犬の糖尿病の検査方法と診断・治療にかかる費用について

犬にも人間と同じように糖尿病があります。合併症などが人間とは異 なる点はあるものの、病態そのものは同じです。

犬の糖尿病の診断や治療の上での検査方法も、人間のものと同様です。

糖尿病は長期管理が必要な病気であり、かかる費用なども知りたいところと思います。

今回は、犬の糖尿病の検査方法や治療の費用についてご説明したいと思います。

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犬の糖尿病の診断と検査方法

犬の糖尿病には、人のそれと同じ初期症状があり、多飲、多食、多尿、体重減少という代表的な症状が出現します。しかし、それは一見、さほど深刻なものに映らずにそのまま見過ごされていることが多く、初期には発見できないことも多いです。

人間の糖尿病は、初期の自覚症状よりも、健診や何かのきっかけで血液検査をした時などに血糖値の異常で発覚し、その後に詳細な検査方法へ進み、そこで確定診断がつくというパターンが多いです。

犬の糖尿病も、定期的に健診を受けているか、他の病気で医療機関にかかり血液検査をしている場合などはそのデータが指標になりますが、そうでない犬の場合は、顕著な症状があって飼い主さんが気づくことがない限り、診断のきっかけに至りにくいかもしれません。

糖尿病の診断材料は血糖値の異常です。糖尿病は、インスリンの相対的、または絶対的な不足によって高血糖が持続している状態ですので、血糖値の検査で判明します。

検査方法は、尿検査によって尿糖を調べ、血液検査によって血糖値を調べます。

健康な犬の尿には尿糖は排泄されません。また、正常な空腹時血糖値は60~100mg/dlです。(血糖値は食事で変動があるので、検査方法は空腹時血糖の検査になります)

糖尿病が疑われる犬の尿中には尿糖が見られ、空腹時の血糖が150~200mg/dl以上と、高値を示します。

しかし血糖値は、一時的にストレスがかかることなどでも上昇することがあります。例えば病院や検査でストレスを感じやすい犬が、採血時に興奮して暴れた時の採血などでは、血糖の数値が高く出ることがあります。

一度だけの高血糖はそのような影響も考えなければなりませんが、何回か検査した結果、常に150mg/dl以上の血糖値である場合は、糖尿病の可能性が高いです。

糖尿病の犬には、高血糖以外にも、コレステロール値の上昇、トリグリセリド値の上昇、ALT、ALPなどの肝臓酵素の上昇、ケトン尿やタンパク尿陽性、細菌尿などの検査データ異常が出ていることも少なくありません。

糖尿病の犬の多くは尿路感染を起こしている可能性が高く、重症化して腎障害をきたす危険も大きくなりがちです。尿検査で細菌が検出された場合は、詳しい検査方法で細菌や真菌培養も必要でしょう。

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糖尿病性ケトアシドーシスの診断・検査

犬の糖尿病の検査方法は、一般的に尿検査と血液検査で診断がつきます。

もし尿検査の結果、ケトン尿が出ている場合は糖尿病性ケトアシドーシスが疑われます。これは、初期の糖尿病に気づかず病気が進行している場合や、治療中であっても血糖コントロールが悪い場合などに起こるものです。

生体はインスリン不足によって糖の代謝がうまくいかない為にエネルギーが不足、やむを得ずエネルギー源として脂肪を分解し利用します。その結果、脂質代謝の産性物質としてケトン体が増加、やがてケトン体が体内で過剰になり、これをケトーシスと呼びます。

ケトーシスが進むと血液のPHのバランスが崩れ、血液が酸性に傾くことをケトアシドーシスと呼びます。ケトアシドーシスは他の疾患でも起こる現象ですが、糖尿病によるものが糖尿病性ケトアシドーシスです。

糖尿病性ケトアシドーシスは重篤な状態に陥りやすく、緊急にインスリン治療が必要になります。しかし、重症のケトアシドーシスでは、どんなに手を尽くしてもその3割は死亡の転帰を辿るとも言われます。

また、時に、糖尿病の初期症状から数日でケトアシドーシスになることもあり、一旦陥るとそれから1週間以内に重篤になることも多く、注意が必要です。

糖尿病性ケトアシドーシスの症状は、元気がなくなり、食欲不振、嘔吐、脱力などから始まり、脱水、頻脈、深い呼吸、昏睡などです。

インスリンの投与と共に輸液を行って腎血流量を改善し、血糖値と尿ケトン体を継続して評価する検査方法が必要になります。

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糖尿病の基礎疾患の検査方法と必要性

犬の糖尿病は、単純に糖尿病だけのこともありますが、基礎になる原因疾患があることがあります。今後の治療経過に予測を立て適切な対応をする為にも、それを明確にすることが必要です。

糖尿病の基礎疾患で多いとされるものに、クッシング症候群、膵炎、黄体嚢腫、卵胞嚢腫、子宮蓄膿症などがあります。

これらの基礎疾患を確認する検査方法には、レントゲン検査超音波検査があります。

この検査方法によって、肝臓や副腎、卵巣の腫大、内臓脂肪の有無、膵臓腫大などを観察することができます。それは、クッシング症候群や膵炎、子宮蓄膿症の発見に繋がる所見であり、欠かせない検査方法です。

このような基礎疾患は、インスリン抵抗性(インスリンが安定して効果を発揮できず血糖コントロールが難しい)になりやすく、糖尿病の治療をする上で重要なものになりますので、把握しておく必要があります。

