ノミ対策は大丈夫?犬が尻尾の付け根を噛む・舐める 

犬がしきりに皮膚を舐める時、噛む時の原因として一番考えられるのは、単純に皮膚に異常があるということです。

特に尻尾の付け根は、実はノミの寄生の好発部位です。

犬が尻尾の付け根を舐める、噛むという動作を執拗におこなっている時には、ノミが関係している可能性があります。

今回は、犬の日常の中で最も多い寄生虫であるノミのアレルギーについて解説したいと思います。

犬の外部寄生虫

の寄生虫には、内部寄生虫外部寄生虫の2種類があります。

犬の内部寄生虫は、腸内など、体内に寄生する回虫、鉤虫、鞭虫、条虫などを指し、フィラリア症もこの内部寄生虫が関係しています。

【参考記事】

犬のフィラリア症はどんな病気?感染経路・症状・治療について

それに対して、外部寄生虫は体の表面に寄生し、主に皮膚のトラブルの原因になります。

外部寄生虫は、犬の皮膚の表面や皮下に寄生して、その被毛や皮膚、フケなどを餌にします。

その代表的なものがノミであり、他にもマダニ、アカラス、疥癬(かいせん)などの寄生は重要です。

これらの寄生虫のために、犬は常に激しい痒みや不快感の症状があり、皮膚を舐める、噛むなどの動作が頻繁に見られるようになります。

ノミは昆虫の仲間に属し、それ以外の寄生虫は全てダニの仲間に入ります。

ノミは人間にも寄生しますので注意が必要です。

ノミには、イヌノミ、ネコノミと種類がありますが、日本においてはイヌノミは現在減っている為に、犬に寄生するノミもほとんどはネコノミと考えられています。

しかし反対にイヌノミの方が多く生息している国や地域もあるようです。

春から夏にかけて暖かい気候になると、寄生虫の活動は活発になり、外部寄生虫による犬の皮膚のトラブルは増えて来ます。

それぞれの寄生虫が媒介する病気というものもあり、ノミは瓜実条虫という消化管内寄生虫の媒介に関与し、マダニバベシアという原虫を始めとして、媒介する病気が多数あり、病気の予防の為にも、寄生虫を予防することが重要になります。

また、それぞれ体のどこに寄生するかの好発部位もあります。

マダニは毛のない部分を好み、まぶたの縁や耳の裏側に寄生することが多く、疥癬は腹部や胸部、肢などに寄生、ノミは腰から尻尾の付け根などに寄生が多く見られます。

【参考記事】

ここが怖い!マダニが原因の犬の病気と飲み薬などの予防法

犬が尻尾の付け根をしきりに噛む、舐めるという動作が見られ、尻尾の付け根の被毛の中に黒いごま状のものが見られるようであれば、それはノミの糞である可能性が高く、そこにノミが寄生していることが考えられます。

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミに刺されると、刺されたことによる痒みだけでなく、ノミアレルギー性皮膚炎(ノミ刺咬性過敏性皮膚炎)という皮膚炎を起こします。

