何故?飼い主にしっぽを振らない犬 犬に好かれていない?

犬がしっぽを一生懸命に振りながら駆け寄ってくる姿は、全身で大好きだよ!と言われているようで、健気で可愛くて、見ているだけでキュンとなりますね。

ところが、何故かあまり飼い主さんにしっぽを振らないという犬もいるようなのです。

しっぽを振らないのは、犬に好かれてないから?何故?と悩んでしまいますね。

今回は、犬が飼い主にしっぽを振らない理由を解説します。

犬のしっぽには大事な役割がある

犬のしっぽは、ただ可愛いだけのパーツではありません。

ちゃんとした役割があるのです。

遠い昔は、人にもしっぽがあったと言われますが、人間のしっぽは退化してしまい、生まれた時にその名残である尾骨が小さく確認できるだけです。

犬には、尾骨が背骨から続いていて、立派な役割を持って活用される「しっぽ」という姿で存在しています。

しっぽには小さな骨が連なって、先端に向かって細くなり、筋肉と神経が豊富に通っているので様々な方向へ自由自在に動かすことができます。

【尻尾の形と構造の参考記事】

>>犬の尻尾にはどんな種類がある?尻尾の形と骨のしくみ

しっぽは人間にはないものですので、私達にはその感覚が分かりづらいですが、犬にとってはとても敏感な部位で、握られたり引っ張られたりすると痛みも感じるし、脱臼や骨折などのケガをすることもあります。

脱臼や骨折をしてしまうと、安静が保ちにくいために治りにくいと言われるほど、しっぽは動きの活発な部位です。

しっぽの役割の一つは、犬の様々な体の動きに合わせてその体のバランスをとることです。

方向転換する時、走る時、ジャンプする時など、犬はしっぽの動きを変えながら体を安定させています。

しっぽはそのようなアクティブな全身の動きに対し、体幹のおもりや舵取りのような役割があるのです。

また、冬に犬が丸まって寝ている姿を見ることもよくあると思います。

外気温が低い時には、そのようにして体を丸め、しっぽで鼻先の冷気を遮断し、寒さから呼吸器系を保護する役割があるのです。

そして、しっぽはとても表現豊かで饒舌な部位でもあり、相手とのコミュニケーションツールとしての役割も持っています。

しっぽのコミュニケーションは、犬同士の間では、普段からさかんに行われています。

犬はしっぽの動きで自分の感情や意思を表現し、相手に適切に伝えることで、無駄なトラブルを避けることができるのです。

しっぽを切る・断尾することの影響

メッセージを犬同士の間でうまく伝えられなければ、それはトラブルの原因にもなりうると言われるほどに、しっぽが持つ役割は重要なのです。

犬のしっぽの動きは、犬の体のバランスをとりつつ、仲間に大切なメッセージを発信しているのです。

しっぽの形は犬種によって違いがあり、短いものから長いもの、形が巻いているものなど、生まれつきバラエティに富んでいます。

しかし、目的を持って人為的にしっぽを切る(断尾する)ことで、持って生まれたしっぽの形ではなくなってしまうこともあります。

断尾の歴史は、本来、狩猟犬が山の中で怪我をするリスクを減らす為であるとか、牧羊犬などでは、しっぽを家畜に踏まれないようにする為のものだったそうです。

【断尾について】

犬の尻尾を切る習慣はなぜ存在するのか?断尾の理由とは

しかし、次第に本来の断尾の目的から離れ、人間は犬に対して、美容や犬種としての標準スタイルというような外見的なものを追求するようになってきました。

断尾も、人間の都合が主たるものになってしまったのです。

断尾を施した犬は、元々持っていたはずのしっぽの機能を失くしたことになりますので、身体機能やバランスの低下を招いたり、他の犬との意思疎通が難しくなり社会性が不足しがちになるなど、役割が果たせないことの弊害も生じやすくなると言われます。

現在、ヨーロッパでは、「苦痛を与えるだけの無意味な手技であり残酷な改造であるという認識」という考えのもとに、断尾を法律で禁じている国も多数あるようです。

断尾禁止国:北アイルランドを除いたイギリス、エストニア、オーストリア、オランダ、キプロス、スイス、スウェーデン、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェイ、フィンランド、ベルギー、ポルトガル、ルクセンブルクなど

犬がしっぽを振るということ

犬は、生後3週目くらいからしっぽを振ることができるようになるそうです。

子犬にとっても、しっぽを振るということは社会性を意味する側面が大きく、生後6~7週目くらいまでには、ほとんどの犬がきょうだい達との遊びの中で、気持を伝えるという手段としてのしっぽ振りを学習します。

しっぽを振るのは、生まれつき何となくやっているわけではなく、コミュニケーション手段としてきちんと学習している、ということに驚かされますね。

その豊かな感情表現を身に着けるはずの環境から、早くに引き離されてしまった子犬の場合は、しっぽ振り学習も十分でない可能性があるそうです。

やはり、幼い時期に母親やきょうだいと過ごす社会化期が、成長のためにどれだけ大事であるのかということが、改めてわかります。

ところで、犬がしっぽを振る行為には、よく見るといろんなパターンがあります。

しっぽ振りは全てが嬉しいという気持ちとは結びついているわけではなく、興奮している感情表現でもあるのです。

しっぽの動きでわかる犬の感情の例は次のような感じです。

♦ちょこちょこと小さくしっぽを振る場合:「こんにちは!」「ここにいるよ!」「初めまして!」

♦しっぽの振り幅が大きい:「仲良くしようよ」「逆らわないよ」「これは遊びだよ」このサインを犬同士で上手に伝えることで、遊びが喧嘩に発展しないように保つこともできる

