『犬の十戒』~犬との約束~にGo!
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子犬の首をつかむ方法 そのしつけは本当に大丈夫?

♦子犬のしつけ
この記事は約5分で読めます。

首をつかむようにして子犬を持ち上げる人、時々いますが見ていて不安になります。

あの持ち上げ方は苦しそうですが大丈夫なのでしょうか?

それがしつけになるという意見も聞きますが本当でしょうか?

子犬の首をつかむ持ち方は正しいのか、どんな効果があるのかを調べてみました。

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母犬が子犬の首をくわえる行動

母犬には、確かに子犬の首をくわえる行動が見られます。

これは犬に限らずで、哺乳類全般に見られる行動のようです。

人間は手が使えるので、自分の赤ちゃんを抱いて運びますよね。

でも4本足の動物は手を使って運ぶことができません。

だから母犬も、子犬を運ぶ時に首の後ろをくわえて運ぶのです。

 

では、母犬が子犬の首をくわえると子犬はどのような反応をするでしょうか?

首の後ろを母親にくわえられると、子犬は暴れることも痛がることもなくおとなしくなります。

この反応は、母親に身を委ねてリラックスできていることを表します。

くわえられた時の反応にはちゃんと名称があり、「輸送反応」と呼ばれます。

人間の赤ちゃんも、お母さんに抱っこされると大人しくなることが多いですよね。

お母さんが抱っこしてゆっくりと歩けば、抱かれている安心感とちょうどよい揺れ方が赤ちゃんを落ち着かせるからです。

子犬も首の後ろを母親にくわえられると、母親に抱かれているのと同じ状態になりおとなしくなるのです。

 

さらに首をくわえるという行動は、大抵その場所から移動する時に見られるものです。

それは敵から逃げて安全な場所に行くという緊急時の行動であることが多いです。

子犬が抵抗なく身を委ねて丸くなるこの反応は、母親にとっては運びやすい状態であり、結果的に母犬に協力をしていることになります。

母犬がスムーズに安全な場所まで移動できることで、子犬も敵から逃れられる可能性がぐんと上がるわけですね。

結果として、それは種が生き延びることに繋がる、本能的な反応と言えます。

 

  • 母犬が子犬の首の後ろをくわえるのは輸送行動と呼ばれ、主に緊急時に敵から避難する時
  • 子犬は母犬に首をくわえられるとおとなしくなり母親の輸送行動に協力する

人間が子犬の首をつかむのは母犬とは違う

人間が子犬の首をつかむと、母犬と同じ行動になるのでしょうか?

首をつかむようにして子犬を持ち上げ叱るのは、ひとつのしつけ方法と言う人もいます。

首をつかむと首がぐっと絞まり苦しい状態になりますが、それを罰とする理屈のようです。

幼い子犬はまだ体が柔らかく、その時期は首の皮をつかむことに痛みもあまり感じないと言われるので、人間が首をつかんで持ち上げることも可能だそうです。

でも、少し成長して体重も増えてくると、首をつかんで持ち上げると重さが首だけにかかり負担になります。

その苦しさをもって罰とし、しつけとする考え方はどうなのでしょうか?

母犬が子犬を安全な場所に移動するのに首をくわえることと、人間が罰として首をつかむのは全く別物ではないでしょうか。

 

首をつかむ方法は母犬と同じ行動なので効果があるものと、信じている飼い主さんは一定数いるように感じました。

犬に苦しい思いをさせ罰を与えるしつけ方法は体罰です。

首をつかむと子犬をおとなしくさせられると信じている飼い主さんは、首を絞めているというような自覚はないかもしれませんが、この理屈は体罰です。

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犬のしつけに体罰を使うのは間違っている

子犬にしつけをする目的を整理しましょう。

しつけとは、人との暮らしの中で守らなければならないマナーやルールを教えることです。

しつけが必要な理由は、人と共存していくためにお互いのストレスを最小限にするためです。

子犬には、問題行動というものはないのです。

子犬の行動はすべて本能に基づいた当然の行動であり、問題としているのは人間側の都合です。

それでも、一緒に気持ちよく暮らしていく為には、人が望ましいとする行動を取れるようになってもらう必要があるのです。

犬には、人の都合やしつけの意味をわからせることはできません。

でも、行動を習慣化させることで、しつけに沿った行動ができるようになるし、それを教えていくのが人間の義務です。

行動のパターンを人間にとって好ましい(都合よい)ものに習慣化させ、変えていく為には、教える側にも根気が必要です。

それを体罰で強要するのはナンセンスです。

 

過去に体罰的なしつけが主流だった時代があり、体罰が正しいとされていた歴史もあります。

でも現在は、体罰は飼い主さんとの信頼関係を壊すというデメリットの方がはるかに大きいことがわかってきて、しつけの形は変化しています。

叩く・蹴る・無理やり押さえつける・鼻を床にこすりつける、そのように、犬に苦痛を与える行為の強要は体罰です。

首をつかみ苦痛を与えるのも同じ意味ではないでしょうか。

首をつかむことやマズルをつかんで首を揺する(マズルコントロール)は、母犬が子犬にやっているのと同じと解釈されることも多いということで認められてきました。

でも、前述したように、犬は手を使えないことを前提に、母犬は口を使っているのです。

そして首をくわえるのは、緊急時に子犬を守る為の移動手段です。

子犬に苦しい思いをさせて罰を与えるという人間の行為とは、全く意味が異なるもののはずです。

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まとめ

母犬が子犬の首をくわえるのは罰ではありません。

くわえられておとなしく身を任せる輸送反応も、信頼があるがゆえのことで、親子関係の愛着行動の表れとも言われています。

行為だけを単純に真似して、人間が首をつかみ苦痛を与えることをしつけにするのは全く意味が違います。

首は急所でもあって危険ですので、そのような乱暴な持ち上げ方はしないで、人間は手が使えるわけですから、お尻から支えて安全な抱き方をしてあげて下さい。

しつけ方法について様々な意見があるものの、最低でも体罰になるものは使うべきではないと思います。

飼い主さんがしつけについて勉強することは飼い主としての義務です。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

 

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