『犬の十戒』~犬との約束~にGo!
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避けたい!犬の悲しい突然死 原因や対策を知りたい

♦救急
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自分の犬でなくても、よく知っている犬が亡くなった、それも突然死だったりすると本当にショックですよね。

最近私の周りにもそういうことが続きました。

元気だったのに本当に悲しかったです。

犬の突然死は決して珍しいことではないと改めて感じ、犬の突然死の原因や予防法について調べ整理してみました。

飼い主ができることは何なのか知っておくために情報共有したいと思います。

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犬が突然死する原因になりうる病気

私は人の看護師で、救命救急で仕事をしていました。

人の突然死に繋がる病気は脳か心臓に原因があるものが圧倒的に多いです。

犬の突然死の原因も同様に、病死だと脳か心臓が多いと考えられます。

脳や心臓は直接生命を司る役割があるので当然と言えば当然かもしれません。

心臓病

私が知っている、突然死した子は9歳で、心臓の持病がありました。

普段からか心雑音はひどかったと聞きました。

けれど外見は元気で、その日も普段と変わりなくソファーの下で横たわっていて、飼い主さんは寝ていると思っていたそうですが、亡くなっていたのだそうです。

気づいた飼い主さんは驚いて、近くの動物病院に急いで運び込んだそうですが、もう助けるすべはなかったそうです。

犬の心臓の病気もいろいろあります。

もっとも多いのは、僧帽弁閉鎖不全症という弁膜症です。

この病名は一度はお聞きになったことがあるのではないかと思います。

この病気は進行性です。

重度になると肺水腫や心不全を起こし突然死する危険性が高い病気です。

 

ちなみに人の突然死の原因になる心臓病は心筋梗塞が圧倒的多数ですが、犬には心筋梗塞というのは珍しいのだそうです。

 

犬には遺伝的な心臓病もあります。

大型犬には心筋症という病気が多いことが知られ、好発する犬種もあります。

心筋症は、心臓を作っている筋肉が伸びて薄くなる、または厚くなるために、正常に収縮ができなくなり心臓の働きが次第に弱くなってくる病気です。

拡張性と肥大性という二つの型があり、治癒はできず、致命的な不整脈(致死性不整脈)や心不全を起こすことがあり、突然死の原因になります。

心筋症の好発犬種

ドーベルマン・グレートデン・ボクサー・セントバーナード・アメリカンコッカースパニエル・ジャーマンシェパード・ボクサー・イングリッシュシープドッグなど

そして、犬にはフィラリア感染による心臓病もあります。

フィラリアは蚊が媒介する寄生虫です。

犬の心臓に寄生して心臓病を発症し、進行すると心不全を起こして突然死する原因になります。

 

また特殊な例として、心臓病があるわけではないのに、大きな音や地震などの恐怖で強いストレスがかかったり、極端な気温差などで心臓が止まりショック死することもあるようです。

ショック死はチワワに多いと言われ、チワワがストレスに弱い犬種であることがよくわかります。

私の愛犬もチワワなので本当に気を付けようと思いました。

中毒による腎不全・肝不全

中毒とは、有害な物質が体内に入るために機能障害を起こす状態のことです。

それは明らかな毒物や薬物に限らず、どこにでもある食べ物や植物も原因になります。

体に不要な毒素は、肝臓や腎臓で解毒・代謝されて体外に排泄されます。

それができない場合は、中毒症になり腎不全や肝不全を起こして、重度になれば命を落とすこともあります。

犬が誤って口に入れてしまったものが犬にとっての中毒物質だった場合、突然死することがあるということです。

人にとっては有害ではない食べ物などでも、犬には中毒物質になるものは結構身近にも多いですので、気を付けましょうね。

 

