『犬の十戒』~犬との約束~にGo!
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動物を虐待する心理と犯罪 犠牲になる物言えぬ命たち

♦犬を囲む問題
この記事は約12分で読めます。

動物虐待のニュースは後を絶たず、特に人間の傍にいる犬や猫は、虐待のターゲットになることが多いです。

近年は、虐待映像や画像をインターネット上にわざわざ投稿してアクセスを集めるなど、悪質なものもあります。

動物虐待者は、統計上、人を対象にした犯罪への関与も多く、放置できない問題です。

今回は虐待者の心理について考察してみたいと思います。

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虐待のターゲットは身近にいる犬や猫

動物虐待は、直接的な虐待と間接的な虐待の二通りがあります。

直接的な虐待は、動物に直接危害を加える行為で、殴る、蹴るなどの暴力をふるうことや、罵声を浴びせる、習性などを無視して扱うことなどが含まれます。

間接的な虐待は、保護責任を放棄し、世話を怠る、食事や水を与えない、監禁して放置する、適切な散歩などをしない、飼育環境が不衛生、病気やケガに対して適切な医療を施さないなど、いわゆるネグレクトと呼ばれることを意味します。

動物虐待は、虐待者が飼育している犬や猫など、ペットに対するネグレクトという形が最も多いそうです。

もちろんペットへの直接的な虐待もあり、所有者のわからない動物や野良猫などがそのターゲットになることもあります。

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実際に起こった動物虐待事件の例

虐待を加えられた猫などが、全国的にあちらこちらで見つかっていて、その都度ニュースにはなりますが、犯人が不明のままということの方が多いです。

それでも、ニュースになるのは発見されたものだけであり、動物虐待は、人知れずあちらこちらで起こっていると考えることができます。

過去には刑事事件として逮捕に至ったケースもあります。

福岡・こげんたちゃん事件

2002年、犯人(27歳男)は福岡市の自宅マンションの浴室にて、子猫(野良猫)の身体をはさみや針金などで、切ったりつるしたり首を絞めたりして虐待しながらその様子を撮影、インターネットの匿名掲示板上にて実況中継した。

この行為に通報が殺到し、動物虐待事件として警察が介入する運びとなった。

犯人は特定されたが、猫は逃がしたと自供した為に書類送検となる。

しかし、県警には犯人逮捕を求める嘆願書が殺到。

改めて画像鑑定の結果、猫はすでに死亡していることが判明し、動物愛護法違反の罪名にて、懲役6ヶ月執行猶予3年の判決が下った。

動機は、子猫が糞をしたので憎悪が湧いた、ネット上で騒がれたかったなど述べたと言う。

「こげんた」という名前は、子猫の戒名として僧侶によって付けられた名前。

遺体は発見されていないが、この事件を追う為に立ち上がったたくさんのサイトでは、犯人が撮影した写真と「こげんた」という名前で統一されていた。

神奈川・猫里親詐欺事件

2011年5月~11月の間、インターネット掲示板経由で猫の里親になり、次々と猫を譲り受けた。

そして、猫を生きたまま川に投げ入れる、アパート2階から放り投げる、足で踏みつける、火であぶる、壁に叩きつける、針を刺す、などの手段で合計20匹以上の猫に虐待を加えたとして、動物愛護法違反で川崎市在住の45歳男が逮捕された。

猫は13匹が行方不明、3匹遺体発見、譲渡者に返却のうち遺体1匹、虐待2匹、虐待疑い2匹。

動機は、不満やストレス発散のために殺す目的でもらったと自供した。

虐待行為だけで満足できなくなったのか、譲渡主に対し、猫を川に投げ入れたので今頃もがいて溺死しているでしょうなどのメールを送ったことが、逮捕に至るきっかけとなった。

