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「吐く」「食欲不振」は何が原因?犬の病気を症状から考える

♦消化器/心臓

犬は言葉が喋れないので、体調が悪くても言葉にして私達に伝えることはできないので、飼い主さんが気付いた時はすでに重症になっている危険性もあります。

吐く・食欲不振という症状は、犬の病気ではよく見られる症状です。

特に重大な病気については飼い主さんも知っておいた方がよいので、この症状からどんな病気が考えられるのかを情報共有したいと思います。

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食欲不振は犬の病気で多い症状

食欲不振とは

私達も、季節、感情、ストレス、疲労などの様々な条件で、特に病気がなくても食欲が落ちることはあります。

食欲不振は漠然とした表現なので、犬の食欲不振はどこで判断すべきかが難しいかもしれないですね。

食欲不振とは、食べる量が減る、または全く食べないという状態のことを指しています。

厳密に定義すると、食欲不振とは

「全く食べない状態が48時間以上続く」あるいは「普段の食事量の半分以下しか食べない状態が3日以上続く」ことです。

犬の病気の中には、異常に食欲が亢進する症状というものもあるのですが、体調が悪い時のほとんどには食欲不振の症状が伴います。

普段の食事量はその犬によって大体決まっているので、いつも見ている飼い主さんならわかるのではないでしょうか。

いつもの食事量なのに残るとか食べたがらないという状態は、食欲不振に陥っていると判断できます。

食欲不振の原因

食欲というと、胃や腸などの消化器系の病気がまず思い浮かぶのではないでしょうか。

直接の消化器の病気以外にも、腎臓や脳神経の病気、あるいは関節とか骨などの痛み症状、口の中や歯、喉などの飲み込みに関係するトラブルが原因になっていることもあります。

そして、犬は嗅覚で食べると言われるほど匂いに敏感です。

鼻に異常があり嗅覚が鈍っている時なども、食べ物の匂いが判別できなくて食欲不振に陥ります。

そして精神的なストレスも食欲不振の原因になります。

このようなことは私達に当てはめてみると理解しやすいです。

私達も匂いがわからない、味がわからない、体に痛みがある、歯が悪くなっている、ストレスを抱えているなど、食欲に関係する要素はたくさんありますね。

《犬の食欲不振の原因》

  • 消化管の病気
  • 身体の不調や痛みがある:腎臓など内臓の病気、脳神経の食欲中枢への影響、関節や骨などの痛み、口内炎や口内の傷、歯肉炎、喉の痛みや炎症
  • 嗅覚の問題
  • 精神的なストレス
  • その他:気温や気候の影響、フードが好みではない、フードが劣化している、年齢とともに食事量が減った、食器の高さや器の食べにくさ、飲み込みが悪く食事が負担など