♦腰からしっぽまでの大きな動き:「どこにも行かないで」「どうか私を大事にして下さい」長期に離れていた飼い主との再会などで見られる。甘えや信頼、これ以上ないへりくだり

♦腰を落として床を這わせるように大きく振る:「なんでも聞きます」優位な相手への最大の敬意

♦しっぽを水平にしてゆっくり振る:「不安を感じています」しっぽが上がっても下がってもないのは、相手との関係性が掴めてなく、不安な状態

♦少し下に垂れた状態で緩い揺らし方:「リラックス♪」心が安定した状態

た、イタリアの研究では、脳のどちら側が活性化しているかで、右に振るか左に振るかの違いがあるそうです。

大好きな飼い主さんなどに対してなど、ポジティブな感情の時にはしっぽが右振り、自分よりも優位な犬に対してなど、ネガティブな感情を持った時には左振りになるという話があります。

飼い主にしっぽを振らない犬の気持ち

犬はただしっぽを振るのではなく、そこにはいろんな意味があることがわかりました。

では、逆に、「しっぽを振らない」というのはどんなことを意味するのでしょうか?

特に、知らない相手ではなく、飼い主さんに対してしっぽを振らないというのは、いったいどんな理由があるのでしょう?

「しっぽを振らない」と気づいた時、それはしっぽを振らないのか、振ることができないのかをまず観察してみて下さい。

しっぽは脱臼したり骨折したりもするような部位です。

振らないのではなく、振れないのかもしれません。

もし、触ると痛がるような状態であれば、故意に振らないのではなく、何らかの理由でしっぽを損傷している可能性があります。

または、脊髄にヘルニアなどの病気があり、しっぽをあげることができなくなっているなど、身体的な理由があるかもしれません。

【尻尾にあらわれる症状と病気について】

>>【しっぽでわかる犬の病気】しっぽが下がる時・痛がる時 

>>犬の椎間板ヘルニアの初期症状と進行レベルのグレード分類

しっぽを振らないのが「振ることができなくなっている」のではなく、ただ振らないということであれば、ひとまず安心です。

しかしそうは言っても、飼い主さんにとっては、自分にしっぽを振らないのが悩みでした。

改めて、犬は何故しっぽを振らないのでしょう?

犬も性格はそれぞれ違います。

しっぽを振らないのは、その犬の性格が関係していることもおおいに考えられるのです。

犬はしっぽで感情表現をしますが、しっぽを振らない場合にも、いろんなしぐさを使って感情を表そうとします。

くるくる回って見せるとか、飼い主さんの口を舐めてみるとか、笑っているような表情になってみたり、お腹を見せたり、おもちゃを持ってきたり・・・。

【参考記事】

>>犬が飼い主を舐めてくる理由 犬が人を舐める心理を知りたい

しっぽを振らないとしても、それ以外のいろんな方法やしぐさで飼い主さんにアピールしてくるようであれば、それがその犬の得意な表現方法と考えても良いようです。

あまりしっぽを振らないのは、その犬がちょっと不器用なだけという場合もあるそうです。

それに、もしかしたら、飼い主さんには振らないように見えるけど、犬はしっぽを振っていて、振り幅が目立たないだけかもしれません。

または、飼い主さんが犬にとっては緊張感がありすぎる存在であり、いつもその指示を待つモードになってしまうので、しっぽを振らないのかもしれません。

前述したように、早くに親やきょうだいと離された犬の場合なら、しっぽ振り学習が十分にできてなくて、あまり上手ではないから振らないのかもしれません。

緊張感を持ちすぎている犬には、リラックスして飼い主さんと思いきり遊ぶということを教えてあげてはいかがでしょうか?

関わる時間をたくさん持って、メリハリのある関係を教え、遊ぶ時は飼い主さんも嬉しさや楽しさを思いきり表現して犬に伝えてあげてみては?

楽しいひと時をたくさん共有し、飼い主さんに対しての感情表現が豊かになってくれば、それまでのしっぽを振らない犬がブンブン振るようになるかもしれません。

 

まとめ

犬がしっぽを振ることにはいろんな理由があって、必ずしも嬉しいだけではありませんので、それは知っておいた方が良いことです。

怒っている時や相手を警戒している時などにも、しっぽの高さや振り幅を変えて感情表現をしているので、しっぽを振っているからと迂闊に近づくと危険なこともあります。

しっぽは、アクティブに動いている時は舵取りの役割をして、そうでない時はメッセージを伝えるツール、とても忙しい部位ですが、しっぽの動きを見ることでわかることがたくさんあります。

反対に、しっぽを振らないからと言って、必ずしも機嫌が悪いとかネガティブな理由だけではなく、飼い主さんにしっぽを振らないというのは、単にその犬の癖とか個性かもしれません。

飼い主さんに対して他にどんなしぐさを見せているか、この際ゆっくりと観察してみて下さい。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

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