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【対処法】犬が前足を噛むのはストレスサインかもしれない

♦ストレス/脳神経
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犬が自分の前足をガジガジ噛む行為、可愛いしぐさに見えなくもありません。

でも、そのしぐさはもしかしたらストレスサインかも?

もしそうだとしたら、放置するとエスカレートするので対処が必要ですよ。

今回は、犬が前足を噛む理由と対処方法について、皆さんと情報共有したいと思います。

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「前足を噛む」エスカレートすると大変なことに

犬が寝る前などにグルーミング(毛づくろい)をしている姿、見かけますよね。

自分の体の手入れをしつつリラックス効果もあるので落ち着くのです。

 

犬が前足を舐めたり噛んだりのしぐさは、グルーミングの範囲であればおかしくないのですが、問題になるのはそれが度を越えて常にある場合です。

 

もともと前足は、位置も近くにあり簡単に届きやすく、日常的に舐めたり噛んだりしやすいです。

けれど、常時刺激が加わり続けると、やがて炎症を起こしそこだけが脱毛してしまいます。

さらにまだ続けているともっと重症化し、肉芽腫という皮膚の異常が起こります。

この状態には、舐性(しせい)皮膚炎という病名もあるくらいで、皮膚がめくれて骨が出るほどひどくなることもあるようです。

これはもうすでにリラックスなどではなく、自傷行為になります。

こうなる前にやめさせないといけませんよね。

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犬が前足を噛む理由は他にもある

犬が前足を噛むのには、他にも理由が考えられます。

皮膚が痒い時は、ガジガジと噛むことで掻いている場合もあります。

前足の皮膚や指の間、肉球などに、痒みやその他、犬が気にするような異常はないかを見てみましょう。

 

ー考えられる皮膚の異常ー

  • ノミ・ダニなどの寄生虫
  • 食事やシャンプーなどのアレルギー
  • 怪我をしている・傷がある
  • 爪が伸びていて違和感がある

 

確認したけど、上記のような異常が何も見当たらない。

なのに、ただ延々としつこく前足を噛むのであれば、それはストレスサインの可能性があると言えます。

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ストレスサインの種類

カーミングシグナル

カーミングシグナルとは、犬が仲間同士で自分の気持ちを伝える手段として使うボディランゲージです。

カーミングシグナル「Calming Signal」は、直訳で「落ち着かせる信号」です。

カーミングシグナルは、犬同士の独特な非音声的言語によるコミュニケーション手段であり、自分を落ち着かせる為、相手を落ち着かせる為に使うと考えられています。

仲間同士でこのサインを伝えることで、犬は不要な争いを回避します。

 

現在解説できるカーミングシグナルは27種類ほどあると言われています。

ネガティブなものだけではないですが、特に不安やストレスサインとして表しているものもあります。

ストレスサインは、何らかのストレス状況にあり犬のSOSとも言えます。

 

例えば、次のようなカーミングシグナルがあります。

~犬のストレスサインとされるしぐさ~

  • あくび
  • 眠そうに目を細める
  • 目をそらす
  • 体を後ろ足でしきりに掻く
  • 暑さや運動の影響がないのにパンティング(舌を出してハアハア)する
  • 肉球が汗ばんでいる(発汗が増える)
  • ペロペロと舌を出し鼻を舐めたり口をくちゃくちゃさせる
  • 体をぶるぶると何度も振る
  • 耳を後ろに倒して体勢を低くする
  • 尻尾を下げる

さらに次のようなしぐさはかなりストレスが高まっている時です。

~特にストレスが高い時のしぐさ~

  • うずくまって固まる
  • 隠れる
  • その場から逃げようとする
  • 威嚇する

 

転位行動

 

転位行動とは、強いストレスのせいで犬に葛藤や欲求不満が生じ、その場にそぐわない全く関係のない動作で、緊張を緩和させ気を紛らわそうとする行動のことです。

ストレスが許容範囲を越えてしまった場合に見られるもので、ストレスが深刻になっているサインと考えて下さい。

《転位行動の例》

  • 自分の尻尾を追いかけてぐるぐる回る尻尾追い
  • 前足で地面を掘る(掘っているような行動)
  • 前足を執拗に噛む

 

犬のストレス反応は、その頭文字から「4つのF」に分類されます。

  1. 攻撃(Fight):吠える・噛む・飛びかかる
  2. 怯える(Frighten):吠える・隠れる・噛む
  3. 固まる(Freeze):動けなくなる
  4. おどける(Fooling around):興奮・物を破壊する・マウンティング・床を掘る

