雑種は長生き?犬の寿命は雑種の方が長いと言われる理由

犬は雑種の方が丈夫で長生きだとよく言われていますが、実際はどうなのでしょう?

雑種が健康で、犬の寿命も長いという根拠などはあるのでしょうか?

今回は、長生きと言われる雑種犬の寿命について、また、「ミックス」と表現される犬と雑種との違いは何かということについて、解説したいと思います。

結論から言うと雑種とミックスは同じ

犬の種類を表す時、雑種の反対語は「純血種」になります。

純血種とは、その犬種に近い種類の犬をかけ合わせながら、長い年月をかけて、別な一つの犬種として確立させたものです。

純血種として公認されている犬は、国際畜犬連盟(FCI)という団体の2013年のデータでは343種類もあるそうです。

しかし、国際的には公認されていたとしても、日本のジャパンケンネルクラブ(JKC)での基準になるとぐんと減り、登録数は194種類

さらに、非公認の純血種という犬までいるそうですので、純血種の犬種とはいったい何なのか?と、基準がよくわからない感じになってしまっています。

そもそも、純血種も、最初は違う種類をかけ合わせて作り出し、生まれた犬種を確立させることによって一つの犬種を作り出しているので、その始まりはみんな雑種なのです。

では、雑種とは何かというと、雑種とは2種以上の違う血統が入った犬のことです。

最近は、「ミックス」と呼ばれて別枠扱いされている犬も多くなりましたが、分類によればあくまでもミックスも雑種に入ります。

「○○のミックス」という名前で値段が付けられているような場合、その両親がそれぞれ純血種であり、人間による意図的な交配である、というような条件があるそうですが、それは公認の基準というわけではないのです。

ただ、そのようにして意図的に作られたミックスは、どの犬種の雑種かということは明確なので、親の血統がわからない一般的な雑種とは区別されることがあります。

このようなミックスは、ハーフ犬、デザインドッグ、ハイブリッド犬というように、(人間が勝手に付けた)いろいろな呼び方があります。

そして、「純血種よりも成長の過程が想像しにくいので上級者向けの犬種」という付加価値(?)までこじつけて、高値で販売されていたりします。

私もそれを目にしたことがあるので驚きました。

このような形で販売されるミックスは、純血種よりも高級な扱いをされて高額であることが少なくありません。

このようなミックスが最近は流行り(?)でもあります。

雑種の寿命と雑種が長生きと言われる理由

何故、雑種の犬は長生きであると言われるのでしょうか?

雑種の方が長生きと言われることには、実は確かに根拠があり、それは次の通りです。

  1. 本来、自然界においては、弱い遺伝子は淘汰され強い遺伝子が生き残ることができる。雑種は強い遺伝子だけを引き継いだ子孫である。
  2. 純血種は原産国があり、その環境に合わせて作られた犬種なので、違う環境には弱い。雑種は環境に適応できるように変化しながら生き残ってきたので、環境に対して柔軟性がある
  3. 純血種は限られた頭数の中で犬種の理想的な姿を固定させるために、血統の近い犬の交配になりやすく、遺伝性の病気などのリスクも高い。このような近親交配は問題視されている

このような理由から、雑種の犬が長生きと言われるようになったのだと思われます。

しかし、それと雑種犬の寿命はやはり別の問題で、雑種が特に長生きということではありません。

雑種犬の寿命は、中型犬であれば10~14歳くらいと言われ、その犬の体格などから判断した平均寿命と考えて良さそうです。

雑種は上記のような理由で、健康体を保ちやすく飼育がしやすいというようなことから、何となく長生きであるというイメージがあるのではないでしょうか。

体格による寿命では、大型犬より小型犬の方が犬の寿命としては長いと一般的には言われます。

それには、内臓の大きさと体格の比が関わっていて、例えば、大型犬は体の大きさに対して心臓が小さく、それだけ心臓にかかる負担が大きくなり、寿命に影響するなどが考えられるのです。

しかし小型犬の場合でも、より小さい体格を不自然に作り出すことによって、病気を抱える犬も多くいて、そのような場合は寿命も短くなります。

雑種の中でも、前述した純血種同士からのミックスの場合などは、純血種である親の犬種のかかりやすい病気などもあるので、それもミックス犬の寿命には影響するでしょう。

こうなると、それぞれにリスクはあるので、一概に雑種が長生きとも言えないのではないかと思います。

雑種犬が優れているところ

雑種犬でも、親が純血種で犬種が明確な場合は、成長した時のおおよその姿がイメージできるのではないかと思いますが、そうでない場合は、はたしてどのような犬に育つのかがわからない、という楽しみもあります。

ただ、大きさも想像がつきにくいため、マンションなど、飼える犬の大きさを制限されている場合など、条件によっては厳しいかもしれず、それは雑種の短所でもあるかもしれません。

実際に、環境や目的に合わせて飼う犬を選ぶ必要があるのなら、成長後の姿がイメージしやすい純血種の方が無難ということも確かです。

しかし、強い遺伝子を引き継いだ雑種は、抵抗力も強くて健康体であることが多く、犬種が持つ遺伝病などの心配もなく、また犬種ごとの独特の性質の偏りなどもないので、比較的育てやすいことが多いのです。

その育てやすさや強さから、寿命を全うできる個体が多く、結果として長生きすることになるのかもしれません。

動植物の生命力については、雑種強勢という言葉があり、異なる2品種以上の組み合わせで生まれた雑種は、それぞれの遺伝子の欠陥を他方からカバーされるために遺伝的に強くなり、繁殖力、抵抗性なども優れているという原理のことを指します。

そういう意味でも、雑種の犬の生命力は強いと思われ、実際の寿命というよりも、雑種の生命力の強さのイメージから長生きであると言われているのでしょう。

雑種の犬とは、自然界の中で、淘汰されることなく生き残った強い遺伝子を引き継ぎながら生まれてきた犬と言えるようで、その強さから、長生きというイメージに繋がっていると考えられます。

様々な血統が混じっているという点では、特定の犬種にあるとされるような病気の発生が少なく、環境への順応性も高いので、比較的、健康管理がしやすくて育てやすく、寿命を全うするという意味で長生きと言えそうです。

しかし、ミックス犬においては、分類は雑種ということであっても、繁殖に人間が介入し、単に流行やお金になるからという理由で、珍しい形の犬を作り出すことだけを目的としたような、いいかげんな繁殖も存在しています。

悪質な繁殖者によって、遺伝的なことも考慮されずに無理に作りだされた犬は、必ずしも健康とは言えないということを飼育者は知っておくべきだと思います。

純血種を親に持ち、人間が繁殖させたミックスの場合は、やはり親の持つリスクを引き継ぐことが少なくないです。

しかも、遺伝子など考慮することもなくあり得ないような組み合わせで繁殖させていることもあり、健康上のリスクが高まることもあるのです。

こちらは純血種と同様の問題を持つと考えていた方がよいかもしれません。

 

まとめ

雑種であっても純血種であっても、犬の寿命を左右するのは、やはりその環境によるところが大きいのは同じです。

適切な食事、その犬に合った運動、そしてその飼い主さんが犬の健康にいかに関心を持っているかということが、全て、その犬が長生きできる要素です。

そこに純血種か雑種かという違いはなく、そもそも犬は自分が純血種か雑種かなど自覚しているわけでなくてそれにこだわるのは人間だけです。

どの種類の犬であっても、飼い主さんからたっぷりと愛情を注がれ、適正な飼育環境を与えられることが、その犬の寿命を全うさせ、長生きさせることに繋がると思います。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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