ドッグフードの主原料は鶏肉を使っていることが多いと思いますが、アレルギー対策のフードは魚がメインのものも多いです。
うちは魚を毎回トッピングに使っています。
魚は犬の食べ物にも良い食材ですが、いくつかの注意点があります。
今回は、魚を犬の食べ物にする時の注意と、犬にお勧めの魚などご紹介しますね。
犬は意外と魚が好き?魚もいろいろある
魚と言ってもいろんな種類がありますが、赤身と白身の違い、何かわかりますか?
この違いは、魚の筋肉の色の違いなのです。
そして、青魚と呼ばれるものもありますが、こちらは外見の色のことで、背が青い魚をそう呼んでいるのです。
つまり、白身の青魚も赤身の青魚もあるということです。
ちょっと混乱しますね。
赤身の魚
まぐろに代表される赤身の魚は、群れを成して常に泳ぎ回っているという生態があり、長時間動き続けることのできる筋肉が発達しています。
そのタイプの筋肉を動かす時には酸素が必要なので、酸素を蓄えておく働きをするミオグロビンというタンパク質が豊富に含まれています。
このタンパク質には赤い色素があり、これが豊富に含まれている筋肉は赤く(遅筋)なります。
これが赤身の魚の筋肉の色の特徴です。
また、赤身の魚には赤い血合いの身があるのも特徴です。
赤身の魚には、アジ、サンマ、サバ、イワシ、サワラ、ニシンなどがあります。
白身の魚
ヒラメに代表される白身の魚は、普段は同じ場所に潜んでいて動かず、獲物を見つけた時や敵から逃げる時だけに瞬発的な動きをします。
そのタイプの筋肉を動かす時には酸素は不要で、赤い色素のミオグロビンは筋肉内にほとんど含まれないので(速筋)身は白いです。
これが白身の魚の特徴になります。
白身の魚には、タイ、ヒラメ、カレイ、フグ、タラ、スズキなどがあります。
さらに、サケやマスというような、身がピンク色の魚も白身の魚に分類されます。
ピンク色の色素は、カロチノイドの一種であるアスタキサンチンによるもので、筋肉そのものの色ではないのです。
青魚
赤身の青魚にはアジ、イワシ、サバ、マグロ、サンマ、ニシンなどがあります。
白身の青魚ではサワラ、シイラなどがあります。
魚の栄養
魚には、タンパク質、カルシウム、タウリン、DHAやEPAなどの栄養素が豊富に含まれています。
このような栄養素は、骨や歯を丈夫にして、体の基礎を作り、代謝を促し、被毛の艶や皮膚の健康を維持してくれるものです。
特に青魚には、認知症の予防のサプリメントでも有名なDHAやEPAが豊富です。
このような栄養素は、動脈硬化や心臓病などの生活習慣病を予防します。
魚の栄養は、メディアでよく話題に取り上げられるようになりましたが、犬にも良質な栄養です。
【参考記事】
ただ、人には青魚が推奨されていますが、犬にお勧めの魚はタラやサケなどの白身の魚です。
白身の魚は脂肪分が少なくて高タンパクであり、アレルギー物質が少ないので、犬にも与えやすいのです。
タラにはカルシウムの吸収に必要なビタミンDも豊富で、あっさりとくせがなく消化吸収も良いので、犬に負担もかかりにくいです。
また、サケやマスの色素には抗酸化作用があり、脂肪分は良質のγリノレン酸で、これらは皮膚や被毛の艶をよくするのに効果があります。
犬に与える時に注意すべきこと
魚を犬の食べ物として安全に効率よく与える為の注意点をチェックしましょう。
生食は避ける
生の魚には、チアミナーゼという酵素が含まれています。
このチアミナーゼは、体内のビタミンB1を破壊する働きがあるのです。
食べたからと言って、すぐに何かが起こるわけではないですが、食べ続けるとビタミンB1の欠乏症を招きます。
チアミナーゼは、加熱することによってその働きがなくなり、心配ない状態になります。
そして、生の魚には寄生虫がついている可能性もあります。
また、傷みやすいので、食中毒を起こしやすいというリスクもあります。
このようなことから、魚を犬の食べ物にする場合は、基本的に加熱したものが望ましいです。
もし生で食べさせる場合は、人間も食べられるお刺身を新鮮なうちに与えて下さい。
そして、食べ残したら置いておかずに、傷まないうちに片付けて下さい。
【参考記事】
犬の食べ物にイカは危険?イカを食べると起こるこんなことに注意
イエローファットの蓄積注意
