犬をシャンプーする時、あなたはサロンお任せ派?自宅派?
サロン任せの飼い主さんも多いですが、自宅シャンプーにこだわる飼い主さんも多いですね。
特にアレルギー体質の犬には、シャンプーそのものが治療にもなるので大事です。
質の良い、犬の皮膚に優しいシャンプーを選んであげたいですね。
今回は、アレルギーの犬におすすめのシャンプーをご紹介したいと思います。
人の感覚で犬のシャンプーを考えないこと
犬のシャンプーも人間の感覚でとらえていませんか?
SNSなどを眺めていると、特に室内で一緒にすごす小型犬の飼い主さんにそういう傾向が多いように感じます。
毎日、犬と一緒にお風呂に入る飼い主さんもいるのだそうです。
毎週シャンプーしている飼い主さんなどは少なくないと思います。
勿論、こまめなシャンプーが皮膚の治療のひとつで、獣医師から指示されることもあります。
一日おきの薬浴などが必要なこともあります。
私の愛犬も、過去に皮膚病になって、薬浴した時期がありました。
でも健康な犬にそれは必要ではありません。
犬の全身には、人のように汗を出す汗腺(エクリン腺)はありません。
全身で汗をかくことができないので、汗でびっしょりと汚れることはないのです。
代わりに犬の全身には、フェロモンの役割をする脂性の汗を分泌するアポクリン腺という汗腺があります。
ちょうど人間の腋の下にあるような腺です。
犬は全身が汗まみれになって汗臭くはならないのです。
体臭は皮脂の分泌によるものです。
もちろん被毛は汚れるし、思いきり外遊びをした時などはひどく汚れますよね。
猫は毛繕いをして自分で全身を綺麗にできますが、犬はそのような習性はないので、犬の定期的なシャンプーの目的は次の3つです。
- 衛生を保つ
- 皮膚の状態を観察し異常を発見する
- 寄生虫などを予防する
重要なのはシャンプーの頻度です。
正常な犬の皮膚は、皮脂が全身を覆ってバリア機能を保っています。
このバリア機能は、皮膚に雑菌が入り込むことや、花粉・ほこりなどの異物が付着するのを防止しています。
ではバリア機能が壊れてしまうとどうなるでしょう?
外の刺激から皮膚を守ることができなくなるので、アレルギー症状や皮膚炎を起こす原因になるのです。
つまり、過剰なシャンプーはこの大切な皮脂を頻繁に剥がしてしまい、新たな皮脂が皮膚を覆うことが間に合わないのでバリア機能は壊れてしまいます。
これはすごく大切なことですよ!
また、シャンプーは犬の体力も消耗させます。
もちろん気持ちよく過ごせる子もいるでしょうが、中には強いストレスと感じる子もいます。
このような負担を考えると、シャンプーの頻度は1ヶ月に1~2回程度がおすすめなのです。
でも、犬臭くなるから・・と体臭が気になる飼い主さんもいるでしょう。
しょっちゅう犬をシャンプーしていた知人にこの話をして、そう返事が返ってきたことがありました。
そもそも犬のシャンプーは、一緒に暮らす人間側の都合ということを忘れてはいけません。
気になるかもしれませんが、シャンプーは大切な犬の皮脂を奪い取らない頻度にして、後はシャンプータオルや丁寧なブラッシングで対応してあげて下さいね。
犬にシャンプーをする時の注意点
初めてのシャンプーは、
- 生後3ヶ月が過ぎた
- ワクチンプログラムが3回終了して2週間を経過
くらいがおすすめ時期とされます。
あくまでも目安ですので、個別には獣医師の指示に従って下さいね。
幼犬は体力も弱く、皮膚も抵抗力が低く弱いです。
汚れていたから良かれと思ってシャンプーしたら、急に弱って亡くなってしまったという悲しい話も聞きます。
幼犬は汚れるものと割り切って、無理にシャンプーせずに部分浴や温かいタオルで拭いてあげるとよいと思います。
犬の皮膚は人間の皮膚の20%~30%くらいの厚みしかないので、刺激には弱いです。
