ミニチュアダックスフンドは常にランキング上位にいる人気犬種です。
胴長で足が短いスタイルが可愛く、私の身近にも多いのですが、結構ご長寿な印象です。
そこでミニチュアダックスフンドの寿命やかかりやすい病気など調べてみました。
皆さんと情報共有したいと思います!
ミニチュアダックスフンドはドイツ原産の狩猟犬だった
ダックスフンドは、ドイツ原産で、狩猟犬として活躍していた犬種です。
農家で飼われ、農作物を荒らすアナグマのいる穴に潜り込み、大声で吠えてアナグマを追い出して狩るという狩猟がダックスフンドの仕事でした。
胴長短足のその体型は、穴に入り込むのに適した体型に改良されたものです。
その後、スタンダードダックスフンドには入れない、もっと小さなネズミやテンなどの穴に潜ることができるように、ミニチュアダックスフンドやカニヘンダックスフンドという、小さな体型のダックスフンドが誕生しました。
3つの種類のダックスフンド達は、それぞれ大きさの規定で区別されています。
*ミニチュアダックスフンドの規定(JKC=ジャパンケネルクラブ)
生後15ヶ月で体重5.0kg以下、胸囲35㎝が理想サイズ
被毛の種類による分類もあります。
- 短い毛:スムース
- フサフサ:ロング
- カールした毛:ワイヤー
ミニチュアダックスフンドは性格が明るく友好的であることが多いようです。
元々は狩猟犬というだけあって、好奇心旺盛・勇敢・活発・探求心や状況判断能力が優れていると言われています。
声も太くよく吠えるとも言われますが、そこは個体差があります。
ミニチュアダックスフンドは寿命が長い犬種
犬種別の寿命によれば、小型犬から大型犬までの全犬種の中でミニチュアダックスフンドの寿命は第2位となっています。
2016年のデータになりますが、ミニチュアダックスフンドの寿命は14.7歳でした。
(出典元 https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2016/news_0160531.html)
犬の寿命は一般的に、大型犬より小型犬の方が長いと言われます。
そして、超小型犬よりも体重5~10kgレベルの、ちょうどミニチュアダックスフンドくらいの小型犬がもっとも寿命が長いようです。
それぞれの犬種の最高齢を見ると、ミニチュアダックスフンドには、21歳という長寿の犬もいるようです。(出典元 https://www.benly.jp/jyumyou.html)
ミニチュアダックスフンドの平均寿命はだいたい14歳~17歳くらいと考えられています。
こうやってみると、とても長寿という印象がありますが、小型犬としては平均的とも言えるかもしれませんね。
ミニチュアダックスフンドには遺伝病も多い
ミニチュアダックスフンドにはかかりやすい病気があり、深刻な遺伝病のある犬種です。
進行性網膜委縮(PRA)
進行性網膜委縮は、網膜の細胞が少しずつ委縮していくので、暗がりで目が見えにくいなどの初期症状から始まる病気です。
飼い主を認識できなくなるために反応が乏しくなり、やがて失明に至る進行性の遺伝病の一つです。
2020年の時点で、この病気に対する治療法はまだ確立されていません。
進行のスピードには個体差もあるので、若くしてすでに失明してしまうこともあるようです。
しかし高齢になると加齢による白内障が先に出てくることもあるので、この病気との鑑別がしにくくなります。
この病気を発症する遺伝子はわかっているようなので、繁殖者が正しい知識を持ち正しいブリーディングをすれば遺伝を防ぐことはできるはずです。
角膜異栄養症(角膜ジストロフィー)
角膜の表面が白く濁って視力が衰えていき、いずれは失明に至る進行性の遺伝病です。
この病気はゆっくり進行することもあるようですが、ミニチュアダックスフンドが発症した場合は急速に進行することが多いようです。
2020年の時点で、この病気の治療法は確立されていません。
フォン・ヴィレブランド病
フォンヴィレブランド因子という、止血に関わるタンパク質の一種が不足する病気です。
何かの原因で出血してしまうと、本来なら止血の働きをするはずの血小板が正常に機能できず、出血を止めることができません。
その為、失血によって命に関わる可能性もある遺伝病です。
出血は、怪我だけでなく内臓などで起こることもあって気づきにくく、分かった時には重篤な状態に陥っている危険もあります。
骨形成不全症
生まれつき骨組織を構成するコラーゲン(コラーゲン結合タンパク)に異常があり、骨密度が低く簡単に骨折してしまう遺伝病です。