青魚のDHAやEPAという不飽和脂肪酸は、体に必要でとても重要な脂肪ですが、体内で酸化しやすいという性質があり、酸化して過酸化脂肪になって蓄積します。
それが黄色脂肪症(イエローファット)と呼ばれるもので、蓄積すると、犬の腹部にその脂肪の塊のしこりができます。
これは猫に多いそうですが、青魚を食べ続けた場合には、犬にも発症します。
このしこりができると、痛みや発熱などの症状があり、治療にも時間がかかる病気のようです。
これを予防するには、酸化に見合うだけのビタミンEを一緒に摂ることが必要です。
しかし、何よりも多量に続けて食べさせ過ぎないことで予防できます
アレルギーに注意
青魚や赤身魚にはヒスチジンという物質が多く、これがアレルギーの原因となります。
ヒスチジンは、ある種の細菌が持っている脱炭酸酵素というものと反応することで、アレルギー物質のヒスタミンを生成します。
ヒスチジンは特に赤身魚に多いのですが、含まれている量が問題なのではないそうです。
赤身魚の方が、その反応が起こりやすい環境にあると考えられ、それがアレルギーを引き起こしやすい理由に繋がっているようです。
骨の危険
魚の骨は、人間でも誤って飲み込んでしまうと喉に引っかかることがあります。
犬は、人のように食べ物を噛んで潰すということはできず、飲み込める大きさにちぎってほぼ丸飲みしていると考えておいた方がよいです。
魚の骨は、丸飲みしがちな犬の消化管に刺さりやすく、大変危険です。
魚を食べさせる時には、骨は必ず取り除いてあげて下さい。
特に、鯛の骨などは硬くて危ないですので、鶏の骨と同じように危険なものとして取り扱って下さい。
アジやイワシなどの小さい骨は、粉々にしてつみれにするのも一つの方法ですが、その際でも、小骨が残ることのないように気を付けて下さい。
塩分は犬に禁忌
魚の干物や塩鮭などは、塩分が濃いので、犬の食べ物にはできません。
他にも、味のついたものや、人の調味料がかかったものなどは食べさせられません。
犬の食べ物におすすめの魚
魚を犬の食べ物にするには、低カロリー、低脂肪、アレルギー原因物質のヒスチジンが少ない白身魚が無難です。
特に、高齢の犬や病気で体力が落ちている場合など、白身魚が体に優しいです。
一方で、赤身魚は栄養価が高く効率良い食べ物とも言えます。
一般的に手に入りやすい魚で、使いやすいのは、タラ、サケ、カツオ、マグロ、アジ、イワシあたりでしょう。
ちなみに、食物連鎖の上位にいる魚は、下位の魚よりもダイオキシン等の毒性物質が体内に蓄積していますので、考慮した方がいいと思います。
私は、アジやイワシの青魚はアレルギーを考えて避けているのですが、その他はローテーションでやはりこのあたりを使います。
うちではこのような魚をボイルするか、焼くかにして、骨を取りほぐしてトッピングにつかうのですが、食いつきもよく、喜んで食べます。
煮干しはカルシウム豊富で手軽ですし、犬も喜ぶのですが、与えすぎると、そのミネラル分が尿路の結石の原因にもなるのでお勧めしません。
【参考記事】
そして犬用は味付けなしですが、人間用の煮干しには塩分が含まれているものがあるので要注意です。
魚を使って犬のおいしいご飯
栄養価の高いまぐろを使って簡単にできる犬の手作りご飯を見つけたので、ご紹介してみます。
材料も単純ですぐにできそうですし、これは犬も喜ぶと思います。
★まぐろバーグ★
【材料】
マグロ適量
引き割り納豆適量
カッテージチーズ少々【作り方】
1.マグロを叩いてミンチ状にして、引き割り納豆(普通の納豆だったら少し潰した方が良いです)も加えてまぜます。
2.カッテージチーズを風味づけ程度に入れたら更に混ぜます。
3.油を使いたくないのでテフロン加工のフライパンに食べやすい大きさに成形して焼きます。
4.火が通ったかな、と思ったら裏返して焼いたら出来上がり。
まとめ
魚は犬にとって、肉の代替になる良質なタンパク源です。
注意点だけ理解しておけば、日常的に魚を犬の食べ物に取り入れることができます。
魚は、栄養価の高い食べ物で、魚からしか摂れない栄養もあります。
上手に食べさせてあげて下さい。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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