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犬の認知症と余命 進行した末期症状からの改善はあるか?

♦ストレス/脳神経

犬の認知症は単なる老化現象と思われていることも多いですが、近年、人のアルツハイマー病に似た進行性の病気もあるとわかって来ました。

認知症は進行を遅らせることはできますが、すでに末期の状態からの改善は人においても難しい課題です。

犬も長寿の現在、認知症や介護は1つの課題であり正しい理解と対応が必要と考えます。

今回は、犬の認知症と改善の可能性・余命についての情報を共有したいと思います。

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犬の認知症の進行の段階と症状

認知症は、脳の変性により引き起こされる症候群です。

認知症の犬の脳には、人のアルツハイマー病と似た病変が確認されることがわかってきました。

つまり犬の認知症は、人のアルツハイマー病とほぼ同じ病気ではないかと考えられるようになりました。

認知症とアルツハイマーの区別がつきにくいかもしれませんね。

また、認知症=アルツハイマーと捉えられているかもしれません。

認知症の原因はいろいろありアルツハイマー病はその中の1つで、人の認知症の原因としてはもっとも多く、進行する病気です。

犬の認知症にもこれと似た病気が関係し、アルツハイマー病と同じように病気が進行していくと考えられています。

【認知症の症状についての参考記事】

止まない徘徊は犬の認知症の症状?診断はどのようにされるのか?

 

《認知症の初期症状》

  • ボーっとしていて表情が乏しい
  • 名前を呼んでも反応しない
  • 周囲に対する興味の低下
  • 粗相する
  • しつけを忘れる
  • 他の犬や人に対する攻撃性が出てくる

認知症の初めの頃は、上のような症状のうちの1~2つくらいが少しずつ現れるようになります。

ただ認知症を発症する犬は高齢なので、この程度の症状があっても年齢の為と思われがちでなかなか気付かれにくいと思われます。

【参考記事】

老犬に粗相が始まった時 理解すべきことと対策について

アルツハイマー病は、脳にアミロイドβという異常蛋白質が溜まり、それが老人斑と呼ばれるシミのようなものを沈着させ、脳が変性を起こすとされています。

脳にシミができる、ゴミのようなものが溜まるという話は、認知症を特集した番組などでもよく言われているので、お聞きになったことがある方もいるのではないでしょうか。

このシミの沈着が脳のどの部分に多く溜まっているかということで、現れる症状も変わってくるわけです。(最近は必ずしもアミロイドβだけが原因ではないと言われています)

認知症が進行すると症状は段々と目立つようになり、夜泣きや徘徊などの症状が表れるようになります。

認知症では特徴的な症状ですが、これはすでに末期的な症状に入ります。

【認知症の夜泣きについての参考記事】

犬の認知症の症状「夜泣き」への対策と治療薬について

下は人のアルツハイマー型認知症の進行度の分類で、進行レベルごとに3段階に分けられているので、参考にご覧下さい。(厳密には7段階あります)

参考:人のアルツハイマー病の進行の病期分類

《第1病期・初期》運動機能は保たれている。物忘れ、抑うつ症状、物取られ妄想(誰かが家に入ってきてお金を盗まれているなど)などが出現し、自発性が低下する。うつ病と間違われることもある。画像上で脳の萎縮は軽度。

《第2病期・中期》記憶障害、見当識障害、失認(対象や状況を認識できない)、失行(これまで当たり前にしていた簡単な行為ができない)、失語(言語の使用ができない)などの症状が出現する。画像上で明らかな脳の萎縮が見られる。

《第3病期・後期(末期)》高度の認知機能障害によりコミュニケーションがとれない。人格変化。運動機能が低下し歩行障害などが現れて寝たきりになる。画像上では脳の萎縮が高度に認められる。

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犬の認知症の末期症状と余命

犬の認知症は高年齢の犬に発症する病気です。

その余命を考える時、認知症そのものの進行と、元々の体の健康状態の両方が影響することを考慮しなければなりません

認知症は老化の特徴とも言えるような症状から始まり、ゆっくりと進行していきますが、犬にストレスがかかった時などは一気に進行が早まることもあります。

【参考記事】

犬もかかる精神の病気 ストレスがまねくうつ病について

認知症の進行による末期症状

認知症の有名な症状の一つに、睡眠のリズムの崩れによる昼夜逆転があります。

昼間は熟睡して過ごし夜になると夜泣きするという、対応が難しい状態になりやすいのです。

徘徊も、認知症の進行と言える末期的症状です。

認知症の犬の行動の特徴に、部屋の隅などに突き当たると、後ずさって向きを変えることができなくなるというものがあります。

この特徴により、徘徊しているうちに狭いところや部屋の隅にはまりこんで動けなくなる、ということも起こりがちです。

家の中で行方がわからなくなって、どこかに頭を突っ込んだまま動けずじっとしているという姿で見つけられるということも起こります。

認知症の徘徊は、一般的には目的がないと言われてきました。

でも、理解しがたいとしても目的はあるとする説もあります。

最初はうろうろ歩いていたものが、病気の進行と共に同じ場所で同じ方向にぐるぐる回る旋回と呼ばれる末期症状になり、自分では止められなくなってきます。

脳の感情を司る部分に病変がある場合、攻撃的になって咬むなど、犬の性格もそれまでとまるで変わってしまうことも考えられます。

こういった行動の変化は、脳そのものに病気が発生したからであって、犬が悪いのではなく、しつけで改善できるものでもないということも理解しておく必要があります。

認知症の余命

脳の変性は知能や精神症状だけでなく、運動能力も低下させてしまいます。

それが犬の余命を左右することもあります。

病気が脳全体に広がってくると、機能も広く失われるようになり、四肢を動かせなくなることもあります。

やがて、嚥下(物を飲み込む動作)や心臓の動き、呼吸といったような重要な機能も障害されてしまい、食べることも飲むこともできない、呼吸がうまくできない、心不全、肺炎など起こしやすくなります。