厳罰を求める嘆願書が殺到したことで、動物愛護法に詐欺罪も加わり、懲役3年執行猶予5年保護観察付の判決が下る。

北海道・犬里親詐欺事件

2014年3月、札幌市にて、チワワなど犬5匹の遺体を入れた段ボールを公園に遺棄したとして23歳男、20歳男の二人が、廃棄物処理法違反にて逮捕される。

遺棄された遺体の5匹の犬は、インターネット経由で里親になり譲渡された犬だった。

犬の遺体には刺し傷や餓死と見られるものがあり、里親として引き取ってから虐待していた可能性があったが、結局は不起訴となり、ゴミ不法投棄にて罰金のみであった。

詐欺の手口は巧妙で、犬が譲渡されるとすぐに音信不通になり、家も居留守を使ったのちに逃走。

警察の見解としては、虐待の証拠がない、犬は餓死しただけ、行方不明になった犬は散歩中に逃げただけという扱いになっている。

この事件も署名集めをして署名は集まったものの、それ以上の発展はなかった。

私はこの事件はリアルタイムで見ていたのでよく覚えています。

ゴールデンレトリーバーを犯人宅まで訪問して譲渡した元の飼い主は、やはりその後音信不通となり、心配になって何度か家に足を運んだものの誰も住んでいなかったという話でした。

そして、その犬も、公園に遺棄された遺体の中にいたことをニュースで知ったそうです。

神戸市・飼い猫を自宅で暴行焼却事件

2016年、31歳女が夫の浮気へのあてつけに、自宅で生後6ヶ月の飼い猫を虐待し、四肢骨折させた上に生きたまま鉄製の焼却炉に入れて火を点け、蓋をして焼き殺した。

その様子をFacebookに動画投稿した。

猫だけでなく、飼っていた柴犬を殴り殺したことや、他の猫も虐待したことなどを自分で喋っていた。

警察への通報が相次ぎ逮捕に至ったが、動画の中の言動に意味不明な部分も多く、精神疾患があったと思われ、この後に入院している。

埼玉県深谷・元税理士猫虐待事件

2016年4月~2017年4月、埼玉県深谷市にて元税理士の52歳男が、捕獲器で捕獲した猫少なくとも13匹に対し、生きたまま熱湯を何度も浴びせる、ペンチで歯を抜く、バーナーで焼くなどの虐待を加えて死なせた。

さらに虐待の様子を動画撮影してインターネット上に投稿し、匿名巨大掲示板内の「生き物苦手板」の虐待マニアの中では「神」と崇められていた。

視聴者からの通報により、動物愛護法違反にて逮捕。

動機として、猫は糞尿が臭く有害動物なので駆除しただけで法律違反にならないと主張していたが、公判では、飼っていたメダカが野良猫に襲われ、自分も手を咬まれて猫への恨みが増し、捕獲して虐待しているうちに、その動画を投稿することが目的となったと供述している。

猫の虐待現場は被告の母親の実家の一軒家であり、当時は廃屋となっていた。

2017年12月に動物愛護法違反にて懲役1年10カ月執行猶予4年(求刑懲役1年10カ月)の有罪判決が下され、また、税理士業は現在廃業している。

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動物虐待者の心理と日本の法律

動物虐待は、主に次のような理由でおこなわれるとされています。

  1. 宗教的な犠牲
  2. 芸術的な犠牲
  3. 人格障害または精神疾患による心理的障害
  4. 性的障害(paraphilic)

動物に対して残酷な虐待を加えることは心理学的な病理であり、人格障害と密接な関連があるとされます。

このような話に関連付けられることが多いのが、サイコパスと呼ばれる人格障害です。

人格障害にはいくつかのパターンがあり、サイコパスとは精神病質を意味し、反社会性パーソナリティ障害(反社会性人格障害)に分類される心理的障害のことです。

サイコパスは、統合失調症などの精神病とは区別されますが、脳の前頭葉の障害と考えられていて、健常者とは脳波の形が異なっていることが特徴的とされています。

サイコパスの心理的特徴として、他人の苦しみに対する共感性に乏しく、冷淡、衝動的、良心の呵責や罪悪感の欠如、浅薄な感情、病的とも言える虚言、誇大な自己価値観などがあります。