身体中のあちこちの骨が骨折する多発性骨折を起こしやすく、治りも悪く、骨折後は変形を起こしたりもします。
椎間板ヘルニア
ミニチュアダックスフンドは、ハンセンⅠ型椎間板ヘルニアを発症するハイリスク犬種の軟骨異栄養性犬種に分類されます。
ハンセンⅠ型は若年齢で急性に発症するヘルニアで、老化によって慢性的に進行するⅡ型とは区別されます。
ミニチュアダックスフンドのヘルニアは胸腰椎に好発します。
ヘルニアを発症すると強い痛みがあるのに加えて、重症になれば麻痺などが現れ、自分で排泄できなくなるなどの症状もあります。
再発しやすく、状態によっては外科手術の適応になります。
遺伝病はなぜ多く存在するのか
ミニチュアダックスは、珍しい毛色がブームになって、さかんに高値取引された犬種です。
ミニチュアダックスフンドには、カラーの組み合わせと遺伝病に深い関係があります。
ダップルと呼ばれる、本来はミニチュアダックスにはないはずの白が混じった珍しいカラーは、その色素の関係で遺伝的な病気を発症しやすいことがわかっています。
それでも需要が多く高く売れるという理由で、ミスカラーはレアカラーと呼ばれ、繁殖業者に乱繁殖され量産されました。
そのためにミニチュアダックスフンドには、先天的な病気の遺伝子を引き継いでしまった個体も多く存在している現実があります。
日本は、世界中で突出して犬の遺伝子疾患が多いと言われているそうです。
遺伝子検査が可能な病気も多数あるし、本来のブリーディングはその犬が幸せに生きていけることを考え、遺伝子病のリスクを取り除いて健康で正しい形に犬種を保存していくものであるはずです。
正しい知識を持たない素人や悪徳な繁殖者、珍しさを競って求める人間の価値観の犠牲は犬達であり、ブームによって需要が高まったミニチュアダックスフンドもその犬種の1つと言えるでしょう。
ミニチュアダックスフンドの健康を守るために
ミニチュアダックスフンドの寿命を延ばすには、日々を健康に過ごさせることの積み重ねです。
ミニチュアダックスフンドと椎間板ヘルニアという病気の関係は有名で、発症のきっかけを作らない環境の工夫が必要です。
ヘルニアを発症して行動に制限が出ると、日々の運動もままならなくなります。
また、痛みや麻痺が出現して歩行できなくなれば、犬のストレスも大きくなり、生活の質の低下を招いてしまいます。
そのようなことは犬の寿命を縮める原因になってしまうかもしれません。
- 高い場所にジャンプさせない
- 段差の無理な昇り降りはさせない
生活環境の中での動作に気を配り、緩やかなステップ台やスロープを設置して病気を予防することは大事です。
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また、足腰に負担をかけないようにするために、床には滑りにくい工夫をしましょう。
手軽に塗れる滑り止めのワックスなども売っていますし、タイルカーペットを敷くことで衝撃を和らげることもできます。
タイルカーペットはうちも活用していますが、汚れた部分だけをはずして洗えるので掃除をする時も便利ですよ。
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犬を抱く時も、縦に抱くと腰に負担がかかりますので抱き方には注意しましょう。
後ろ足で立つ姿勢も、脊椎へ負担がかかりますのでやめさせてあげて下さい。
かかりやすい病気は他にもあります。
ミニチュアダックスフンドの垂れ耳は、耳の中の湿度が上がりやすく、菌やカビが繁殖して外耳炎を起こしやすい構造ですので、耳のケアは欠かせません。
身体にブラッシングをする時は耳の清潔も習慣づけ、異常を早期発見しましょう。
もし治療法のない病気を発症したとしても、対症的な治療はできます。
生活の質を落とさないよう環境を整えてあげれば、犬の寿命を延ばすこともできるはずと思います。
まとめ
ミニチュアダックスフンドの寿命は比較的長い方です。
犬種が発症しやすい病気を知り、そのリスクを避ける環境などを配慮することが、犬の寿命を延ばすことにも繋がります。
ミニチュアダックスフンドのような人気犬種は、需要が多いと同時に、飼育放棄され愛護センターに収容されていることの多い犬種です。
犬は流行で買い替える品物と違います。
迎え入れた犬に終生責任を持ち、病気になってもその犬が寿命を全うするまで一緒にいてあげて下さい。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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