認知症の末期では寝たきりの状態になりやすく余命に影響します。

人のアルツハイマー病は、もちろん個人差はありますが、発症してからの余命は平均して8年と言われています。

犬の場合、認知症を発症する年齢は、犬種によってはすでに平均寿命に達している可能性もある高年齢です。

認知症のためではなく、元々の余命がそんなに残されていないのが現実と言えるでしょう。

個体差はあるとしても、発症後半年ほどで急速に悪くなり亡くなることもあるようです。

【認知症の好発年齢】

犬の認知症が始まる年齢と発症しやすいとされる犬種について

【犬の寿命】

犬の寿命を延ばす秘訣は何?世界最高齢に名前が挙がった犬達

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認知症の末期からの病状の改善は無理?

認知症が進行した末期になると症状の著しい改善は望めず、余命もそれほど長くないとされています

しかし、認知症の初期のうちに、不足しがちな栄養素を意識して食事を改善したり、生活習慣を改善したりすることは、認知症の進行予防に効果的です。

【参考記事】

犬の認知症にサプリメントが期待される理由とお勧め7品

犬の認知症の予防対策 必要な栄養・刺激・対応方法のポイント

犬の認知症の治療薬として、人のアルツハイマー病の治療薬も適用されるようです。

複数の種類の薬剤とサプリメントを組み合わせて使用されています。

治療薬を使用することで、認知症の犬の70%に改善があったという研究結果も出ているそうなので、病状が進行している場合でも決して無駄ではないかもしれません。

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進行した認知症の症状を改善するには

認知症は、初期に発見できたとしても、現在の医学では基本的に治療で「完治」させることはできません。

できることは、進行を食い止め、症状を改善して、少しでも生活の質を維持することです。

改善のレベルには差があるものの、すでに進行してしまった認知症末期でも対処法は同じです。

ただ、進行した認知症は介護の工夫で改善も大きいと思われます。

  1. DHA/EPAを意識した食事、またはサプリメントを補うなどの栄養の改善。
  2. 食事時間がわからなくなりたびたび欲しがる時は、少量ずつ回数を増やすなど食事のタイミングを改善。
  3. 昼夜逆転にならないように、昼間はできるだけ起こし睡眠を改善する。
  4. 名前を呼び、話しかける。マッサージなどで体に優しく触れたり撫でたりしながら、コミュニケーションの時間を増やす。
  5. 体に負担がかからないよう、散歩時間を改善。一回の時間を短く回数を増やす方が望ましい。また、コースを時々変更して新しい道を体験させる。
  6. 歩けなくなっても補助具やカートを使って外に連れ出し、新鮮な刺激を受けられるようにする。
  7. 視覚や聴覚の衰えにより恐怖心を持ちやすい為、いきなり触らない。触る前に声掛けや合図をするなど触り方を改善する。
  8. くつろげる環境づくり、お漏らし対策、トイレの場所などを改善する。


【参考記事】

犬もリラックスして免疫アップ!ドッグマッサージの素敵な効果

老犬介護で問題になる床ずれの3大要因とグッズ利用による予防法

エンドレスケージ

徘徊の症状があり、一方向に旋回するようであれば、思う存分歩き回ることのできる安全なスペースを作ってあげると、程よく疲れて眠り、夜泣き症状も改善するようです。

ぶつかっても衝撃を吸収してくれるような、クッション性のあるお風呂用マットなどを繋ぎ合わせ、高さのある円形の囲い「エンドレスケージ」を作ります。

その外側をサークルで囲うことで、エンドレスケージの強度が改善します。

ただ、角があるとそこにはまりこんでしまうので、丸い形にします。

床も滑り止めにマットを敷いてあげると安定感が改善されます。

 

小型犬に子供用ビニールプールを代用している飼い主さんもたくさんいるようですが、小型犬なら下のようなケージも活用できると思います。

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また、徘徊専用として改善された用品もあります。

形状が柔軟なので部屋や目的に合わせ変更ができ、安心感があります。

くるくるウォーカー 60×60cm 8枚

このように安全に囲われたエンドレスケージの中なら、犬は自由に徘徊でき、飼い主さん側の介護負担の改善にもなります。

まとめ

犬の認知症は進行すると立てなくなって寝たきりになったりもします。

末期になり呼吸や心臓などの重要な働きが低下すれば、余命も左右します。

でも進行した認知症も全く改善できないわけではなく、進行を食い止める治療や環境、栄養、犬への対応や介護の方法などケア次第で改善できることもあります。

認知症の進行は様々で、必ずしも同じ経過をたどるわけではありません。

たとえ飼い主さんを認識できなくなったとしても、一緒に過ごす時間は犬にとって大きな安心であり、症状も改善するに違いないでしょう。

病気を改善することはできなくても生活の質を改善することは、どの段階であっても可能なはずです。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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