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犬のアレルギー検査の種類と病院の費用の目安について

♦皮膚/アレルギー
この記事は約8分で読めます。

犬のアレルギーは、原因(アレルゲン)を調べ、それを避けて生活できれば症状の改善も望めます。

犬のアレルギー検査は、どこの病院でも普通に行われる検査ですが高額な費用がかかると言われます。

今回は、犬のアレルギー検査の内容と費用の目安について調べたことを皆さんと共有したいと思います。

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検査の目的はアレルゲンの特定

原因物質(アレルゲン)が体内に入ると、生体はそれに対する免疫反応が起こります。

アレルギーの原因は食べ物だけでなく、ハウスダストなどの環境にあることもあります。

 

 

犬のアレルギーも人と同じように、主たる症状は皮膚のかゆみや炎症です。

消化器症状(下痢や嘔吐)を伴っていることもあります。

経過が長引いて慢性的な症状になったり、二次感染を起こせば治りにくくなったりもします。

 

アレルギー検査は、そのような症状があり原因不明のものに対し、アレルギー反応と仮定して原因を特定する為に行われます。

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アレルギー検査の種類

アレルギー検査に使う検体は血液です。

病院で血液を採り、特異的IgE抗体定量検査という検査方法で、血液中のIgE抗体という項目の数値を調べます。

 

環境アレルギー(アトピー性皮膚炎)も食物アレルギーも、皮膚のかゆみなどの症状は同じようなものですが、それぞれ特徴もあります。

  • 環境アレルギー(アトピー性皮膚炎):季節性があるものが多く、主に足先や耳、股などに皮膚症状が多い
  • 食物アレルギー:季節性はなく、肛門周囲や顔、背中などに現れ、下痢や嘔吐などの消化器症状を合併していることが多い

このような特徴から予測して、検査の範囲を絞ることができます。

 

食物アレルギーは「IgE抗体よりもリンパ球との関わりが深い」とされています。

つまり、IgE抗体の検査では著しい反応は見られなかったとしても、リンパ球の数値の方が反応している可能性があるわけです。

そのため、食物アレルギーが疑わしい時は、IgE抗体とリンパ球反応の両方の検査を併用した方が正確な結果が得られると考えられます。

少しややこしい話になってしまいましたが、何のアレルギーなのか、ある程度の予測を立てると効率のよい検査ができるという話です。

 

アレルギー検査は、病院で血液を採りその血液を検査会社に送ります。

調べる原因物質の項目は選択できますが、そもそも原因は無限にあります。

その中から何を検査できるのかは検査会社にもよります。

例えば、「卵、乳、小麦、そば、落花生(ピーナッツ)」などが食物項目で、「ダニ、ハウスダスト、ヒノキ、綿」などが環境項目です。

 

一般的には、食物と環境を合わせて40項目ほどの検査に対応するようです。

海外の検査会社には、92種類もの項目に対応しているところもあるようですが、どこの検査会社に依頼するかはそこの病院ごとに決まっていると思います。

 

検査の結果が出る期間は地域によって多少違っても、2週間前後と考えていれば十分ではないでしょうか。

 

環境アレルギーが原因になるアトピー性皮膚炎は、アレルギー強度検査という検査もあります。

これは、採取した血液で、アトピー性皮膚炎の時に血中に増えるTリンパ球の割合を調べるものです。

その数値の高さによって重症化しやすい体質なのかどうかが判断でき、治療にステロイド剤を投与すべきかどうかという目安になるのです。

 

 

アレルギー検査の結果、アレルゲンがわかったら治療が開始になります。

食物アレルギーの場合はフードなどの食事の内容の見直しが必要、環境アレルギーの場合は環境の改善も必要です。

また、アレルゲンに徐々に慣らし過敏な反応を起こりにくくする「減感作療法」という治療がおこなわれる場合もあります。(対応可能な病院と対応していない病院があります)

 

食物アレルギーは、投薬と併用しながら、アレルゲンを含んでいない除去食療法という治療を行います。

そして、その過程で新しく食物アレルギーが起きていないかをチェックしていきます。

病院によっては、食物アレルギー検査で血液検査をせずに「除去食試験」を用いて調べていくこともあります。

 

