子犬のしつけは、しつけ教室などに通ってプロのトレーナーの指導を仰ぐという方法もあります。
でも、しつけ教室に参加してみたくても、しつけ教室のことがよくわからない・・。
今回はそんな飼い主さんの為に、小犬のしつけ教室の目的やいつから通えるのかなどについて、ご説明したいと思います。
子犬のしつけと社会化期は関係が深い
犬は人間よりも早く年をとっていきます。
子犬時代の年齢を人間に置き換えてみましょう。
《子犬の年齢の人間換算》
- 生後1ヶ月=1歳くらい
- 生後3ヶ月=5歳くらい
- 生後6ヶ月=9歳くらい
- 生後9ヶ月=13歳くらい
- 生後1年=17歳くらい
子犬は生後1年で、人間に例えれば高校生くらいまで急成長するのです。
飼い主さんの家に迎えられる頃には、しつけの開始が可能な時期です。
子犬には、社会化期という、その成長に大きな影響を与える大事な時期があります。
社会化期は、生後4週から13週くらいとされます。
この時期には、初めて聴く音や知らない人など、いろいろな世間の刺激を経験し、慣れることが重要なのです。
様々な体験を積み重ねることで、子犬の精神は健全に発達し、将来子犬が出会うだろう新しい経験にも不安を感じずにすむようになります。
これは子犬が大きなストレスを抱えることなく安定して生きていけるための基盤となるのです。
社会化期の子犬は、好奇心が警戒心よりも勝っている為に、比較的抵抗なく経験を重ねることができます。
心の中に「安心感」を育てるのには適した時期です。
この時期を越えて、月齢が大きくなってくるにつれ、いつからか次第に警戒心や不安を持つことが多くなります。
社会化期に「安全である」「大丈夫」という経験を順調に積めなかった子犬は、日常の中で些細なことにも不安やストレスを抱えやすくなります。
人で言えばちょうど人格形成のこの時期のしつけは、子犬にとってとても重要なものなのです。
社会化期のしつけは、4ヶ月未満頃から始められることが理想とされます。
つまり、多くの家庭で迎えられる生後2ヶ月頃の子犬は、しつけを開始するのに適切な時期なのです。
ただ、ワクチンプログラムが終了していない子犬を自由に外に連れ出すのは、感染症の観点から不可能です。
かと言って、3回目までのワクチン全て終了するまで待つと、社会化期を終えてしまいます。
制限がある中での社会化のしつけを工夫していかなければなりません。
しつけ教室は飼い主が学ぶ場所
犬のしつけ教室は、犬に、人との暮らしの中の日常的なルールなどのしつけを行う場所です。
それは、犬が一般の家庭犬として人間とストレスなく暮らしていけるようにするためです。
そして、その教室はどちらかと言うと、犬に教えるというよりも、飼い主さんに対し、自分の犬の扱い方のコツを学ばせることを目的としたものです。
子犬のしつけは、他の誰でもない、飼い主さん自身が継続していかなければならないのです。
しつけ教室の内容
《しつけ教室での学習内容》
- 飼い主さんの接し方や環境の整え方などのアドバイス
- トイレのしつけなど日常的に必要となるしつけ
- 基本姿勢の取らせ方や誘導法・指示の与え方
- ハンドリング
- 食事管理や口腔ケア
上記のような内容が、子犬の月齢に合わせておこなわれます。
しつけ教室の期間は、通常3ヶ月が基本とされていることが多いようです。
ただ、飼い主さんがうまく子犬を扱えるようになることが目的ですので、飼い主さん次第でもあり、ほとんどの教室はそれに対応してくれるようです。
また、いつから教室に参加したのかによっても、教室に通う期間は違ってくるでしょう。
幼い頃には特にしつけに困らなかった飼い主さんが、社会化期が終わった頃から子犬の行動に問題を感じ始めてしつけ教室にやって来る、ということもあるようです。
子犬には、生後半年を過ぎた頃から、行動の傾向が変わってくるなど問題が生じやすい、ちょうど反抗期のような時期があります。
パピークラス
しつけ教室の中のパピークラスというのは、ワクチン接種前の子犬を対象にした教室です。