病気の判断

犬の食欲不振には重大な病気が潜んでいる可能性もあります。

一回食べなかったというだけではそれほど問題にならないとしても、重要なのは、食欲不振だけでなく他にも何か症状はないかということです。

明らかな症状が他になくて全身状態が良いのであれば、慌てずに少し様子を見ていても差し支えはないでしょう。

ただ、食欲不振で何も口にしないような場合は、どこまで待てるかということも判断しなければなりません。

犬が全く食事をせずに過ごせるのは3~4日と言われます。

しかし、食事だけでなく水も飲まないというような状態であれば、条件は変わって来ます。

水分も摂れていないようでは、体格やその年齢によっては脱水に陥るのも早く、急変することがあります。

脱水の考え方は、ちょうど人間の子供と同じようなものと考えたらよいと思います。

脱水の観察点として、おしっこが出ているかということは重要なポイントです。

  • 食欲不振だけでなく他にも症状があり病気の可能性がある
  • 脱水や体力を消耗している様子が見られる

このような場合は早めの受診が必要です。

食欲不振に吐く症状が重なる時に考えられる犬の病気

犬が「吐く」はよく見られる現象

犬が吐くというのは、程度の違いはあるものの日常的にわりと見られることの多い症状です。

経過観察でよい時も多いですが、緊急性がある時もありますので、吐くことを決して放置しないで下さい。

症状が単発的でその後はケロッとしていて、食事も普通にできることもあります。

しかし吐くという症状が食欲不振とセットであることも多いです。

【犬の嘔吐と緊急性について】

ストレスでも起こる?犬の嘔吐・下痢の原因と緊急性の判断

食欲不振で吐く症状がある消化器系の病気

♦急性胃炎

急に吐くという症状から始まる犬の病気で一番多いのは急性胃炎です。

急性胃炎は、次のような原因で胃粘膜が刺激を受けて起こる症候群のことです。

  • 腐敗した食べ物の細菌や毒素
  • ウイルス
  • 毒物や薬物などの誤食
  • 寄生虫
  • アレルギー反応など

どの原因であっても、多くは、急に吐くという症状で始まります。

吐くことを何度も繰り返し、胃の中に吐くものがなくなっても吐こうとする、吐き気の症状だけがそのまま続くこともあります。

何度も吐くために脱水を起こし、二次的に腎機能が悪くなり、体内の電解質のバランスが崩れて重篤になるパターンもあります。

【急性腎不全の参考記事】

犬の腎不全と余命 検査数値と腎臓病のステージについて

急性胃炎は、その原因によって軽度から重度まである犬の病気であり、治療はその原因ごとで異なりますが、原因を除去することが基本です。

病原菌に対しては抗生剤などを使い、全身管理として点滴で水分や電解質を補い脱水を改善します。

治療中は、胃を休ませる目的で絶飲食にすることもあります。

回復してきたら水分を摂ることを試みて、吐く症状が見られなければ流動食から少しずつ食事を始めていきます。

しかし治療しても回復が見られず、激しく吐くなどの症状が治まらない場合は、重大な感染症が隠れているかもしれません。

♦胃拡張・胃捻転症候群

胃拡張・胃捻転症候群は、かかりやすい好発犬種があります。

胃が空気と食べ物で膨れ上がった状態でねじれてしまい、悪化すると循環障害を起こします。

循環障害が起こり血流が途絶えると胃壁は壊死し、ショック状態に陥る重大な病気です。

この病気は何が原因かは明らかになっていませんが、

  • 大量の早食い
  • 水分の一気飲み
  • 食直後の運動

などが発症の引き金になるとされています。

食欲不振などの前兆はなく、それまで健康で元気な状態だったにもかかわらず突然発症するところがこの病気の怖さです。

また、吐き気があっても吐くことができないのが特徴的な症状の一つで、吐くに吐けないまま腹部は大きく膨らみ腹痛があります。

犬は苦しみ、呼吸状態も悪くなります。

やせ型で胸の深い大型犬のコリー・ボルゾイ・シェパードや大型犬以外でダックスフンド・ペキニーズなどに好発するようです。

治療は全身管理しながらショック状態を改善し、胃にチューブを入れて貯留したガスを抜き、それから手術を行います。

ただ、それまで犬は元気だったのに急激に発症して進行するので、発見も遅れることが多いようです。

そのために対処も遅れがちになり、命に関わる危険性の高い重要な病気です。

♦腸閉塞

腸閉塞(イレウス)は、異物の誤飲や腫瘍、寄生虫などによって小腸が閉塞し通過障害が起こった状態です。

通過障害が起きている部分から上部にはガスなどが溜まり、細菌が異常繁殖して、細菌が出す毒素でショック状態になったりします。

体液や電解質のバランスが崩れ、全身の状態も悪くなります。

完全な通過障害ではない(完全に閉塞してない)場合は、吐く・食欲不振・便秘・脱水などの症状を表しながら徐々に全身状態が悪くなります。

しかし、完全に閉塞してしまった場合は急速に激しく吐き、たちまち腸管に壊死が起こり大変危険です。

治療は、全身管理してショック状態を改善しつつ、腸を切除する緊急手術か異物を除去するなどの対処が必要になります。

人の腸閉塞は高齢者や腸管の手術の既往歴などがある場合に起こりやすいですが、犬では異物の誤飲が原因で起こすことが少なくないようです。

特に子犬などはおもちゃの誤飲に十分注意しなければなりません。

♦感染症

食欲不振と吐く症状は、パルボウイルス感染症のような重要な犬の病気の初期にも見られるものなので要注意です。

ワクチン未接種の病気で体力が弱っている犬や老犬、免疫力のない幼犬では、食欲不振と吐く症状がある場合にこのような感染症も考えられます。

《パルボウイルス感染症》

潜伏期:約1週間

症状:食欲不振・発熱・水溶性下痢・血便・激しく吐く・ショック・重篤化により死亡

感染経路:感染している犬との食器の使い回し、ウイルスを持っている犬の便や吐物に触れることなど

パルボウイルスの生存力は大変強く、また感染力も強く、治療法は確立されていません。

治療は全身の免疫力を高めながら対症的に行うことになります。

パルボウイルス感染症は、保健所など多数の犬が収容されている場所で時折発生しているようです。

ウイルスは通常だと1年ほど生存できると言われ、感染を食い止めるためには飼育環境の消毒を入念に行う必要があります。

十分な感染管理ができなければ拡大する可能性の高い重要な犬の病気です。

食欲不振・吐く症状への対応

犬に食欲不振や吐くなどの症状がある場合、原因は必ずしも消化器の病気とは限りません。

どこに原因があるのかを知るために、全身をチェックして下さい。

また、そのような症状が出るまでのエピソードを探ってみて下さい。

  • それまでに食べたものは何か
  • おもちゃが破損し、なくなっている部品がないか
  • 散歩中に何か異食した可能性はないか
  • 吐いたものの性状
  • 他の症状など

激しく吐く場合や全身状態が悪い時は緊急性があります。

迷わずにすぐ医療機関を受診して下さい。

下痢と吐く症状が重なると、急変する可能性が高いので早期の対応が必要です。

食欲不振の原因が病気ではなかった場合は、食欲がわくように工夫をしてみましょう。

準備しても食べないならそれは一旦片付けて、また改めて新しい食事を与えて下さい。

犬の好きな匂いのトッピングなどをすると、食いつきがよくなることも多いです。

犬用のトッピングの市販品もありますが、ささみや野菜、チーズなどを少量乗せてやると、その匂いで食いついてくれることも多いです。

くれぐれも塩分とアレルギーは注意してあげて下さい。

ちなみに吐く症状はアレルギーも考えられます。

あらゆる角度から考えて観察してみて下さい。

【参考記事】

犬のアレルギー対策 フードを手作りご飯にする効果と方法

犬も魚をおいしく食べたい!犬の食べ物に5つの注意

 

まとめ

食欲不振と吐く症状が重なる消化器分野の犬の病気を挙げてみましたが、脳の病気でも吐く症状は見られます。

見逃さないで!その症状は犬の脳腫瘍の進行かもしれない

いずれの場合も犬の病気を早期発見できるのは飼い主さんしかいません。

様子がおかしい時は、手遅れにならないためにも、また苦しさを早く解消してやるためにも医療機関を受診させて下さい。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

 

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