犬の寿命は犬種や体格によって違ってきますが、最近は医療の発達など犬を取り囲む環境の変化もあって、長生きする犬も増えてきました。
パートナーや家族の一員という位置付けになってきた愛犬には、元気で長生きして欲しいと、飼い主さんは誰もがそう思うのではないでしょうか。
今回は世界最高の寿命とされた犬達をご紹介し、最高に長生きの秘訣を探ってみたいと思います。
犬の年齢の考え方と世界最高齢の犬
犬の寿命は大型犬よりも小型犬の方が長生きしやすい傾向にあると言われます。
それはその体格と内臓の比率によるもので、大型犬はその体格に対して肺や心臓が弱く機能がついていかないことが老化を早める理由になると言われています。
実際に犬の年齢を人間に換算する場合の方法が少し異なっており、大型犬の方が早く年を取ると考えられています。年齢換算方法は次のようになります。
【小型犬・中型犬の場合】
生後2年までに人間でいう24歳になり、その後は1年で4歳ずつ増えていく計算。
◆24+(犬の年齢-1)×4=人間に換算した年齢
【大型犬の場合】
生後1年までに人間でいう12歳になり、その後は1年で7歳ずつ増えていく計算。
◆12+(犬の年齢-1)×7=人間に換算した年齢
あなたの犬の人間に換算した年齢はいくつでしたか?
また、犬の寿命は体格だけでなく犬種ごとにも違っています。
全体で言うと一般的な寿命は10~13年と言われていますが、犬種別の統計の最高寿命はイタリアングレーハウンドで、その最高年齢が15,1歳、犬種別寿命にもかなりの開きもあるようです。 (犬種別寿命 情報出典元 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2016/news_0160531.html)
しかし、世界最高の寿命ランキングを見てみると、寿命の長さは体格とか犬種だけで説明ができないこともわかります。
世界最高齢の犬ランキング
●順位 ●名前 ●犬種 ●寿命 ●国
1 Bella ラブラドール雑種 29年193日 イギリス 2 Bluey オーストラリアン・キャトル・ドッグ 29年160日 オーストラリア 3 Max テリア 28年320日 アメリカ 4 Lady プードル 28年218日 アメリカ 5 Bramble ボーダー・コリー 27年211日 イギリス 6 Minius 雑種 27年160日 ポーランド 7 Adjutant ラブラドール 27年098日 イギリス 8 Butch ビーグル 27年001日 アメリカ 9 Pusuke 雑種 26年248日 日本 10 Smokey シー・ズー 26年158日 アメリカ 参照 WIKEPEDIA
保護犬だった世界最高の寿命のベラ
ベラは、29歳と193日という最高の寿命を終えるまでリチャードソン氏夫妻に飼われていたラブラドール系雑種で、もともとは保護犬でした。
亡くなる数か月前から動けなくなり、散歩もできなくなって、夫妻はベラの為にお墓を準備し安楽死も考えたようですが、それはできなかったとのこと。
そしてベラは夫妻に看取られてその最高の寿命を終えることになりました。
ベラは、夫婦が動物保護団体であるRSPCAから譲り受けた犬であるために、出生を証明する公式な文書はなく、年齢が不明であるため、最高の寿命としてギネス申請しましたが認定されませんでした。
しかし、非公認ながら世界で最高の寿命という記録を保持していたのです。
画像出典元 http://www.dailymail.co.uk/news/article-1053471/The-worlds-oldest-dog-dies-age-203
ギネス公認最高の寿命のブルーイー
ギネスブックが認めた世界最高の寿命の犬は、29歳160日という寿命を持つ、オーストラリアのブルーイーという牧牛犬です。
ブルーイーには出生を証明するものがあり年齢が正確なため、公式の最高の記録を保持しています。
オーストラリアン・キャトル・ドッグという犬種で、平均寿命は12~14歳と言われています。
ブルーイーは1910年に生まれ、最高の犬の寿命を終える1939年までの間、飼い主の元で約20年間現役で牧場の牛追いの作業をしていました。
その犬の寿命は、前述の実質最高であったベラとはほんの一ヶ月ほどしか変わらないものです。
画像出典元 https://www.theodysseyonline.com/15-fun-facts-about-dogs
公認ではないが世界最高の寿命を更新したマギー
やはりギネス非公認で最高の寿命とみられている犬が、2016年4月17日にその最高の寿命を終えました。
オーストラリアで飼われていたオーストラリアン・ケルピーという犬種でマギーという名前の犬です。
その最高の寿命は30歳、人間換算した年齢は160歳以上と言われています。
酪農家であるブライアン・マクラーレン氏の元に子犬の時にやってきたマギーはとても健康で、避妊手術以外に病院にかかることもなかったとのこと。
年齢を証明する書類の紛失で、やはりギネス認定は受けられないマギーですが、ブライアン氏によれば、マギーを迎えた時に4歳だった息子リアム氏の年齢は現在34歳。そのことからマギーが30歳という年齢で寿命を終え、世界最高であるのは間違いないそうです。
マギーは、耳こそ悪かったものの、その年齢でそれ以外に悪いところはなく、最高の寿命を終えるまでご飯も自分で食べ、自分の足で歩いていたということです。
寿命を終える2日ほど前に体調が悪くなって、そのまま静かに息を引き取ったというマギー。
家族に見守られて30歳という年齢で最高の寿命を更新し、きっと幸せな一生だったと思います。
画像出典元 http://www.dagospia.com/rubrica-29/cronache/rip-maggie
犬の寿命の世界最高は今後も更新される可能性がある
犬の寿命は全体的に延びている傾向にあります。
それは、医療が発達したことで、たとえ何か病気があっても治療やコントロールが可能になり、寿命を左右せず生きられるようになったこと、また、飼い主さん側の意識が向上したことによるものも大きいと思います。
フードも充実し、新鮮で良質なものを食べさせることの重要性も浸透してきました。
しかしここに挙げたような最高の寿命はやはり特殊なものであり、たまたまその年齢まで長生きできる健康な個体であったと言えるでしょう。
それに加えて、暮らしていた環境が、それぞれ最高寿命を全うするのにぴったりとマッチするものであったのだろうと思います。
広々とした土地で家族の作業を手伝う日々は、その健康を保つには最適だったのかもしれません。
今もどこかで最高の寿命を更新しつつある犬は存在するのではないでしょうか。
ギネス記録はあくまでも年齢を証明する書類があることが前提ですので、人知れず最高寿命を持って生きている犬もどこかにいるはずです。
まとめ
現在、世界最高の寿命のTop10には、日本の犬プースケもランクインしています。
最高寿命を更新してきたこの犬達に共通するものは、どこの国に関わらず、みんな自然の豊かな場所で常に飼い主さんと共に過ごしているという環境にあるのではないかと思われます。
特別なことをしているわけでもなく、ただ家族に囲まれて愛され可愛がられ、楽しくのびのびと生きられる日常がそこにあったからではないでしょうか。
食事の質や運動に加えて、ストレスを抱えてないかどうかも寿命を左右する大きな要因になると思います。
人間と暮らし、その人間にしっかりと愛され安心して過ごせているかどうかは、犬の寿命を全うする上でとても大きな要素ではないかと感じます。
日本でも20歳くらいの年齢の犬は、珍しいけれどもいなくはないという認識になってきました。
家族として愛情を注ぎ、その寿命が尽きるまで、できるだけ長生きさせてあげたいものです。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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