シャンプーをする時は、ごしごしと力いっぱい洗わないようにしましょう。
そして、人用シャンプーは人間の為に作られています。
人の皮膚は弱酸性ですが、犬の皮膚は中性~弱アルカリ性で、元々、肌のPH(ペーハー)が違うのです。
ですのでどんなに人に優しいシャンプーでも、犬の皮膚にはおすすめできません。
犬用に作られたシャンプーを選んであげて下さい。
【犬の上手なシャンプーのポイント】
- シャンプー前には丁寧にブラッシングして、被毛の流れを整えておく。
- お湯は人間がぬるいと感じる35℃~38℃、決して熱くしない。
- シャンプー前にしっかり体を濡らす。シャンプー剤は直接体に垂らさない。
- シャンプーはお尻の方から始めて顔を最後にする。優しくマッサージするように揉みこんで、流す時は顏から逆の順番に流していく。(顔にシャンプーがつくのを嫌がる犬が多いので洗えなければ無理をせずに拭く)
- シャワーの音ができるだけしないよう、シャワーヘッドは高いところからかざさない。皮膚に沿わせるように静かに流し、目や耳に、水やシャンプーが飛んだり入らないようにする。
- 包み込んで押さえるようにタオルドライをし、その後に被毛を立てながら根元や指の間などをしっかりドライヤーで乾かす。
- ドライヤーは熱風が皮膚に当たらないように調節する。弱風か、室温によっては冷風が安全。
シャンプー選びはアレルギーのタイプで全く違う
同じアレルギー体質と言っても、全くタイプの異なるものがあるので要注意です。
それを間違うと、せっかく選んだシャンプーが逆効果になります。
アレルギー体質の皮膚は、酸性に傾くものとアルカリ性に傾くものがあります。
【酸性肌】
皮脂が過剰に分泌して、酸化した脂肪分のせいでアレルギー性皮膚炎を起こすことがあります。
被毛や皮膚はベタベタしています。
好発部位は、首の下・腋・下腹部・腿の内側・尻尾の付け根など。
このタイプは体質改善とともに、汚れた皮脂を落すシャンプーが必要になります。
【アルカリ性肌】
アルカリ性肌は皮脂の不足によるもので、シャンプーしすぎが原因になるのはこちらです。
皮脂が不足し、皮膚のバリア機能が低下しています。
皮膚はカサカサに乾燥していて、本来なら皮脂がブロックしてくれるはずのアレルゲンが簡単に皮膚に侵入します。
そのせいでアレルギー性皮膚炎を起こします。
好発部位は、口や目の周り・肛門周囲・背中などです。
バリア機能を改善する必要があります。
このように、全く逆の原因でそれぞれのアレルギー性皮膚炎を起こすので、シャンプーはその原因を調べてから選ぶのがおすすめです。
バリア機能が落ちている皮膚に、油分を落してしまうタイプのシャンプーを使ってしまうとアレルギーは悪化します。
反対に、低刺激シャンプーは皮膚に良いと思って、抗菌力や洗浄力の弱いものを選ぶと、過剰な皮脂を落とす必要のある酸性肌の皮膚炎には効果が薄く、悪化させてしまいます。
同じアレルギー性皮膚炎と言っても、それぞれの目的別でおすすめが違うのです。
《ペルシーアクアバリアスプレー》
獣医師と薬剤師が共同開発したバリア機能サポートが期待できるスプレー
ペルシーアクアバリアスプレー(PealthyAquaBarrierSpray)
犬におすすめな良質シャンプー
シャンプーの主成分を確認する時には、表示ラベルを見ますよね。
人間が使うものは薬事法で守られている為、成分が表記されています。
でも犬用は、なんと、特に規制はありません。
その販売元が任意で表記しているのが現状です。
このあたりはドッグフードと同様で、大事な愛犬のものなのにいいかげんで悲しいです。
それでもできる限り安全なシャンプーを選んであげたいです。
アレルギー体質で皮膚の弱い犬におすすめの良質で評判の良いシャンプーを挙げてみますね。
♥ビルバック(Virbac ) アデルミル ペプチド