常同障害

常同障害とは、犬の強迫性障害のことで、過大なストレスで転位行動が繰り返され、自傷行為や目的のない行動が止められなくなり、精神科疾患に分類されます。

こうなると、専門的な治療の対象になってきます。

 

常同障害は重症化すれば自傷行為も激しくなり、身体的な治療も要するような怪我をしてしまいます。

尻尾追い行動がひどくなって尻尾を噛みちぎってしまったり、前足を噛む行為がエスカレートして指を噛み切ってしまうことなどあるようです。

 

ただ、常同障害は詳しく解明されているわけではなく、またストレスで全ての犬が同じようになるわけでもなく、脳の病気が関係しているとも言われます。

 

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犬のストレスの原因

人と暮らす犬にとって、人にとっては特に気にならないような環境、予想外のことがストレスの原因になっていたりします。

犬は、嗅覚や聴覚が人より優れていますので、私達が気づかないようなものがストレスになりうるのです。

物理的なストレス

 

  • 暑さ寒さなどの気温や湿度
  • 金属音などの騒音(家電や電子機器、テレビの音量も含む)
  • 空腹
  • 喉が渇く
  • 光るものや明るすぎる照明
  • 芳香剤などの匂い
  • 痒みや痛みなどの病気の症状
  • 発情
  • 睡眠不足
  • 過剰な運動による疲れ

心理的ストレス

 

  • 飼い主家族の不仲や喧嘩
  • 家族構成の変化や新しい動物が増える
  • 引越しによる慣れない環境
  • 無理やりの散歩
  • 散歩不足による欲求不満
  • 飼い主とのコミュニケーション不足
  • 留守番など

前足を噛むのをやめさせる対処方法

まず、やめさせるために叱ってはいけません。

無理にやめさせようとしても逆効果です。

そんなことをすれば犬はもっとストレスを抱えてしまいます。

 

どんな状況下で前足を噛むのか、皮膚や被毛の異常など、「グルーミングの範囲と考えて良いか」を観察してみて下さい。

そして、ストレスサインと判断できるのでしたら原因をじっくり考えてみましょう。

根本的にはストレス要因を取り除く

ストレスの原因を探り、できる限り取り除く、完全に撤去することが無理でも犬から極力離してあげて下さい。

そのストレスサインの原因を取り除いていかなければ、犬の健康な精神状態を取り戻すことはできません。

 

環境調整だけでは解決できないものもあると思います。

 

~原因ごとの対処法の例~

1.散歩の問題:散歩が苦手で外の環境が恐怖になっていたり、散歩コースの途中に苦手なものがあってストレスの場合もある。散歩の回数や時間、コースの見直しを図る。

2.新しい家族:子供が生まれるなど新しい同居人が加わると、テリトリーのが変化し犬のストレスの原因になる。飼い主がこれまでと変わらず常に信頼できる存在であり、安心できる家であることを示すことが必要。

3.新しく犬を迎えた:2と同様。家族の関心が全てそちらに向いてしまうようなことのないように先住犬を優先するる。犬をその場から排除したり、逆に一気に近づけるなどせず、距離を少しずつ縮めていけるようにする。

4.スキンシップが不足している:十分に触れ合って遊ぶ時間を作って犬を安心させる。一緒に新しい遊びに取り組んでみてもよい。

5.分離不安:分離不安への対処が必要。

6.前足を噛む行為がエスカレートし怪我をしている:重症になると緊急対応が必要。エリザベスカラーや靴下などで保護し、物理的に噛むことができないようにする。他のものに関心を逸らす工夫をする。新しいおもちゃなど犬の関心が向けられるものを与えてみる。

そして強行的な対応が必要な状況は、専門的な治療が不可欠です!

 

【分離不安について】

 

 

しかしエリザベスカラーなどで保護するだけでは、根本的な解決にはなりません。

重症になると、犬も抗うつ剤や精神安定剤などの薬物を使用しての治療が行われます。

そして、行動療法を専門としている獣医師に治療を任せる方が解決の糸口が見つけやすいと思います。

 

まとめ

前足を噛む行為は、全てが異常な行為ではなく、犬がリラックスする為のグルーミングの範囲ならOKです。

どこからがストレスサインなのかはその度合いにより、あまり神経質にならなくても大丈夫です。

うちの犬も眠くなると、前足を舐めたりガジガジ噛む行為が見られますよ。

でもそればかりに集中してはいないので、グルーミングと捉えています。

犬が出しているサインを早く見つけ、その原因の一つ一つに丁寧に対処することが大事ですよ。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

 

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