ご飯の準備を始めると、もう待ちきれない!とでも言うようにテンションがあがる子犬は多いですね。
ご飯を前にして「待て」のしつけをしたい飼い主さん、実はこれ、厳密には本来の「待て」と少し意味が異なります。
もちろん、ご飯の時にも「待て」を教えることはできますよ。
今回は、ご飯の場面での「待て」のしつけについて説明したいと思います。
「待て」ができると役に立つ
子犬に「待て」のしつけはどんな目的でするのでしょうか?
「待て」は、それを解除する言葉「よし」とセットで教えます。
犬は、飼い主さんが「よし」と許可するまで待たなければいけません。
家の外に出ると、飛び出したら危険な場所や止まらなければならない信号などがあります。
あるいは、人や他の犬に飛びつく時なども犬の動きを止めなければなりません。
そんな時に「待て」と指示をして制止できれば、危険や事故などを回避することができますね。
「待て」は、行動制止のしつけです。
食べ物を前にして「待て」という命令に従うことができれば、散歩中などに道に落ちている食べ物を誤って食べてしまうことも制止できます。
危険な誤食を防ぐのにも役に立つというわけです。
ご飯の「待て」は「おあずけ」
実は、ご飯の時の「待て」は、正しくは「おあずけ」です。
ご飯を前にしているだけで、「待て」には違いないのですが、それだけを教えても本当の意味の「待て」にはなりません。
ご飯で「待て」ができても、それはただ毎日の食事の習慣として身につくに過ぎないのです。
「待て」の指示は、「咄嗟に・いつでも・緊急時にも」犬の行動を制止できなければなりません。
室内でも屋外でも、どのような条件であろうと「待て」の指示で止まるようにさせるのが「待て」のしつけです。
すぐに解除されてご飯が食べられるとわかっている毎日の「おあずけ」の習慣とは異なります。
子犬に「待て」のしつけが事前にできていて、それをご飯の時に応用しておあずけもできれば、そのしつけは正しいです。
反対に、ご飯のおあずけはできるけど、それ以外の場面ではしつけられていないならば、それは本当の「待て」ではありません。
子犬に本当の意味での「待て」のしつけをするには、様々な場面で子犬が「待て」の指示に従えるようになることが大事です。
さらに、子犬にとっての大きな魅力である食べ物を前にした時に、おあずけを可能にするとよいのです。
子犬には食べ物の誘惑はとても多く、それによっての事故も多いので、食事という場面でも待てができるのはもちろん有意義です。
ご飯時に「待て」をしつける方法
まずは子犬にスタンダードな「待て」のしつけをしましょう。
ご飯の時というのはひとつのシチュエーションと考えます。
きちんと「待て」ができるようになれば、あとはその応用です。
ご飯の時の「待て」も簡単にできるようになるでしょう。
まず子犬をおすわりさせます。
そして子犬の目の前にご飯を置き、「待て」と指示してアイコンタクトを取ります。
アイコンタクトを取りやすいように、飼い主さんの目の高さにフードをかかげて視線を誘導し、注目させるようにしてもいいと思います。
子犬が「待て」をできたら、3秒ほど数えてすぐに「よし」の解除でご飯を食べさせてください。
食べ物は全て飼い主さんの指示が必要で、飼い主さんの許可で食べることができる、ということをしつけるのが大事です。
なので「待て」ができさえすれば、長い時間もったいぶって引っ張る必要はありません。
これをやってはだめ!
ご飯を前に「待て」を長い時間させすぎると、子犬は次第にご飯に対する執着をむやみに高めてしまいます。
そして飼い主さんに対して不信感を持つようになってしまいます。
スタンダードな「待て」のしつけの方では褒められておやつがもらえるのに、ご飯の時の「待て」になると、ただご飯を食べさせてもらえないだけというイメージがついてしまいます。
ご飯の時に「待て」のしつけをするのは好ましくないとするトレーナーや獣医師もいるくらいです。
ご飯はご飯としてもったいぶらずに食べさせる、ご褒美はおやつとして別に与える、そのような対応をすることが、子犬のご飯への執着を持たせないためには大事なことなのです。
まとめ
ご飯の時の「待て」は、毎日の食事習慣の「おあずけ」に過ぎません。
食事習慣を教えることそのものは無駄ではありません。
ただ、ご飯を前にして長い時間の「待て」をさせたり、何度もやり直したりすると、執着心を植え付けることになるのであまりよくありません。
「おあずけ」にこだわるのではなく、本当の「待て」のしつけを丁寧に行うようにしましょう。
その上で、誤食事故を回避する為にも、食べることには全て飼い主さんの許可が必要ということをしつけてあげて下さい。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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