皮膚のトラブルで動物病院にかかった時に、獣医師からおすすめされることも多い低アレルギーシャンプーです。
~特徴~
- 石鹸成分を含まない
- セラミドや必須脂肪酸を配合、バリア機能を回復させる
- 無香料で泡立ちが少ない
アトピー体質の犬などに安心しておすすめできます。
本当に香りがないので、人には物足りなさがあるかもしれません。
でも嗅覚の敏感な犬はシャンプーの香料を嫌うこともあり、その意味でも刺激を最小限にできるのはおすすめです。
うちも自宅シャンプーの時には愛用します。
使用後の乾燥もなくてとてもしっとりします。
♥【A.P.D.C(APDC)】ティートリーシャンプー
ティーツリーは古くから抗菌剤として皮膚の治療などに役立てられてきた植物で、1999年にオーストラリアで作られたおすすめシャンプーです。
~特徴~
- オーガニックティーツリーが主成分の植物由来シャンプー
- ナチュラルなハーブの香り
- 安心・安全なケアアイテムにこだわったA.P.D.Cブランド
使用感がよく使いやすいと人気のシャンプーで価格もお手頃でおすすめです。
【A.P.D.C(APDC)】ティーツリーシャンプー&コンディショナーセット
♥ラファンシーズ スーパーナチュラルシャンプー&リンス
サロンでもおなじみ、綺麗な毛艶とスタイルを整えることで定評がある、プロにも愛される老舗ブランドのおすすめシャンプーです。
~特徴~
- アレルギー・敏感肌用に作られている
- 低刺激で無香料
- 子犬のシャンプーに使用可
希釈して使用できるシャンプーで、皮脂を取り過ぎずマイルドな使用感が人気です。
♥ノルバサンシャンプー
ノルバサンシャンプーは1973年よりアメリカで使われている、歴史と信頼のあるおすすめシャンプーです。
~特徴~
- 薬用シャンプー
- クロルヘキシジン酢酸塩という薬剤が主成分
- 膿皮症やマラセチアなどの皮膚疾患の改善や予防に有効
低刺激ですが、カサカサになるアレルギータイプには乾燥を促すことがあるのでおすすめではありません。
またクロルヘキシジンは人間の皮膚の消毒薬にありますが、まれに過敏症がみられることもあります。
♥アースリーフ(EARTH LEAF) スキンケアシャンプー
飲用できるスキンケアウォーター「アースリーフ」を使用したシャンプーです。
~特徴~
- 化学薬品を含まない
- アミノ酸、ビタミン、ミネラルが豊富
- 皮膚トラブルがある時にも使える
- 泡立ち、泡切れがよい
乾燥肌、敏感肌におすすめの低刺激で皮膚に負担をかけにくく、保湿にすぐれているシャンプーです。
♥モンシュシュ 入浴剤
こちらは、シャンプーというより入浴剤です。
ちょうど人間の新生児を沐浴させるような感覚で使用できます。
~特徴~
- 入浴剤としてお風呂に溶かして使う
- 浸かるだけで汚れを浮かす
- 洗ったり泡を落す必要がない
浸かるだけで潤いはそのままに皮膚と被毛を清潔にでき、手軽に使えます。
アレルギーで皮膚が弱い犬でも溶かしたお湯に浸けるだけなので、皮膚を刺激せずにすみます。
まとめ
アレルギーには、「皮脂が不足でバリア機能が落ちている」「皮脂が過剰で炎症を起こしている」など異なるタイプがあります。
それを間違うと、アレルギー用を選択したつもりでも逆効果になるので注意が必要ですよ。
薬用シャンプーは万能と勘違いしがちですが、かえって刺激になることもあるのです。
皮膚に異常がある時は、まず診察を受けて原因を明らかにして下さいね。
安価なシャンプーはたくさんありますが、できるだけ評価の高い質の良いものを選んであげて下さい。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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