犬が前足を噛む?犬のストレスサインに気づいた時の対処法

犬がしきりに自分の前足をガジガジと噛む行為は、見ようによっては可愛いしぐさのようにも見えるのですが、この行動には理由があり、放置するのはよくない場合もあります。

犬が自分の前足を噛むのは、ストレスサインのこともあるのです。

今回は、犬の前足を噛む行為とストレスサイン、その対処法について解説したいと思います。

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犬が前足を噛む行為は異常?

は、寝る前などに気持を落ち着かせる為にグルーミング(毛づくろい)をすることがあるので、前足を舐める、噛むなどの行為が全てが異常というわけではありません。

自分の体の手入れをすることにはリラックス効果があり、それによって犬は安心感を得られるのです。

私達の中にも、緊張するような場面で、髪を触るとか爪を噛むとかいうちょっとした癖が出る人もいると思いますが、犬が前足を噛む行為はちょうどそのような行動にあたるとされています。

ただ、言い換えれば、何らかの不安やストレスを感じていてそれを和らげたい時でもあるということであり、前足を噛むのはストレスサインということにもなります。

問題になるのは、常に前足の同じ部位を執拗に舐め続ける、噛むというように頻度が高くなっている場合です。

何故前足なのか?それは前足が犬にとっては近くて届きやすい、日常的に舐める噛むなどしやすい場所なのです。

いつも前足を舐める・噛むということを続けていると、そこが炎症を起こし、部分的に脱毛してしまったり、重症化すると肉芽腫という状態になることもあります。

この状態には舐性(しせい)皮膚炎という病名もあるほどで、決して珍しくはなく、皮膚がめくれて骨が露出するほど深刻になることもあります。

ここまでなると、前足を舐める・噛むという行為はリラックス目的を越えて、自傷行為と呼べるものになってしまい、やめさせる対策が必要になります。

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犬が前足を噛む時に考えられる理由

犬が前足を噛む行為には、ストレスを緩和させるという精神的な理由だけではありません。

前足の皮膚などに何かの異常があって、痒いなどの症状がある時も掻く行為として前足を噛むことは考えられますし、ストレスサインと判断する前に、まずは皮膚の異常を確認しましょう。

前足の皮膚や指の間、肉球に皮膚の異常や怪我は見当たらないでしょうか?

痒みがある原因としては①ノミ・ダニなどの寄生虫②食事やシャンプーなどのアレルギーなども考えられます。

痒みではなくても、怪我をしているか傷があってそれが気になるということかもしれません。または爪が伸びていて違和感があるということも考えられます。

確認してもそのような異常がなく、要因も見当たらず、ただ執拗に前足を噛むなどの行為が続いているのでしたら、それはやはりストレスサインである可能性が高いです。

犬のストレスサインを見分ける・どんなものがある?

犬のカーミングシグナル

犬は、仲間同士で自分の気持ちを伝える手段として、カーミングシグナルというボディランゲージを使います。

カーミングシグナル「Calming Signal」は、直訳で「落ち着かせる信号」という意味で、その言葉通りに自分を落ち着かせる為、また相手を落ち着かせる為の、犬同士の独特な非音声的言語によるコミュニケーションのサインです。

犬は仲間同士でこのサインを送ることによって気持ちを伝え、不要な争いを回避しようとします。

カーミングシグナルで解説できるものは現在27種類と言われ、犬の不安やストレスサインを表すものもあります。

ストレスサインを出している犬は、何らかのストレス状況が生じている可能性が高く、犬のSOSとも言えるものです。飼い主さんは早くそのサインに気づいて対処してあげましょう。

ストレスサインには次のようなものがあります。

《ストレスサインと考えられるもの》

  • あくびや眠そうに目を細める
  • 目をそらす
  • 体を後ろ足でしきりに掻く
  • 暑さや運動の影響がないにも関わらずパンティング(舌を出してハアハアする)
  • 肉球が汗ばんでいる(発汗が増える)
  • ペロペロと舌を出し鼻を舐めたり口をくちゃくちゃさせる
  • 体をぶるぶると何度も振る
  • 耳を後ろに倒して体勢を低くする
  • 尻尾を下げる