パピークラスは、ワクチン終了前の社会化期に、適切な社会化のしつけを行うことを目的にしています。
社会化期の幼い子犬を対象にしたしつけ教室は、あまり多くはないようですが、各自治体の愛護センターや動物病院などから情報を得られることがあります。
特化してパピークラスを開催しているというところは、少ないながらも動物病院などが主催している教室があるようです。
是非、お住まいの地域で探してみると良いと思います。
下は、病院主催のパピー教室の参加条件の一例です。
このような条件を満たしてさえいれば、いつからでも教室に参加可能となっているようです。
- 生後4ヶ月未満の子犬であること
- ワクチン1回は終了済のこと
- 病院にて健康診断(身体検査、糞便検査)が必要
- 腸内寄生虫駆除済のこと
- 1ヶ月以内に病院処方でのノミダニ予防薬投与済であること
- 他の医療機関で済みのものに関しても全て証明書や明細で確認可能なこと
パピークラスは、床や靴底の消毒など感染対策をとっていることが特徴的です。
ワクチンが全て終了していない子犬でも、大事な社会化期を逃すことなく、いつからでもしつけが開始できるように考えられたものです。
この教室では、同じような月齢の子犬達と一緒に、音や匂いの刺激、感触、スキンシップ、自分の名前や飼い主さんを認識することなどのしつけがおこなわれます。
パピー対象の教室がうまくみつけられない場合も、社会化期のしつけは必要なので、飼い主さん自身が学ぶことが何よりも大事です。
この時期が人間の子供で言う3歳児くらいの幼児期、と考えたら、経験の重要性がイメージしやすいのではないでしょうか。
ワクチンが未接種の間は、感染の問題に対する注意が必要です。
外に連れ出せませんが、特定の人を家に招いて対面をさせてみる、優しく撫でてもらう、飼い主さんが子犬を抱いてベランダや庭など景色や音を体験させることはできます。
一般のクラス
一般クラスはワクチンが全て終了していることが条件の教室です。
- 生後4ヶ月以上の子犬
- 狂犬病ワクチンも含めて全ての予防接種が終了していること
- ノミダニ予防薬投与済であること
- 獣医より散歩OKの許可があること
上記のようなことが参加条件にあげられているクラスですが、厳密には月齢ごとにいつからこちらの教室、と分けているところもあるようです。
しつけ教室に通える時期がいつからなのかは、その教室のタイプとワクチンなどの関係により異なります。
ちょうど人間の幼稚園の年少組と年長組のようなものであり、一般クラスも上記の条件を満たせばいつからでも参加可能なところもあります。
いつからでもとは言っても、やはり早めに開始する方がよいというのはどこのしつけ教室も共通の考え方のようです。
問題がある場合は特にいつからでも、対処が早ければ早いほどうまくいく確率が高いと考えられています。
その教室の定員の問題などもありますので、ここと思われるしつけ教室があれば、条件やいつから参加可能かなど、詳細はお問合せをしてみて下さい。
しつけは一度教えれば終わりではなく、日常のいろいろなシーンで子犬がどのように行動すべきかを繰り返し教えていくものです。
いつからいつまでというものではありません。
母犬やきょうだいと離れてやってきた子犬に、飼い主さんが母犬の代わりになって、様々なことを継続して教えていくことがしつけなのです。
まとめ
子犬のワクチンやノミダニ予防、腸内の駆虫などは飼い主の義務です。
これにフィラリア予防なども加わります。
そういう基本的なことができ、子犬の健康状態に問題がなければ、ほとんどのしつけ教室にはいつからでも参加可能です。
子犬のしつけは迎えた時からすでに始まっています。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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