この皮膚炎を起こすことは、犬がさらに尻尾の付け根を噛む、舐めることの誘因になります。

ノミは、口に2本の管を持っています。

そのうち、血を吸うのに使用するのは1本だけで、もう1本の管からは、吸血と同時に、血を固まらなくするために自分の唾液を流し込んでいます。

ノミの唾液中に含まれるタンパク質は、犬にアレルギーを引き起こす原因物質であり、これが皮膚炎を発生させるのです。

症状は、ノミの寄生部位である腰や尻尾の付け根の皮膚が赤く腫れて、熱を持ったり、湿疹が出たり、ひどくなるとただれることもあります。

痒みが激しく、犬は尻尾の付け根をしきりに舐める、噛む、体を地面にこすりつけるなどするため、皮膚の状態は悪化していきます。

日常的に舐める、噛むという動作が見られ、そこに二次感染が起こると、炎症はますます悪化します。

そして、尻尾の付け根やその周囲の毛が抜けて、かさぶたなども見られるようになります。

ノミアレルギー性皮膚炎はノミの唾液に対するアレルギー反応なので、尻尾の付け根という局所だけにとどまらず、ひどい場合は全身に広がります。

その苦痛は犬の精神状態にも影響し、犬は不眠になり、常に苛立って過ごすようになってしまいます。

ノミの寄生に気づいて、薬で駆除をおこなったとして、ノミがいなくなった後もノミアレルギー性皮膚炎はすぐには改善しません。

駆除後も1ヶ月くらいの期間ノミアレルギー性皮膚炎はおさまらず、尻尾の付け根を舐める、噛むという刺激を加え続けるため、さらに治りにくい状態を作ってしまいます。

ベースにアトピーなどの慢性疾患があると、そこにこの皮膚病が合併することで重症化もしやすくなります。

アレルギー反応の強さは個体差があり、激しく出現した場合、まれですがショック死も起こる可能性があります。

腰から尻尾の付け根にかけての湿疹や脱毛があり、そこをしつこく舐める、噛むなど痒がる様子があって、ノミの寄生が疑われる状況ならばこの皮膚炎と考えてよいでしょう。

ノミ寄生の発見方法と対策について

ノミは寄生されている動物との接触によって感染します。

ペットホテルなどでは、預かる時に、寄生虫駆除・予防をしていることという条件が入っているのではないかと思います。

寄生虫は、駆除や予防をしていない状況下ではうつし合ってしまうので、常識的な営業をしているところでは、それを避ける対策をしているのです。

しかし、万が一、衛生状態の悪い場所に預けてしまい、ノミが寄生している他の動物と一緒になるなどの機会があった時は、感染してしまうことがあります。

散歩の時などにも、藪の中や草むらの中に入ると、ノミが体につくことがあります。

犬が尻尾の付け根を痒がり、舐める、噛むなどしている場合は、毛をかき分けて皮膚を確認してみて下さい。

ノミは、肉眼で確認することはできますが、動きが早いので見逃すこともあります。

しかし、ノミの糞を見つけることは、ノミの寄生の手掛かりになります。

ノミの糞は黒ごまのような様相をしているので、それを水で湿らせたティッシュに乗せてみて下さい。

濡らすことで血がにじみ出してくるようなら、それがノミの糞であるという証明になります。

ノミ寄生の対策

ノミ対策はノミの駆除に尽きます。

ノミ・ダニの駆除・予防のできる薬剤には、スポットタイプのものや内服薬などいくつかの種類があります。

それぞれの利点、欠点があり、同じようなものであっても、成分が多少違う場合もあり、持病によっては使えない成分などもあります。

例えば、私の愛犬はてんかんの持病がありますが、以前、使おうとしていたコンフォティス錠という内服薬の主成分スピノサドは「てんかんの既往症に対する慎重投与」などの注意があることを主治医に指摘され、他の薬に変更しました。
(参考 http://www.maff.go.jp/nval/tenpubunsyo/pdf/PanoramisPI.pdf

ホームセンターなどで手軽に購入できる予防薬もありますが、その成分の濃度や効果は不明なところもあります。

ハーブなどの忌避(虫よけ)効果に期待する考え方もありますが、それはあくまでも寄り付きにくくなるレベルのものであり、駆除は不可能です。

ノミダニは、正しく行えば予防ができるものです。

近年のように年間を通して同一の室温を保てるような環境であれば、季節を問わず予防が必要です。

しかし、確実に効果のある薬剤でなければ、使っていることに安心してしまうだけで、結局は予防になっていないこともあるのです。

↓ちなみにこちらは参考ですが、寄生虫予防薬の種類だけで、こんなにたくさんの商品があります。

フィラリア予防薬は、事前に血液検査をおこなうのが投与の必須条件であり、安全のためにも自己判断で投与すべきではないと、私は考えています。

フィラリア予防薬の注意点については下の記事も是非ご覧になってみて下さい。

【参考記事】

犬のフィラリア予防薬の種類・投与の時期・副作用について

内部も外部も全ての寄生虫に、それ1つで有効であるとされる薬は確かに便利であり、最終的には飼い主さんの判断です。

しかし、まずは、どのような方法で予防するのがその犬の健康上ベストなのか、薬剤のタイプなどについて、獣医師の指導を受けた方が安全なのではないでしょうか。

いずれにしても、ノミは、1匹いただけでもノミアレルギーを発症し、卵などがついていればあっという間に繁殖しますので、予防は必須です。

ノミによる皮膚炎を予防するためには、ノミを体に付けないように予防することが何より大事です。

同時に、環境を清潔に保つことも心がけましょう。

もし何かに付着して、ノミの卵が室内に持ち込まれた場合、13度以上の室温が確保できればノミは繁殖し、活動することができます。

ノミの寄生が判明したら、使用していた物は全て厳重に洗うか、処分するかにし、カーペットや寝具などを清潔にして、室内も徹底して掃除機をかけるなど、ノミの繁殖を防ぐ対策をして下さい。

知人で、全くこのようなことに無頓着で予防もしておらず、自宅でノミが大発生して人にも広がり、駆除するために大騒動になった人もいます。

尻尾の付け根を舐める・噛む行為で他に可能性があるもの

膿皮症

膿皮症は、尻尾の付け根に限らず、表皮、真皮、または皮下組織において、ブドウ球菌などの常在菌が異常繁殖して化膿する皮膚疾患で、強い痒みがあります。

体が健康な状態では、常在菌でこのようなことは起こらないのですが、病気や加齢で全身の抵抗力が低下していたり、細菌バランスが崩れた時には、悪影響を及ぼす要因になり、皮膚のトラブルとして発症します。

また、ノミアレルギー性皮膚炎を掻き壊し、そこに二次感染として膿皮症が起こることもあります。

全身のどこにでも起こる可能性があるので、尻尾の付け根にも発症し、舐める、噛むという行為の原因にもなります。

ストレス

寄生虫も見当たらず、他に原因が見当たらない場合、尻尾の付け根を噛む、舐めるなどの行為はストレスによるものである場合もあります。

同じ部位を舐める、噛むために、皮膚のトラブルを起こし、脱毛してしまうこともあります。

【参考記事】

犬が前足を噛む?犬のストレスサインに気づいた時の対処法

犬がぐるぐる 回る・しっぽを噛む・毛をむしる常同行動とは?

 

まとめ

犬が尻尾の付け根を舐める・噛むという行為には、いろいろな理由が考えられますが、尻尾の付け根はノミの寄生の好発部位なので、まずはトラブルが起こっていないかどうかを確認してあげて下さい。

痒みというのはとても強いストレスで、犬も人と同様に強い苦痛を感じます。

また、舐める、噛むことでよけいに悪化させてしまい、慢性的な皮膚炎に移行してしまうと、なかなか治りづらくなります。

犬は痒みという苦痛を言葉で訴えることができないので、そのような状態になる前に対処してあげて下さい。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

【おすすめ記事】

犬の命を熱中症から守ろう!症状が重症化する前に対処を


あわせて読みたい記事はこちら


data-matched-content-ui-type="image_card_stacked"