また、次のようなストレスサインはかなりストレスが高まっている時であり、このサインが見られたら慎重な対応が求められます。

《特にストレスが高い時のストレスサイン》

  • うずくまって固まる、隠れる
  • その場から逃げようとする
  • 威嚇する

【カーミングシグナルについての参考記事】

性格の問題?落ち着かない子犬を落ち着かせるしつけ方法

転位行動

転位行動とは、何らかのストレスがかかって葛藤や欲求不満が生じた時などに、その場にそぐわない、全く関係のない動作で緊張を緩和させ気を紛らわそうとする行動のことを表します。

ストレスが許容範囲を越えてしまった場合に見られるもので、自分を落ち着かせようとする為の行動とも言えます。これはストレスが深刻になっているサインと考えるとよいかもしれません。

犬の転位行動には、自分の尻尾を追いかけてぐるぐる回る尻尾追いなどが典型的で、他にも前足で地面を掘る(掘っているような)行動などがそれにあたり、前足を執拗に噛む行為もこれに入ります。

犬がストレスに遭遇した時の反応は、その頭文字から「4つのF」①攻撃(Fight)②怯える(Frighten)③固まる(Freeze)④おどける(Fooling around)に分類されます。

それぞれに、①吠える、噛む、飛びかかるなど②吠える、隠れる、噛むなど③動けなくなるなど④興奮する、物を破壊する、マウンティング、床を掘るなどの行動の特徴があります。

常同障害

常同障害とは、ストレスによる転位行動が繰り返され、自傷行為や目的のない同じ行動が止められなくなる犬の強迫性障害のことで、精神科疾患に分類され専門的な治療の対象になります。

重症化したストレスのサインであり、病気という領域になります。

ストレス過剰な状態が常に続いている場合は、常同障害が次第に重症化していき、自傷行為が激しくなることがあります。

例えば、前足を噛む行為がひどくなり前足の指を噛み切ってしまうとか、尻尾追い行動がひどくなって尻尾を噛みちぎるなど、身体的な治療を要する重度のものに進行していくこともあります。

常同障害の原因は主にストレスとされますが、まだ詳しく解明されてないものであり、また、全ての犬がそうなるわけではなく、脳の病気が原因になることもあります。

また、常同障害の発病には、子犬の時期に早期に母犬と引き離されたり、子犬が母犬の世話を十分に受けられなかったことなどが素因になりやすいという統計もあるようです。

【しっぽを追って回る行動の参考記事】

犬がぐるぐる 回る・しっぽを噛む・毛をむしる常同行動とは?

犬のストレスの原因になりやすいもの

人間にとっては特に気にならないような環境、予想外のものが犬のストレスの原因になっていることもあります。

特に嗅覚や聴覚は人間よりも優れている為に、私達にはわからないようなものが犬のストレスになって犬がストレスサインを出していることは多いのです。

ストレスには、物理的ストレスと心理的ストレスがあります。

物理的なストレス

暑さ寒さなどの気温や湿度、金属音などの騒音(家電や電子機器、テレビの音量も含む)、空腹、喉が渇く、光るものや明るすぎる照明、芳香剤などの匂い、痒みや痛みなどの病気の症状、発情、睡眠不足、過剰な運動による疲れ

心理的ストレス

飼い主家族の不仲や喧嘩、家族構成の変化や新しい動物が増える、引越しによる慣れない環境、無理やりの散歩、散歩不足による欲求不満、飼い主とのコミュニケーション不足、留守番

