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ノミ対策は大丈夫?犬が尻尾の付け根を噛む・舐める 

♦寄生虫/感染症
この記事は約9分で読めます。

犬の尻尾の付け根はノミの寄生の好発部位です。

犬が尻尾の付け根を舐める、噛むという動作をしつこくしている時は、ノミが寄生している可能性があります。

日常的に避けられない、どこにでもいるノミですが、寄生と繁殖を防ぐ為には定期的な予防が必要です。

今回は、ノミとノミアレルギーを正しく理解するための情報をお伝えしたいと思います。

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ノミは犬の外部寄生虫のひとつ

犬の寄生虫は本当にたくさんあります。

その種類は、内部寄生虫と外部寄生虫の2種類に分けられます。

《犬の内部寄生虫》

腸内など、体内に寄生する

回虫・鉤虫・鞭虫・条虫・フィラリアなど

 

《外部寄生虫》

体の表面に寄生し、主に皮膚のトラブルの原因になる

ノミ・マダニ・アカラス・疥癬(かいせん)など

外部寄生虫は、犬の皮膚の表面や皮下に寄生して、被毛や皮膚やフケなどを餌にします。

これらが犬に寄生すると激しい痒みや不快感を起こし、しきりに皮膚を舐める、噛むなどの動作が見られるようになります。

 

ノミは昆虫の仲間で、それ以外の寄生虫は全てダニの仲間です。

ノミは人間にも寄生します。

私が過去に病院で対応した救急患者さんで家で寝たきりだった方なのですが、体にノミが寄生していて大変驚いたことがあります。

動物を飼っていたのかもしれません。

その方は自分では動けないのにどんなに痒かったでしょう。

 

ノミには「イヌノミ」「ネコノミ」などの種類がいます。

当然、犬にはイヌノミ?という感じがしますが、日本ではイヌノミは現在かなり減っています。

なので紛らわしいのですが、日本で犬に寄生するノミの種類はほとんどネコノミと考えられています。

もちろん、イヌノミの方が多く生息している国や地域もあるようです。

 

春から夏にかけて暖かくなると、寄生虫の活動も活発になります。

ノミなどの外部寄生虫が原因の犬の皮膚トラブルは増えていきます。

 

そして寄生虫はただ皮膚表面にトラブルを起こすだけではありません。

それぞれの寄生虫が媒介する病気があり、これも怖いのです。

代表的なものは

  • ノミ⇒消化管内寄生虫の瓜実条虫
  • マダニ⇒原虫バベシア

ですが、他にも多数あります。

このような病気にかからないためにも、寄生虫を予防するのが本当に大事なのです。

 

マダニは体毛のない部分を好み、まぶたの縁や耳の裏側への寄生が多く見られます。

また、疥癬腹部や胸部、肢などに多く寄生します。

そしてノミ腰から尻尾の付け根などを好んで寄生します。

 

 

尻尾の付け根をしきりに噛む、舐めるという動作がある犬の尻尾の付け根をよく観察してみて下さい。

もし被毛の中に黒いごま状のものがあれば、それはノミの糞(ふん)である可能性が高く、つまりそこにノミが寄生しているということになります。

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ノミに刺されて発症するノミアレルギー性皮膚炎

ノミが起こす痒みは、ただ刺された痒みだけではありません。

ノミに刺されたことで、皮膚がノミアレルギー性皮膚炎(ノミ刺咬性過敏性皮膚炎)という皮膚炎を起こすから厄介なのです。

この皮膚炎によって痒みが持続し、尻尾の付け根を噛む、舐める動作を加速させてしまいます。

 

ノミは、口に2本の管を持っていて、血を吸うのに使用するのは1本だけです。

もう1本の管からは、吸血と同時に、血が固まらないように自分の唾液を流し込んでいます。

ノミの唾液中に含まれるタンパク質は、犬のアレルギーを引き起こす原因物質になります。

この唾液に対してアレルギー性皮膚炎が発症します。

 

《ノミアレルギー性皮膚炎の症状》

  • ノミの寄生部位の腰や尻尾の付け根の皮膚が赤く腫れる
  • 皮膚が熱を持つ
  • 湿疹が出てひどくなるとただれる
  • 尻尾の付け根をしきりに舐める・噛む
  • (激しい痒みで)体を地面にこすりつける
 

皮膚を掻いたり刺激することで状態が悪化します。

そこに細菌による二次感染が起こると、さらに悪化します。

尻尾の付け根の毛が抜け、かさぶたなどができたりします。

ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミの唾液に対する身体のアレルギー反応ですので、局所だけにとどまらず、ひどい場合は全身にも広がります。

 

その苦痛は犬の精神にも影響します。

眠れないほどの痒みを想像してみて下さい。

本当に耐えがたいと思います。

犬も不眠になり、苛立ちが激しくなって来るのは当然かと思います。

ノミを薬で駆除したとしても、ノミアレルギー性皮膚炎を起こしているとすぐにはよくなりません。

ノミアレルギー性皮膚炎は、ノミ駆除後も改善までに1ヶ月くらいかかります。

尻尾の付け根を舐める、噛むという皮膚への刺激で、さらに治りにくくなってしまいます。

もともと、アトピーなどの慢性疾患を持っていると、ノミによる皮膚病が合併すれば重症化もしやすくなります。

 