また、糖尿病のより詳しい血液検査方法で、グリコヘモグロビン検査またはグリコアルブミン検査などの検査方法があります。

これらの項目の検査方法は採血だけで可能で、その時だけの血糖値ではなく、過去1ヶ月~2週間前から採血時までの期間の血糖値の平均がわかるもので、より正確な診断の指標になります。

インスリン療法開始時の検査方法とスケジュール

糖尿病の診断がついた犬の治療にはインスリン療法が選択されます。

犬の糖尿病は、人の糖尿病と違いそのほとんどがⅠ型(インスリン依存型)糖尿病ですので、インスリンを体外から補充することが必須です。

人に用いる薬で、血糖降下剤という内服薬がありますが、これは膵臓のランゲルハンス島を刺激してインスリンの分泌促進をするものです。インスリン分泌そのものに期待できない糖尿病には、ただ膵臓に負担をかけ機能を壊してしまうだけで、効果がありません。

犬の糖尿病には、この薬を使った治療はしません。

インスリンを使用するにあたり、インスリンの種類と量を決定しなければならないので、より詳しく血糖値の変動の検査をする必要があります。入院での検査方法が基本ですが、病院によっては日帰りの検査方法のスタイルを取っているところもあるようです。

検査方法は、インスリン注射をして経時的に採血をし、血糖値の変化をモニタリングするというものです。

モニタリング検査方法の実際は、インスリン投与前、投与3時間後、6時間後、9時間後と採血を行い、血糖値曲線というものを作り、この結果でインスリン量の評価、決定をします。

この検査方法では、低血糖を起こさないインスリン量であることが重要であり、インスリン療法に対して急激な血糖値の反応がないことの確認が目的です。インスリン導入時には、必ずしも血糖値を正常値まで下げる必要はなく、多少血糖値が高くても、そこでインスリンを増量することは危険なのでしません。

インスリン量は、その後の通院で検査値を追いながら調整していくことになります。インスリンはごく微量で調整しなければならない薬剤ですので慎重さが必要です。

糖尿病の治療と費用について

治療にインスリン導入後は、定期的に通院し、血糖値や体重、症状をチェックしますが、インスリンは自宅で飼い主さんが注射をすることになります。

食事療法や適度な運動も合わせ、血糖コントロールがうまくできれば、糖尿病の合併症の予防も可能です。

退院後、しばらくは大体1回/1週から1回/2週の通院で、血糖が安定してくれば1回/月というように通院頻度を減らすことができます。血糖値は、一般的に日内変動値100~250mg/?の範囲内が目標となります。

糖尿病の治療にかかる費用の内容は、再診料、検査費用、インスリン購入費用、注射器や針の購入費用、消毒綿の購入費用などがあります。

インスリンは、カートリッジタイプの薬剤をセットして針だけを交換しながら使用するペンタイプと、インスリンのバイアルから、針付き注射器でその都度薬液を吸引して使用するタイプ、また、注射器に一回量のインスリンを充填した状態で日数分処方する病院もあるようです。

インスリン1バイアルの購入費用は約7000円~1万円で、その種類や医療機関で費用が多少異なります。また、使用量によって消費に差が出る為、費用も変わってきますが、早くても1ヶ月~2ヶ月はもつようです。

針付き注射器の購入費用は1本80円~100円くらいで、1日2回の注射であれば1ヶ月で60本分の費用がかかります。使用済みの注射器は新しいものと交換して病院で廃棄され、処分に費用がかかることはないはずです。

インスリンを注射器に充填したものを1ヶ月分渡す方法では、1本400円前後の費用がかかるようなので、少し費用がかさむことになるかもしれません。長期に渡るので、費用の相談は遠慮せず、インスリンをバイアルのまま処方できないかなど話し合った方が良いです。

また、受診時に血液検査があり、血糖検査単項目では費用は600円前後です。しかし他の項目との組み合わせやセット検査になるとそれより費用がかかります。検体採取の費用も1000円前後加算されると思います。尿検査は1000円前後かかります。

しかし、犬は自由診療ですので、費用が一定ではありません。目安はありますが、かかる費用は病院によって大きく異なることもあります。

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自宅でできる検査方法

糖尿病の人では、自宅でも簡易測定器を使って血糖チェックをしていることが多いです。犬も自宅で検査できれば体調を把握するのに便利ですが、その都度血液が必要で現実的な検査方法ではありません。

尿糖は簡単にチェックできます。試験紙も市販されていて費用もあまりかかりません。ただし低血糖はわからないので、高血糖の目安のみです。

飼い主さんが症状を意識して日々観察することが、やはり何よりも大事なことでしょう。

《流せる尿試験紙》

 

まとめ

犬に糖尿病と思われる症状が見られたら、すぐに医療機関を受診させてあげて下さい。糖尿病は、時に短期間で悪化して治療が困難になることもありますので、注意が必要です。

糖尿病にはいくつかの検査方法がありますが、診断がつくのにそれほど時間はかからないと思います。ただ、背景にある基礎疾患によっては治療も複雑になり費用もかさむかもしれません。

糖尿病の症状の一つの多飲に関しては、水を制限しないことが重要です。血糖値のコントロールができるまで、犬の体は高血糖による浸透圧の関係で、どんなに飲んでも脱水になってしまう状態であることを認識し、十分な水分を飲ませて下さい。

糖尿病は定期的に継続治療が必要で、検査も頻回になるので、決まった費用がかかることにはなります。しかし、コントロール不良のまま進行してしまうと合併症も多くなり、生命にも関わり、治療の費用もさらに多くかかると予測されます。

できるだけ早期に異常を発見し、早期治療で血糖の安定を図ることが犬の生活の質を保つことに繋がります。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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