赤ちゃんが生まれて家族が増えるとお母さんは忙しくなりますね。
犬にとっても、新しい家族が増えることは大きなストレスなのです。
今まではなかったのに突然粗相するようになるなど、不安定な行動が目立つようになることもあります。
今回は、赤ちゃんと犬がうまく共存できる方法を考えてみたいと思います。
犬は感情豊かな生き物ということを忘れないで
犬はとても感情豊かな生き物です。
嬉しいことも悲しいことも感じるし、ストレスが蓄積してうつ状態になることもあります。
人の感情を敏感に読み取る能力があることもわかっています。
犬は泣いている人の傍に寄り添うという話を聞いたことはありませんか?
そばに来て一生懸命手や顏を舐めてくれたり、体をくっつけてきてずっと寄り添ってくれていたり。
悲しみに沈んでいる時、元気なくすごしている時、そんなふうに愛犬に慰められた経験がある飼い主さんは多いのではないかと思います。
私も寄り添ってもらった経験が何度もありますよ。
家庭で飼われている犬は、人間の家族という1つの群れの中で暮らしています。
自分も家族の一員であり、飼い主さんは絶対的な信頼の対象なのです。
犬は人の感情や意向を一生懸命読み取ろうとします。
飼い主さん以外の人に対しても、その人の表情が笑顔(陽の表情)なのか、怒り(陰の表情)なのかの区別ができるのだそうです。
人の言葉のトーンに表れる感情に敏感に反応し、どんな感情かを犬ながらに感じ取り、それに合う適切な行動を取ろうとします。
犬の能力は人の2歳児くらいと言われます。
でも、私達の想像以上に高度な感情を持っています。
家族が喧嘩をしている時にも、必死でやめさせようとしたり落ち着きをなくしたりします。
犬の豊かな感情の中には、嫉妬もあるそうです。
赤ちゃんが加わって変化する環境
一緒に暮らす家族の中に赤ちゃんが生まれ、新しい家族として加わることは、犬にとっても大きな環境の変化です。
その家庭は、今後、赤ちゃん中心の生活になっていくことになるでしょう。
そして、初めて経験する赤ちゃんの泣き声に犬はまず驚くことでしょう。
家族はそれまでになくざわざわしています。
赤ちゃんをあやす高い声、おもちゃを鳴らす音、犬が今までに聞いたことのないような音が日常的に聞こえて来るようになります。
赤ちゃんを見に来る訪問者も多いかもしれません。
人が談笑する声が響き、犬にとっては落ち着かない日々が続くかもしれません。
家族のみんなが赤ちゃんのお世話で忙しく、犬はあまりかまってもらえなくなるかもしれません。
もしかしたら散歩の時間など、スケジュールも変更されるかもしれません。
それまでは室内で自由に行動できていたはずなのに、赤ちゃんへの接触をさせないようにと行動範囲が制限される可能性もあります。
犬の居場所が変更されたり、飼い主と寝ることも許されなくなるなど、あらゆる環境の変化の全てが犬のストレスになります。
犬がそれまで置かれていた安定した暮らしは、赤ちゃんの存在によって勝手が違ってしまいます。
赤ちゃんという新しい存在が突然加わり、自分がどのような立場を守っていればいいのか、犬は戸惑うでしょう。
問題行動は混乱の表れ
環境の変化の中で、犬が突然、粗相を重ねるというような問題行動を始めたりすることがあります。
そして「かまってもらえない腹いせで嫌がらせにわざと粗相する」というように誤解されることも多いと思います。
でも、犬は決して飼い主に腹いせなどはしません。
突然、加わった赤ちゃんという存在、犬は前からそこにいた自分より後から来た赤ちゃんが全て優先され、守って来た序列や飼い主さんの関心を全て奪われてしまったことに不安を感じています。
そして、何とか平常に戻して不安を解消するために、飼い主さんの関心を引こうとします。
犬は赤ちゃんの存在が理解できず、混乱しています。
粗相などの問題行動は、犬の混乱や不安の表れです。
共存するための関係づくり
犬と赤ちゃんの関係をうまく築くためには、赤ちゃんが家に戻って来た時、犬も家にいるようにした方がよいです。
犬をどこかに預けておいて、落ち着いてから犬を迎えに行くという家もあるかもしれません。
都合でそのようにせざるを得ないご家庭もあるのでしょう。
でも、できることなら、赤ちゃん中心の生活が始まって犬が戻るより、赤ちゃんがやってくるのを犬も一緒に迎えるようにして下さい。
犬がいる家に後から赤ちゃんが加わるようにするのです。
そして、新しい家族を犬にも紹介してあげるのです。
赤ちゃんを犬から隠してしまわずに、赤ちゃんという存在を犬にもきちんと教えてあげましょう。
ただ、咬傷事故などの防止の為に赤ちゃんと犬の距離には注意が必要です。
犬を信頼しつつも、過信してはいけません。
犬に野生の本能があることを忘れないで下さい。
その上で、同じ空間にいる時間を少しずつ増やし、犬に赤ちゃんを認識させてあげて下さい。
そして、決して犬を邪魔者扱いせず、犬も含めた家族全員で赤ちゃんを育てていくような空気を作っていくのです。
もちろん、犬に対しても変わらない愛情をきちんと示してあげましょう。
赤ちゃんにも、犬は家族の一員として大事に慈しむべき存在であることを普段から教えてあげて下さい。
赤ちゃんの存在に大きなストレスを感じることなく、これまでと変わらないことに安心できれば、犬も赤ちゃんを守る側にまわり、成長するにつれ自然と順位を譲る形でよい共存関係が築けるようです。
間違っても、邪険にしたりきつく叱ったりして犬の気持ちを傷つけないで下さい。
赤ちゃんの世話をしている時に、犬が嫉妬を表すことなく静かに待っていることができていたら、きちんと褒めてあげましょう。
まとめ
赤ちゃんが生まれ、犬の問題行動が増えて面倒が見られなくなったなどの理由で、捨てられてしまう犬がいます。
犬は、あなたに何をされても疑いもせずあなただけを信頼しています。
不幸にするのも幸せにできるのも全ては人間なのです。
手に負えないからと赤ちゃんを捨てたりはしないのと同じように、犬もあなたの家族の一員として暮らしているのです。
どうか最後まであなたの犬を愛し、傍にいて下さい。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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