アナフィラキシーショック

ここは中毒のところと重なる部分もあります。

アナフィラキシーショック、この言葉は誰もが耳にしたことがあるかと思います。

その犬に対するアレルギー物質が身体の中に入り、それに対するアナフィラキシーショックが突然死の原因になることもあります。

アナフィラキシーとは、アレルギー反応のもっとも重度の即時型反応のことです。

その怖さを人で説明するならば、わかりやすいのは「そばアレルギー」かと思います。

犬のワクチン接種直後に急変し突然死した話も時に耳にします。

それはこのアナフィラキシーショックです。

ワクチンは、大抵、接種後しばらく病院内に留まるように指導されますよね。

それは万が一このような反応が起こることを想定し、すぐに処置をするためです。

ワクチンに限らず、アレルギー反応にはこのような重度の型があるのです。

ハチに刺されてショックに陥るのもこの反応です。

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胃捻転症候群

胃捻転は大型犬に多く発症し、さらに好発犬種もあります。

胃が拡張し捻れて血流障害を起こすことでショック状態に陥り、亡くなってしまうことも多いようです。

原因不明ですが、早食いや一気飲み、食後すぐの運動などが引き金になります。

大型犬の飼い主さんはこの病気をよくご存じで、予防するために早食いや食後の運動に注意をされている方も多いです。

発症して2時間以内の処置が重要と言われますが、処置ができたとしても救命率は50%以下とシビアです。

脳腫瘍や脳炎によるてんかん発作

てんかんは、それだけで犬の死亡原因になる病気ではありません。

てんかんには、発作の原因になる脳の病気があるパターンと、特に脳には何の所見もないけど発作を起こすパターンがあります。

前者は症候性てんかん、後者は特発性てんかんと呼ばれます。

特発性てんかんは、薬で発作を抑えて病気と共存しながら元気に生きて行くことができます。

私の犬も特発性てんかんがあります。

MRIで脳内に病巣がないことを確認し、もう何年も薬を飲み続け、途中で量の調整などはありますが今は病状が安定しています。

大きな発作を起こさずに何とかシニアの年齢まで来ました。

しかし、症候性てんかんの場合は、その発作を起こす病巣が脳にあります。

その病巣は、脳炎や脳腫瘍といった、進行性で予後が悪い病気の可能性があります。

頭の中は表には見えないので、病気が発生していても無症状だと気づかず、症状としてのてんかん発作を起こしはじめた時はすでに末期ということもあります。

様子がおかしいと思っているうちに、重責発作や群発発作と呼ばれる大きな発作を起こして突然死する危険性もあります。

 

熱中症

近年の異常気象で夏場は熱中症で救急搬入される人も増えていますが、犬も例外ではないようです。

私たちは汗をかいて体温調節することができますが、犬は多くの汗腺を持たず、人のように汗をかくことができません。

犬は人よりも体温調節が難しく、そのため熱中症を起こしやすく重症化しやすいです。

特に、短頭犬種と呼ばれる、パグなどの鼻腔が短く詰まっている犬種は、呼吸がしづらいという構造上のリスクのため、重症の熱中症になりやすいのです。

熱中症といえば夏の屋外というイメージですよね。

ところが、エアコンを入れて留守番させていたにもかかわらず、センサーで作動するエアコンが犬を感知できずに停止し、熱中症で亡くなってしまったケースもあるそうです。

熱中症は、進行して多臓器不全を起こすので、病院に搬入されて救命できるのは半数ほどという怖さがあります。

もっと早い時期から前兆はあるはずですが、なかなかそれに気づくことができず、発見時は重症になっていてあっという間に突然死する原因の1つです。

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普段からその日の健康状態を把握しておく習慣を

基礎疾患がなく本当に健康体であっても、全く想定外の突然死もあるかもしれませんが、普段から犬の体調を把握することはとても大事です。

先述した、心臓病で突然死した犬の飼い主さんは、「心臓が悪い、雑音がある」ということはわかっていても、何が危険かなどの詳しいことはご存じなかったようでした。

獣医師にも、細かく説明してくれる獣医師とあまり説明のない獣医師がいると聞きますので、飼い主さんがどこまで知っているかはかかっている病院にもよるのかもしれません。

ですが、異常があるのなら、できる限り詳しく病状を説明してもらい積極的に対策についてのアドバイスももらって下さい。

 

私の犬は、検診で心臓の検査をしたら異常が発覚しました。

普段からてんかんの投薬で通院しているので、比較的、異常を早く発見できる環境にあったのは幸いです。

それでも、毎回、心音聴取もしてもらっていたので、改めて検診で心臓検査をするまでは異常があるなど全く疑ったこともありませんでした。

このことからも、普段、問題なく健康に見える子であっても定期的な検診は必要と感じます。

 

また、犬種特有という病気や犬種ごとのリスクもあるので、自分の犬の健康面の弱点を把握しておくことも対策を立てる上で大事だと思います。

大型犬なら、早食いや食直後の運動をさせないという対策も意味があるでしょうし、心臓の病気がある犬や短頭犬種などは室温や湿度が欠かせない対策になるのです。

慢性の病気があって内服しているなら、当たり前のことですが忘れないように指示通り服薬させてください。

中毒の原因になるものを犬が誤飲しない環境づくりも対策の1つです。

犬の生命は、全て飼い主さんに委ねられています。

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死因を究明する方法はある

犬が突然死した時に、その死因が何だったのかを知りたいと思う飼い主さんも少なくないと思います。

だけど、何よりもショックの方が大きく、何が何かわからないままに荼毘に付して、茫然と過ごすのが現実かもしれません。

人が亡くなった時、病院によっては病理解剖を提案されます。

医師などには多いと思うのですが、自分の死後は体を医療に提供(検体)するという意思を残している人もいます。

病理解剖は検体とは違い、死因を確認する目的で家族の承諾の上行われます。(事件性の可能性などで法律がからむ司法解剖や行政解剖とも異なります)

犬も、大学に付属した高度医療センターなどなら病理解剖は可能です。

ただ、このような例はそれほど身近に多くないため、大学病院などで治療してない限りは情報を得られないかもしれません。

病理解剖の依頼は、飼い主さんから直接病院へお願いするのではなく、かかりつけの獣医師(主治医)を通して依頼するというルートが一般的です。

心情的には、それを決心できる飼い主さんは多くないとは思いますが・・。

突然死の原因究明は、病理解剖をしない限りはあくまでも推測ということになります。

それが到底受け入れられない現実としても、いずれ納得できる時が来るのか、それとも疑問が残ったままなのか、それは獣医師との信頼関係という要素も大きいでしょう。

 

まとめ

元気だった犬が突然死、こんなショックなことはないでしょう。

避けられないこともあるかもしれませんが、突然死がどのような原因で起こるのか、それを知って避けられるリスクはできる限り避けていきたいと私は思います。

犬は我慢強い生き物で、なかなか具合が悪いところを見せません。

おかしいと思った時は、かなり悪い状態であることも多いのです。

普段から体をよく観察し体調を把握して、守ってあげてください。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

 

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