必ずしもサイコパス=犯罪者ではなく、身近にいる人格異常者のことであり、おそらく私達の周りにも普通に存在し、社会的な地位を持ち、日常生活を送っている人達です。

しかし、残酷な行為に対しても躊躇することがないというその特性から、もし動物虐待行為がその人物にとって利益あるものならば、動物虐待に関わる可能性も高いと考えられます。(参考記事 https://www.animalwised.com/the-psychology-of-animal-cruelty-2686.html )

性的障害について

paraphilicとは、生殖器刺激に対する性的関心や表現型的に正常な、身体的に成熟した、同意する人間のパートナーとの準備的な愛情以外の、強烈な(ある種の優先的で持続的な)性的関心。

露出症、フェティシズム、frotteurism、小児性愛、性的マゾヒズム、性的サディズム、女装、のぞき見、ズフィリア(動物)等

*ズフィリアには獣姦も含まれる

出典元 https://www.hopkinsguides.com/hopkins/view/Johns_Hopkins_Psychiatry_Guide/787119/all/Paraphilic_Disorders

また、英国動物福祉団体WISPA(動物虐待防止協会)のレポートでは、動物虐待者の心理として次のようなものが挙げられています。

  • 動物の支配
  • 動物への報復
  • 異種の生き物を排除し差別意識を満たす
  • 自己の怒りを動物を通して表現する
  • 自己の攻撃性を高める
  • 他人が驚くのを見るのを面白がる
  • 復讐の対象として
  • 人間の身代わりにする
  • サディズムの心理

参考和訳レポート http://www6.plala.or.jp/MYJAPAN/wispa%20honyaku.htm

動物虐待者の家庭環境にも注目すべきで、家庭内で動物が虐待されている場合、その家庭内では子供の虐待も同時におこなわれている可能性が高く、またアルコール問題を抱えている家庭であることが多いとのことです。

または、動物虐待者自身が親から虐待を受けて育ったなどのケースも多いとされます。

そして、動物虐待者と性別は関係が深く、動物虐待者のほとんどが男性である(男性である率が高く)そうです。

しかし、過去の事例からも、動物虐待者は必ずしも男性ではなく、当然、女性の場合もあります。

動物虐待に対する日本の法律

動物虐待を取り締まる法律は動物愛護管理法です。

動物愛護管理法の罰則は、次のように制定されています。

《動物愛護管理法 虐待や遺棄の禁止》

愛護動物をみだりに殺したり傷つけた者

2年以下の懲役または200万円以下の罰金

愛護動物に対し、みだりにえさや水を与えずに衰弱させるなど虐待を行った者

100万円以下の罰金

愛護動物を遺棄した者

100万円以下の罰金

※愛護動物とは

1 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる

2 その他、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの

環境省HP https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/aigo.html

法律は制定されているものの、上記したような過去の動物虐待例では、そのあまりの残酷さや社会的影響の大きさに比べ、厳罰というようなものではないという印象です。

しかも、世論があったからこそようやく適用された、執行猶予付き実刑と言えるのではないかと思います。

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動物虐待の攻撃性はいずれ人に向かう

先述の英国動物福祉団体WISPA(動物虐待防止協会)のレポートでは、動物虐待を児童期に5回以上経験した者については、攻撃的な性質の犯罪者が25%以上いるとされ、その他の犯罪者が5%とされています。

