけます。
私は、こういう場合はリスクの方を重要視します。
どちらかわからない食べ物をわざわざ犬に食べさせることはないと思うからです。
犬の食の安全は飼い主さんが握っているのです。
【参考記事】
ピーナッツが含まれている犬のオヤツもある?
ピーナッツは、犬のおやつに使われているものもあります。
犬に薬を飲ませる時には、ピーナッツバターを使うと良いと指導する獣医師もいるようです。
しかし、少量であっても、人間用に味を調整したピーナッツバターが犬に良いわけはないと思います。
そこで、犬用のピーナッツバターというのを調べてみました。
すると、これではないかと思うものがありました。
このコングペーストには、チキンやチーズ、レバーなど、いろいろな味があります。
うちは、薬を飲ませる時に、このボトルではなくチューブタイプのチーズ味を使っています。
このペーストに、ピーナッツバター味がありました。
これは、犬の知育おもちゃに詰めるペーストで、犬の嗜好性が高く作られています。
コングペーストの成分には、本物のピーナッツバターは含まれていません。
フレーバーというだけですので、ピーナッツのことは考えずに使えるピーナッツバター味の便利なペーストという感じです。
本当にピーナッツバターが入ったクッキーもありました。
ソジョーズ グッドドッグトリーツ ピーナッツバター&ストロベリー 100g
自然素材のみを使用し、無添加・無着色・保存料不使用のおやつです。
こちらには、原材料に本当にピーナッツバターが使ってありましたが、人間用に味が付いたものではないでしょうし、それほどの割合ではないのではないかと思います。
犬にピーナッツを食べさせる場合は?
食べてはいけないものと言われたり、実際に食べられていたりと良し悪しがはっきりしないピーナッツです。
結論としては、積極的に食べさせる必要はない食材と考えた方がよいと思います。
そのままの形では、気管に詰まる、消化不良で腸に詰まる、塩分が高い、カロリーが高い、アレルギーを起こしやすいなど、問題が多いです。
小型犬は本当に気管に詰まる危険が高いと思うので、誤嚥に注意しなくてはいけない食べ物でもあると思います。
しかし、栄養価やその嗜好性だけ見ると、ピーナッツはアクセントとしては利用できるかもしれません。
使う場合は、薄皮も消化が悪いので取り除き、茹でて柔らかくするか、実を潰してペースト状にするのが良いでしょう。
それも味の付いていないものに限ります。
まとめ
ピーナッツは、形状的に危険があるので、誤嚥に注意が必要です。
人が食べていて落としたものなどを犬が食べないように気を付けて下さい。
一つ食べたからと中毒を起こすような食べ物ではないですが、積極的に犬に食べさせるものではないと思います。
特に人間用に味付けされたものなどは、犬が食べてはいけないものです。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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