検査の費用の目安

アレルギー検査の費用は一般的に高額になると思われます。

動物病院の費用は、基本的に自由診療の為、病院ごとでも開きがあります。

アレルギーには環境と食物があるということを書きましたが、アレルゲンのどの項目かによっても費用がかなり上下するようです。

 

例えば、血液を採取して特異的IgE抗体検査の環境アレルゲンと食物アレルゲンの両方の検査をした場合、費用は2万~3万円というのが相場のようです。

食物アレルギーの検査とリンパ球反応検査を併用した場合、費用は5万~7万円と少し高額になります。

IgE抗体検査・リンパ球反応検査はそれぞれ単独での検査費用2万~3万円と考えたらいいと思います。

しかしそれぞれ単独の検査というのはあまりなく、普通は組み合わせるので、検査費用は総額で倍になるということです。

 

特異的IgE抗体検査の項目を最小限にし、環境対象の項目はしない、というように検査範囲を狭めれば費用を抑えることも可能です。

ただ、せっかく検査するのに必要と思われるものまで外したら元も子もありません。

 

アレルギー検査はこのように費用がかさむ検査です。

犬の医療保険に加入していたとしても、アレルギーの診断はなく予防的な目的で検査を行う場合、かかる費用は保険適応から除外されることが多いです。

すでに皮膚炎などの治療を行っていて、治療の評価や原因を見つける為に必要な検査として行われた場合は、その費用が保険適応になった例もあるようです。

保険が使えるのかどうかは、それぞれの保険会社により免責事項がありますので、よく確認してみて下さい。

 

私の愛犬も、一時期、皮膚の状態が良くなくて、アレルギー検査を検討したことがありました。

かかりつけ病院で費用を確認したら、保険対象にはならず、自費でざっくりと5万円くらいとのことでした。

結局、私が食べ物アレルギーと想定して食事やサプリメントなどを見直しているうちに改善してくれたので、アレルギー検査は受けないままでした。

 

うちの場合、うまくいったことは恵まれていたと思っています。

もし改善がなければ検査を受けていたと思います。

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検査を受けるメリットとデメリット

メリット

  • 何がアレルゲンなのかが明確になる
  • 日常生活の中でアレルゲンを避けることができれば症状の改善が期待できる

デメリット

  • 採血をしないといけない(針を刺さないといけない)検査である
  • 費用と精度の問題がある

近年は動物医療の質も向上しているので、検査の質も精度も信頼性は高くなってきています。

 

ただ、これは人の検査にも言えることなのですが、結果で現れた数値と現在の症状が必ずしも一致していない可能性はあります。

つまり、検査の結果が100%とは言えないのです。

 

それでも、漠然とした原因不明の症状がある中で、気を付けなければならないことの見当がつくだけでも一歩進んだ感じにはなるかもしれません。

環境をどのように整えたらよいかなどの方向性が定まるのは、飼い主さんにはよいことではないかと思います。

費用は決して安くはありませんが、病状がこじれる前に適切な対応方法を見つけられるのならば、有益なのではないでしょうか。

 

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アレルギー検査の前には情報整理を

アレルギー検査に至るまでに、様子を見ていた期間もあるでしょう。

病院受診までの情報を可能な限りまとめておきましょう。

元々かかりつけの病院があって、カルテに基本情報があるのなら話も早いと思いますが、経過のエピソードは診療の上で重要なものになります。

 

《受診時の基本情報》

年齢・犬種・既往歴・体重の変化(その時の体重は病院で測定)・食事内容(フードの種類やおやつなど)・症状・症状が出た時の様子・服薬の有無・何か対策をしていればその内容・ワクチン施行の日時など

 

かかりつけの病院でない場合は特に、質問に答えられるように整理しておいた方がよいですよ。

今現在、ステロイド剤を使用中の場合は、いきなり断薬はできませんのでご注意下さい。

また、薬がリンパ球の検査結果に影響します。

ステロイド剤服薬中は、正しい数値が得られないためにリンパ球反応検査ができないこともあります。

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まとめ

アレルギー検査でアレルゲンがわかれば、それを取り除くことで症状の改善に期待もできます。

費用が高額なことや結果が100%ではないことなども考え、どこまで検査をするのかなど事前に獣医師とよく相談して下さい。

そのような話ができる医師かどうかということも病院選びには重要な要素です。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

 

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