子供の頃、風邪で熱があり食欲がない時に、すりおろしりんごを食べさせてもらってホッとした経験はありませんか?
柔らかな甘さのりんごは、離乳食にも活用される優しい食べ物。
りんごは犬の食べ物にしてもよい果物です。
ただ量や与え方には気をつけなくてはいけません。
今回は、りんごの栄養や犬が食べても良い量について、お伝えしたいと思います。
りんごは医者いらず!優れた食べ物
りんごの旬は8月下旬~12月頃と幅広いです。
今は保存環境がよく、1年中手に入るのでどの季節が旬なのかわからなくなりますね。
りんごは、「1日1個のりんごで医者いらず」と昔から言われてきました。
りんごが栄養価の高い優秀な果物ということは、昔から知られていたのです。
りんごの栄養素を確認してみましょう。
種などを取り除いた可食部100gあたりの栄養素は次のとおりです。
《りんごの栄養価(可食部100g)》
- エネルギー: 61kcal
- たんぱく質:0.2g
- 脂質: 0.3g
- 炭水化物: 16.2g
- 灰分 :0.2g
- カリウム :120mg
- カルシウム :4mg
- マグネシウム :5mg
- リン :12mg
- β-カロテン :当量27μg
- ビタミンC :6mg
- 食物繊維 :1.9g(水溶性 0.5g、不溶性 1.4g)
りんご100g中の水分は84,9gあり、重さのほとんどは水分量ということになり、りんごの主な成分は糖質です。
1・カリウムが豊富
カリウムは体内のナトリウムの調整をして、血圧を安定させる作用があります。
2.ペクチン(水溶性食物繊維)が豊富
水溶性食物繊維とは、水に溶けるとドロドロのゲル状になるタイプの食物繊維で、腸内で善玉菌のえさになります。
そして善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれます。
果物でジャムを作ると、ゼリーのように固まる成分がありますね。
あれは水に溶けだしたペクチンによる変化なのです。
ペクチンは特に皮の部分に多く含まれ、整腸作用以外にも、粘膜保護作用、コレステロールの排出などの働きをします。
3.ポリフェノールが豊富
ご存じの方も多いとは思いますが、ポリフェノールは抗酸化作用がある有名な成分です。
りんごの皮の部分には、りんご特有のりんごポリフェノールと呼ばれるものが多量に含まれています。
りんごポリフェノールは、複数の種類のポリフェノールで構成されています。
《ポリフェノールの効果》
- 抗酸化作用によるアンチエイジング
- 生活習慣病の予防
- ガン予防
- アレルギー緩和
4.糖質が多い
りんごで注意すべきことは糖質の量の多さでしょう。
りんご1個を200gと考えると、糖質は30gを越えます。
これは、いかにも糖質の量が多そうなイメージの甘いバナナ1本の21.4gという量を上回っています。
ただ、犬が丸ごと1個を食べるわけではなく、食べる量から考えたらそんなに神経質になることはないとも言えます。
水分と糖質が速やかに摂れて消化もよくお腹に優しいりんご、医者いらずと言われてきたのも理解できますね。
りんごの危険な成分には注意を
りんごは、その果実だけが市販されています。
私達が手に入れるのは熟した果実としてのりんごなので普通は心配ないのですが、りんごにも中毒物質が含まれている部分があります。
それは、りんごの茎や葉、種、未熟な実の部分です。
その部分には、アミグダリンという物質が含まれています。
この物質は、犬の消化管に入って胃液と反応し、青酸毒を発生させます。
これは重大な中毒物質です。
この中毒は解毒剤がないので、犬が誤食すると致命的であり注意が必要です。
普段食べている成熟したりんごなら、犬の食べ物にしてももちろん問題はないです。
種や茎は与えず、果実の部分だけ食べさせてあげて下さい。
りんごの艶はワックスではなかった!
りんごの表面はつやつやときれいに輝いています。
これは人工的にワックスがかけられているものと、私はずっと思いこんでいました。
ところが、この艶はりんごが自分で出している自然な輝きだったのです。
りんご自身が実の乾燥を防ぐ為に、脂肪酸という物質を表面に滲み出し、自分でコーティングしているそうです。
この現象は専門的に油上がりと呼ばれ、つやつやと輝いた自然のコーティングは、その実が成熟している証拠だそうです。
脂肪酸の量が多く、艶があり輝いているほどおいしいりんごである証です。
しかし、中には、人工的にワックスでその輝きを見せているものもあるのかもしれません。
農薬の心配もあります。
基本的に、日本で収穫されたりんごは、そのようなものを使用していたとしても、使用量の制限は厳しく、水で洗えば落ちるレベルです。
りんごを皮ごと使う時は、水で洗い流す作業もしておいた方が安心ですね。
犬が食べてもいい量と上手な食べさせ方
いよいよ本題、りんごを犬の食べ物にする時の適切な量の話です。
目安は、中型犬(体重11㎏~20㎏)の体格と仮定した場合、犬が1日に食べてよいりんごの量は20g程度とされています。
この量は、りんご1個から芯や種を取り除いた実の部分の4分の1くらいが目安です。
大きくて立派なりんごの場合は、4分の1個の量だと少し多いかもしれません。
食べさせる量が多すぎた場合
- 糖質が多いので肥満の原因になる
- 食物繊維の量が多すぎて下痢などを起こす
- 適切な量を越えて食べる習慣がつきフードを食べなくなる
といった問題が生じることがあります。
犬の食べ物にする時には、くれぐれも量は適正を守りましょう。
りんごを食べさせる時は、量だけでなく他にも注意点があります。
第一にアレルギーの問題です。
りんごのような優しい果実でも、アレルギーを起こす可能性はあります。
まずは少しの量から試してみて下さい。
りんごはバラ科の果物であり、その仲間の果物には、梨・いちご・桃などがあります。
これらの食べ物でアレルギーがある場合は、りんごもアレルギーが出る可能性が高く、反対にりんごにアレルギーがあれば、これらの食べ物も危険です。
次に、犬にりんごを与える時の大きさにも注意が必要です。
りんごは、私達には噛み砕きやすい食べ物ですが、犬は食べ物をほとんど丸飲みしています。
りんごのかけらが大きすぎると、食道や気管に詰まらせてしまう危険があるのです。
万が一丸飲みしても詰まることのない大きさにカットする、あるいは薄くスライスしたりすりおろしたものを与えて下さい。
りんごの皮は栄養豊富ですが、犬には消化がよいとは言えないので、すりおろさない限り皮は剥いてあげた方が良いかもしれません。
ペクチンやりんごポリフェノールは、実はすりおろした状態が一番効率よく吸収されるそうです。
ただし、りんごポリフェノールは、金属に反応して酸化しやすいという性質があります。
すりおろす時には、金属製のおろし金は使用しない方が良いですね。
おいしそうなりんごのおやつ
りんごを好きな犬は多いですね。
りんごは調理するのも扱いやすく、犬のおやつにもよく使われる材料です。
りんごのおいしそうなおやつも見つけました!
人のお菓子かと思うほどおいしそうです。
お菓子も一度に全部食べさせると量が多すぎるので注意して下さいね。
こちらのおやつはサイズも小さいようですので、食べきるまでに日数もかからないのではないかと思います。
まとめ
りんごは、お腹の環境も整えてくれてポリフェノールなど栄養価の高い、体に優しい食べ物です。
犬が好む食べ物でもありますが、食べすぎないように量に注意して下さい。
また、喉に詰まらせないように大きさも十分配慮して下さいね。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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