アレルギー反応の強さは個体差がありますが、激しく出てしまえば、まれにショック死することもあるようです。

腰から尻尾の付け根にかけて、湿疹や脱毛、しつこく舐める、噛むなど、痒がっている様子があれば、ノミの寄生で皮膚炎を起こしているかもしれないと考えてみて下さい。

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ノミ寄生の発見方法と対策

ノミは、寄生されている動物と接触することで感染します。

 

ペットホテルなどでは、預ける時に、寄生虫駆除・予防をしていることが条件になっているはずです。

駆除や予防をしていない状況下では、うつし合ってしまうからです。

常識的な営業をしているところであれば、感染を避けるためにこのようなチェックをしていると思います。

万が一、衛生状態の悪いところに預けてしまって、そこで一緒になった動物にノミが寄生していた場合、感染してしまうでしょう。

 

散歩の時にも、藪の中や草むらの中に入るとノミが体についてしまう可能性があります。

犬がしきりに痒がっていたら、毛をかき分けて皮膚を確認してみて下さい。

ノミは肉眼で確認することができます。

ただし動きが早いので見逃しやすいです。

ノミそのものではなくても、ノミの糞を見つけることも寄生を確認する手掛かりになります。

ノミの糞は、黒ごまのように見えるので、それを水で湿らせたティッシュに乗せてみましょう。

濡らしたら血がにじみ出してくるようなら、それはノミの糞であると確認できます。

ノミ寄生の対策

ノミ対策は、ノミの駆除に尽きます。

ノミ・ダニの駆除・予防のできる薬剤は、スポットタイプや内服薬などいくつもの種類があります。

同じようなものであっても成分が多少違うとか、体質や持病によっては好ましくない成分などもあるので注意して下さいね。

 

例えば、以前、私の愛犬にコンフォティス錠(パノラミス錠)という内服薬を使おうとしたことがありました。

この薬の主成分はスピノサドです。

ところが、この薬には「てんかんの既往症に対する慎重投与」という注意があることに主治医が気づき、てんかんのある私の愛犬にはリスクが高いので、他の薬に変更しました。

 

(参考② https://assets.ctfassets.net/vet_panoramis02.pdf )

 

ホームセンターなどでも手軽に購入できる予防薬はありますが、このように売られている薬は、成分の濃度や効果が不明な事が多いです。

薬を使わずハーブなどの忌避(虫よけ)効果に期待する飼い主さんもいますが、あくまでも寄り付きにくくなるというレベルであり、駆除は不可能です。

 

ノミ・ダニは、正しい方法で予防ができる寄生虫なのです。

近年のように、年間を通して同じ条件の室温を保てるような環境であれば、季節を問わず予防が必要と考えた方が安全です。

確実に効果のある薬剤できちんと予防することが大事です。

 

↓参考にこちらをご覧になってみて下さい

寄生虫予防薬の種類だけでもこんなにたくさんの商品があるのですよ。

ただ、フィラリア予防については、投与前に血液検査をおこなうのが必須で、検査しないまま自己判断で投与すべきでないと私は思います。

フィラリアと予防薬の注意点については、下の記事に詳しく書いてあるのでよかったら参考にされて下さい。

 

 

全ての寄生虫に対し、その薬1つで有効とされる薬は確かに便利かもしれません。

それは最終的に飼い主さんの判断です。

ただ、どの方法がその犬に負担が少ないかを考えることは大事と思います。

獣医師の中にも考え方はさまざまのようですが、薬剤のタイプなどについては、まず獣医師に相談してみるのが安心ではないでしょうか。

 

ノミは、1匹いただけでもノミアレルギーを発症します。

成虫ではなく卵がついて来ただけでも、あっという間に繁殖します。

ノミの予防は、とにかくノミを体に付けないことです。

もしノミの卵が何かに付着して室内に持ち込まれた場合、13度以上の室温さえあればノミは繁殖して活動できます。

ノミの寄生が判明したら、使用していた物は全て厳重に洗うか処分するかしかありません。

私の知人で、全くこのようなことに無頓着で予防していなかった為に、自宅でノミが大発生して家族にも広がり、駆除するのに大騒動になった人がいました。

そうなった時のノミの駆除はかなり大変だと思います。

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ノミ以外の原因で尻尾の付け根を舐める・噛む

膿皮症

膿皮症は、ブドウ球菌などの常在菌が異常繁殖して化膿する皮膚病です。

尻尾の付け根に限らず、表皮、真皮、または皮下組織という深部まで及び、強い痒みがあります。

体が健康な状態では、常在菌でこのようなことは起こりません。

ですが病気や加齢で全身の抵抗力が低下していたり、細菌バランスが崩れた時に皮膚のトラブルとして発症しやすくなります。

ノミアレルギー性皮膚炎を掻き壊して、そこに二次感染として膿皮症が起こることもあります。

これは全身のどこにでも起こる可能性があります。

ストレス

寄生虫もいなくて他に原因が見当たらない場合、尻尾の付け根を噛む、舐めるなどの行為はストレス性ということもあります。

このような行為により皮膚のトラブルを起こし、脱毛してしまうことがあります。

 

 

まとめ

尻尾の付け根はノミの寄生の好発部位なので、犬が尻尾の付け根を舐める・噛むという行為は寄生虫トラブルが起きている可能性があります。

痒みというのはとても強いストレスです。

慢性的な皮膚炎に移行してしまうと、なかなか治りづらくなります。

犬は痒みという苦痛を言葉で訴えることができないので、できる予防はしてあげて欲しいと思います。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

 

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