前足を噛む行為をやめさせたい・やめさせる方法

前足を噛む行為をやめさた方が望ましい例はもちろんありますが、無理にやめさせようとしても逆効果で、そうすると犬はもっとストレスを抱えてしまうことになります。

叱ってやめさせようとすることはもっともやってはいけないことです。

前足を噛む行為がどんな状況下で見られるのか、時間の長さはどうか、前足を噛むことによって皮膚や被毛に傷や炎症など異常が出ているかなど、「前足を噛む行為をリラックスの為のグルーミングの範囲のものと考えて良いか」を観察してみて下さい。

そして、犬のストレスサインとして対応すべきと判断した場合、ストレスになっているものの心当たりをじっくり考えてみましょう。

前足を噛むストレスサインへの対策

部屋の環境調整をして、犬のストレスになっているものはできるだけ取り除くか、犬が普段過ごしているスペースや寝床の周囲から離して下さい。

環境調整だけで解決できないもので、多いと思われるストレスの原因について、次のような対処法があります。

①散歩や運動不足な犬には、散歩の回数や時間、コースの見直しを図りましょう。反対に、散歩が苦手で外の環境が恐怖、または散歩コースに何か苦手なものがありそれがストレスの場合もあります。そのような犬にも散歩の見直しが必要です。

②新しい家族や新しく動物加わった場合、テリトリーの変化が犬のストレスの原因になります。飼い主さんは変わらず常に信頼でき安心してよい存在であることを示して下さい。

新しく犬を迎えた場合など、家族の関心が全てそちらに向いてしまうようなことのないように、先住犬を優先し関係性を理解させていって下さい。間違っても犬をその場から排除したりせず、また一気に近づけるのではなく、距離を少しずつ縮めていくようにしましょう。

【赤ちゃんの存在と犬のストレスについて】

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③飼い主さんとのスキンシップが不足している場合は、十分に触れ合って遊ぶ時間を作り、犬を安心させてあげて下さい。一緒に新しい遊びに取り組んでみてもよいかもしれません。

④前足を噛む行為がある時に自然に他のものに関心を逸らすように、新しいおもちゃなど犬の関心が向けられるものを与えてみましょう。

⑤分離不安があり、それがストレスになっている場合は、分離不安に対処しなければなりません。

【分離不安について】

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⑥前足を噛む行為がエスカレートして重症になり、すぐにやめさせる必要がある場合は、エリザベスカラーや靴下などで物理的に強制的に噛むことができないようにします。

しかし、強行的な対応をしなければならない状況は重度であり、専門的な治療が不可欠です。

重症になると、犬も抗うつ剤や精神安定剤などの薬物を使用し治療を行うことがありますが、薬物療法と共に、できれば行動療法を専門としている獣医師に治療を任せた方が解決の糸口が見つけやすいかもしれません。

いすれにしても、前足を噛む理由になるストレスはそれぞれ異なっていて、それをきちんと把握すること、そしてストレスサインに個別に対処する必要があります。

 

まとめ

犬が前足を噛む行為は、①寄生虫やアレルギーによる痒みなどの異常②ストレスサインの2つの大きな理由が考えられます。

ただ、全てが異常な行為というわけではなく、犬の気持ちをリラックスさせる為のグルーミングの範囲と考えることもできます。

しかし、それもやはり何らかの不安やストレスを解消しようとする行為ということにはなるので、基本的に前足を噛むのはストレスサインの一つととらえていた方が良いでしょう。

ストレスサインを見逃さず、頻度が増して噛む行為がエスカレートする可能性もあることを考え、場合によっては止めさせることが必要になってきます。

前足を噛まない為にエリザベスカラーなどを使用する方法は、緊急時以外、根本的な解決にはなりません。

犬の行動にどのような理由があるのかを見つけ、そのストレスサインの原因となっているものを取り除いていかなければ、犬の健康な精神状態を取り戻すことにはなりません。

犬が出しているストレスサインを早く見つけ、原因を把握し、そのストレスサイン一つ一つに丁寧に対処することが大事なことです。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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