つまり、攻撃的な犯罪者は、過去に動物虐待をおこなった確率が高いということです。

また、有名な連続殺人犯の多くが、児童期に動物虐待を経験していることがわかっています。

Jeffrey Dahmerのような多くの有名な連続殺人犯は、幼いころに動物を拷問し殺すことから始まりました。

多くの犯罪学的調査によると、性的虐待者の約3分の1は、小児期および/または青年期に動物を虐待していることが示されています。

大部分の子供たちは、周囲の人々から反社会的行動を学ぶことを考えると、それを防ぐ最もよい方法は例による教授である。ここでは、親が鍵です。

家族の一員としてペットを治療するなど、動物に対する親や他の役割モデルによるプロソーシャル行動は、子どもたちに積極的な印象を与える可能性があります。

出典元 https://www.psychologytoday.com/us/blog/in-excess/201611/the-psychology-animal-torture

動物虐待者が起こした犯罪

◆佐世保で同級生を殺害し遺体を切断、腹部を切り開くなどして逮捕された15歳の女子高生は、中学生の頃から猫を解剖するなどの動物虐待を繰り返し、次第に「人を殺したい。遺体を解体したみたい」という欲求を抱くようになった。

◆神戸連続児童殺傷事件で逮捕された当時14歳だった少年Aは、小学生の頃より動物虐待に興味を持ち、猫を20匹くらい虐待死させたと友人に語っている。

◆連続幼女殺害事件の宮崎被告は、子供の頃から昆虫の羽根をむしるなどの虐待から始まり、飼い犬の首を絞める、猫に熱湯をかけ圧死させるなどの動物虐待を繰り返していた。

◆附属池田小学校児童殺傷事件の宅間被告は、小中学生の頃より、猫を生きたまま燃やす、布団で巻いて川に流すなどの動物虐待を行っていた。

◆奈良市小一女児殺害事件の被告は、たびたび勤務先の犬を蹴るなどの虐待を加えていた。

動物虐待への対策・個人ができることとは何か

動物虐待は、暴力の第一歩であり、深刻な問題と受け止めるべきと指摘されています。

虐待者が小児だった場合、その後も継続的な観察と動物虐待者の心理に対するケアが必要であり、決して放置すべきではありません。

そして、日本では、海外と比較して動物虐待を軽視されてしまう傾向がありますが、動物虐待を発見したら警察に通報するということは無意味なことではないはずです。

ただ、その時は、決して感情的になったり憶測で言うのではなく、実際に起きていることを冷静に正確に伝えるという、伝える側の姿勢も大事なことではないかと思います。

また、当たり前のことですが、自分が飼育する犬や猫がターゲットになることのないようにしなければなりません。

猫を自由に外に出さない、犬を店の入り口に繋ぎっぱなしにしないなど、当たり前のようで個人でできることは小さいですが、それぞれが対策を意識すべきと思います。

実際に、スーパーの前に繋いでいる間に誘拐された飼い犬を必死で探していた飼い主さんが、誘拐犯の家までようやくたどり着いた時、追い詰められた誘拐犯によって、犬が目の前でマンションの8階から投げ捨てられるという事件も過去にありました。

人知れず起こっている動物虐待事件を個人の力で防ぐことは不可能だとしても、自分の犬や猫に関しては飼い主次第で避けられるリスクもあるはずです。

また、世の中には動物嫌いな人もいます。

私達飼い主は、自分の犬や猫が可愛いあまり、嫌いな人に価値観を押し付けてしまっているところがないか、アレルギーのある人などに対し、思いやりに欠けた行動をしていないか、そのようなことも考えなければならないと思います。

 

まとめ

健気で弱い動物に文字にするのもおぞましいような方法で虐待を加え、その苦しむ様を見て楽しむなど、常人には到底理解できるものではありません。

動物虐待者の心理などはっきり言って理解できないのです。

しかし、世の中にはこのような事件が後を絶たないというのが現実です。

そして、動物虐待はエスカレートしていく傾向が見られます。

飼い主としては、ターゲットにならないように注意するしかありません。

そしてもし動物虐待に気づいたら、迷わずに通報する勇気を持って下さい。

《通報先》

  • 最寄りの保健所
  • 地域の動物愛護センター
  • 最寄りの警察署
  • サイバー犯罪対策相談窓口 http://www.npa.go.jp/cyber/

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

 

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