犬が散歩中にてんかん発作を起こした時の対処方法

てんかん発作は時間や場所を選ばず、いつどこで起きるか予測もつかないものです。

それは家族がいない時でもそうですし、散歩中で外にいても起こる可能性があります。

もし犬が散歩中にてんかん発作を起こしたらどのように対処すればよいのでしょうか?

また、発作のきっかけとして考えられるものには何があるでしょうか?

今回は、散歩中の犬のてんかん発作への対処について説明したいと思います。

犬のてんかん発作のきっかけになるもの

のてんかん発作は、その犬ごとに発作のきっかけになるものがあることも多いです。

てんかんの持病がある犬の場合は、飼い主さんにも何となく発作のきっかけはこれではないか?と見当がついていることもあると思います。

例えば季節の変わり目で気圧が不安定な日々が続くとか、来客があり賑わって興奮していたとか、あるいは雷や花火などの爆音や突然の大きな音による恐怖がてんかん発作を引き起こすこともあります。

疲労するようなことがあって十分に疲れが取れていない場合や、テレビやフラッシュの光の点滅が発作のきっかけになることもあります。

人間のてんかんと同様、心身のストレスや疲労、興奮、刺激、などが発作のきっかけになると考えられます。

もしもすでにてんかんと診断されている場合は、できるだけストレスのかからない安定した状態で穏やかに生活させるように注意することが大切です。

てんかんと気圧の関係

てんかんには気圧が関係するということは、てんかんの犬の飼い主さんの中では結構有名な話ではないかと思います。

台風など気圧の変化がある時には、人も何となく頭痛がするとか関節が痛いとか、元々持っている慢性の症状が悪化するなどの体調不良になることがあるのではないでしょうか?

気圧が変化するということは空気の圧力が変わるということで、普段、私達の体は外側から気圧に押され押し返し維持していますが、気圧の変化=押している力が変わるということです。

低気圧になると、体の水分は圧力の低い方へと流れようとして膨張し、それがむくみであったり、血管が膨張を起こす為に血流が悪くなり酸素の供給量が減ったりします。

そして気圧が低い中では体は休息モードの副交感神経が優位になりますが、急激な気圧の変化にはついていけず調整ができないことが多くなります。それが身体の不調の原因になります。

この不安定な気圧の影響は脳圧にも影響し、脳圧の変化はてんかん発作に繋がりやすくなるのです。

てんかんと天気

天気が悪いということは、空気や海水が温められて上空へ昇り、今度は冷たい上空で冷やされて雨となって降りて来るという理屈です。

空気が上空に昇ると下の方の空気は薄くなり、これが雨降りの悪天候の時は気圧が低くなっているということです。そこでてんかんと低気圧の関係になってきます。

てんかんと季節

季節の変わり目などには、気温や気圧も変わりやすく不安定で、そのような外的要因がてんかん発作のきっかけになりやすいのです。特に低気圧が続く梅雨時には発作が起きやすいと言われます。

気温差も身体へのストレスになり、自律神経の調整がうまくいかずに発作のきっかけになることが考えられます。

てんかんと気圧など気象条件に関係があることは2017年5月、専門誌でも取り上げられました。

10.7hPa低い気圧ごとに、発作リスクは研究集団全体で14%増加した(オッズ比[1.14,95%信頼区間[CI] 1.01-1.28)。1つの抗てんかん薬で治療された軽度重症患者において、発作リスクは36%(1.36,1.09?1.67)増加した。相対湿度が80%を超えると、J字型の曝露の3日後に研究集団全体で発作リスクが48%(OR 1.48,95%CI 1.11-1.96)増加した。大気温度が> 20℃を超えると、全試験集団(OR 0.54,95%CI 0.32-0.90)および男子で観察された最も大きな影響を伴う亜群で発作リスクが46%低下した(OR 0.33,95%CI 0.14 -0.74)。

低気圧および高相対湿度は、てんかん発作のリスク増加と関連し、高い周囲温度は発作リスクを低下させるようである。天候に左右される発作のリスクは、重症度の低い患者では強調される可能性がある。

出典元 http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/epi.13776/full

散歩中のてんかん発作・対処法

犬のてんかん発作にはいくつかのパターンがあり、命に関わる重篤で危険な発作もあることにまずは注意すべきです。

【発作のパターンについて】

犬のてんかんの症状と対処法 危険な発作の2パターンとは

散歩中というのは、いろいろな刺激を受けることが多いです。それは良い刺激でもあり、犬の散歩の目的は外の刺激に触れるということでもあります。

風や陽射しの匂いを感じ、自然に触れ、適度な運動でストレスを発散させるのに必要なことなのです。しかし、良い刺激と同時にてんかん発作の誘因になるような様々な刺激も存在します。

散歩中に犬が道端でてんかん発作を起こして、慌てて抱いて家に連れ戻ったという飼い主さんもやはりいるようです。

すでに治療中などで、犬にてんかんがあることがわかっていて、これが発作と判断ができるのであればまだ、多少は対応方法がわかるかもしれませんが、いきなり散歩中に倒れ、全般発作を起こしたりした場合は、飼い主さんもパニックに陥るでしょう。

実際に、何が起こったかわからず茫然としているうちに治まり、犬が自分で起き上がって普通に散歩を始め、何もできず不安だったという飼い主さんもいるようです。

発作を起こしたのがたとえ散歩中であっても、発作時は刺激を与えないことが原則です。抑えつけたり、揺すったり、大声で騒いだりせず、痙攣が治まるのを待つしかありません。

ただ、散歩の途中ということで、その場所がもし車の往来があるなどの危険な場所であれば、とりあえず安全の確保をして下さい。

触らない、抱き上げたりしないということは原則ですが、そうは言っても倒れている周囲が安全であることが第一です。安全な道の端に寄せるなどして、危険を回避できるようにしましょう。

そして発作の前後の様子、発作の持続時間、発作の特徴、他の症状などを観察して下さい。その発作がもし長く重篤なものなら、すみやかに医療機関に運ぶように手段を考えて下さい。

また、発作を起こすきっかけになる要素も考えてみて下さい。すれ違った犬に吠えられたり、苦手な音が聞こえたり、何かストレスがかかることはなかったでしょうか?

その日の天気や気温などの気象条件はどうでしょうか?強い陽射しや高温、寒さや冷たさ、そのような外気にさらされる疲労はストレスにもなります。そして、てんかんのある犬はそういった刺激に弱いことが多いです。

あるいは、もしかしたらそれはてんかんではなく、薬物中毒などの痙攣かもしれません。

その原因となる薬物に除草剤などもあります。除草剤を撒く可能性のある田畑沿いの道などは、注意しなければ散歩中に犬が被害に合うこともあります。

人は地面より高い位置で靴も履いていますので気づかないのですが、裸足で低い位置で地面に接している犬はその影響を受けることがあるので気を付けて下さい。

てんかん発作がおさまると、犬はケロッとして通常の状態に戻るかもしれませんが、その後の散歩は早く切り上げた方が無難です。

発作後には、歩けても一時的に目が見えないなど、視力や聴力の異常が出ることもあります。体のバランスが取れないこともありますので、怪我や事故に気を付けながら散歩から帰宅しましょう。

もしそれが初めての発作であれば、すぐに何事もなかったようになったとしても、必ず医療機関での診察をお勧めします。

もしすでに薬でコントロール中でしたら、発作の内容によっては薬が不足しているかもしれず、調整が必要なことがあるので、獣医師にはこの様子を伝えておきましょう。

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てんかん発作後の散歩

前日に発作があった、当日の午前中にてんかん発作を起こした時の夕方の散歩などについて、犬が散歩に行きたがらないこともあります。

てんかん発作がどのくらいのものであったかにもよりますが、発作は脳の異常興奮で、発作後にはかなり疲労し発熱している場合もあります。

体調が戻りきれない時に強引に散歩に連れ出すと、それがてんかん発作の誘因になる可能性がありますので、散歩は休んで、刺激を避けて静かに過ごさせた方が安全です。

てんかん発作の後に十分な睡眠と休息ができていて体調がよく、また犬が積極的に散歩に行きたがる様子で、天候などの条件も悪くなければ、穏やかに散歩できるコースを工夫して短時間で出かけましょう。

犬を興奮させず、リラックスできるような散歩にしてあげて下さい。小型犬であれば抱いて散歩に連れ出しても良いと思います。

しかし、散歩に出かける前にてんかん発作を起こしたというタイミングのものなら、その日の散歩はリスクが高くなるのでできれば控えた方が良いです。

 

まとめ

てんかん発作は散歩中にも起こる可能性があります。

てんかんは、発作を起こさない、または最小限にとどめるための薬物治療を行い、発作をいかにコントロールできるかが鍵になりますが、何がきっかけになるかわかりません。

散歩中も例外ではなく、外で発作を起こすという犬もいますので、たとえどこであっても落ち着いて対処することが大事です。

てんかんを持っている犬は、外的刺激に敏感であることが多いです。散歩においても発作の誘因になりそうなものはできるだけ避け、極力ストレスがかからないようにしてあげて下さい。

特に、チワワなどに多い、先天的に頭蓋骨に隙間がある犬の場合などは、外からの刺激がダイレクトに脳に影響しやすいですので気を付けてあげて下さい。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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