すごい勢いで飼い主さんの顏をべろべろ舐めてくる犬、いますよね。
あなたの愛犬はどうですか？
犬が人を舐めてくる時はどんな理由があるのでしょうね？
もし理由があるなら知りたくないですか？
そこで、犬が人を舐めてくる理由について調べてみました。
今回は犬の心理を理解してみたいと思います。
「舐める」は犬の非言語的コミュニケーション
犬は私達と違って、言語を使って気持ちを表すことはできません。
犬のコミュニケーション手段は、ボディランゲージなどの「非言語的コミュニケーション」です。
「舐める」という行為は、その方法のひとつです。
犬同士の間でも、舐めるコミュニケーションはよく使われています。
もっとも代表的なのは、生まれたばかりの子犬を母犬が舐めて育てるという行為です。
子犬にとってはこれが最初のコミュニケーションで、母犬の本能的行動です。
母犬が子犬をしきりに舐めてお世話をすることには、
- 子犬の体をきれいにする
- 舐める刺激で排泄を促す
- 排泄のにおいを消して敵から子犬を守る
という意味があります。
それと同時に、母犬から子犬への愛情を表す最大の愛撫です。
そして子犬の方も、お腹が空いたら母犬の口を舐めます。
この行為は、母親に食べ物を要求するという意味があります。
子犬に舐められることで、母犬は反射的に食べ物を逆流させ、子犬の離乳食に適した状態にして子犬に口移しで与えます。
舐める行為というのは、犬にとってはごく本能的で自然な行為なのです。
また犬は口を使って様々な情報を確認します。
舐めることや噛むことは、犬にとっての情報収集の手段でもあります。
舐める行為は、犬に快感をもたらすそうです。
脳内麻薬とも呼ばれる脳内の神経伝達物質エンドルフィンの放出に繋がるとのこと。
舐める行為に没頭することで犬は快感を得て、ストレスを緩和します。
このことから考えると、舐める行為が時間続くことは犬のストレスサインと言えるかもしれません。
犬が飼い主の手や足を舐めてくる
犬が飼い主さんの手や足を舐めてくるのは、日常的によく見られる行動ですよね。
私の愛犬は、私の足（すねの部分）を舐めてくることが多いです。
手も足も似たようなものと思いますが、それぞれ異なる理由もあるようです。
飼い主さんの手は、犬にとって大好きなパーツ。
大好きな理由は、その手でご飯やおやつをくれるから。
そして、撫でてくれるから。
犬にとって、飼い主さんの手は優しくて信頼できるものなのです。
犬があなたの手を好きなのは、あなたが愛情を注いで接して来たからですよ。
人の手で叩かれていた犬は、人の手を怖がるようになります。
そして人の手が視界の中で動いただけでも、恐怖からその手を攻撃しようとします。
虐待を受けた犬の多くは、そのような反応（ハンドシャイ）を示します。
愛犬があなたの手を舐めてくるなら、あなたの手は優しい手なのですよ。
何か美味しい食べ物の匂いや味が残っている可能性はありますが。
あなたの手を信頼しているからこそ、その手に甘えて舐めてくるのです。
一方で足を舐めてくる主な理由、それは匂いだそうです。
足は、匂いが発生しやすいパーツ。
汗などで汚れていることも多く、鼻の利く犬にとっては、飼い主さんの濃い匂いを感じられる足は好ましい部分なのでしょう。
足の皮膚の塩味を味わってもいるそうです。
私の足のすねを好んで舐めてくる愛犬は、私のいい匂いや味を楽しんでいるに違いありません。
犬があなたの手や足を舐めてくる理由は、あなたのことが大好きだからです。
犬が飼い主の顏を舐めてくる
飼い主さんが外出から帰宅した時、留守番していた犬が喜び勇んで駆け寄り、飼い主さんの顔を舐めてくるシーン、映画やドラマでもよく使われます。
それだけ、顏を舐めてくる犬は多いということなのかもしれません。
顔を舐めるのは、朝、目覚めの悪い飼い主さんの顏を犬が舐めてくるパターンもあります。
顏を舐める理由も、やはり飼い主さんのことが大好きだから。
特に鼻や耳などは、足と同じように塩味がするからという理由もあるようです。
耳などは、飼い主さんの匂いも濃いそうですよね。
ところで、犬が泣いている人に寄り添うという話を聞いたことはありませんか？
犬はとても感情が豊かです。
そして、人の感情を読み取る能力も備えていると言われます。
私も、悲しい時に愛犬がそっと体をくっつけて寄り添ってくれた経験がありそのことは忘れられません。
その時、私の涙をそっと舐めてくれました。
涙も塩味なので、好きな味だったという理由なのかもしれませんが、私の哀しみはわかっていたと私は思っています。
顏の中でも、口を舐めてくる行為だけは別の理由のようです。
先述したように、子犬は母犬から舐めて育てられ、子犬は母犬の口を舐めて食べ物をもらう習性があります。
人の口元を舐めてくる理由は、それに関連していると考えられます。
飼い主さんの口を舐めるのは母犬に対する信頼と同じ。
飼い主さんのことを母犬同様に保護者と慕い、頼り、甘え、最大の愛情を示しているのです。
理由はもう一つあります。
それはカーミングシグナルとしての理由です。
カーミングシグナルとは、犬がトラブルを避けるために仲間同士で交わす、非言語的コミュニケーションのことです。
緊張や不安という心理状態の時、それを解消する目的で出されるサインです。
《参考サイト》
http://en.turid-rugaas.no/calming-signals—the-art-of-survival.html
https://en.wikipedia.org/wiki/Calming_signals
カーミングシグナルは、ストレスの中で自分を落ち着かせることや、相手に落ち着いて欲しいと伝えるためのものです。
飼い主さんの口を舐めてくる行為には、時にそのような心理を表すこともあるようです。
飼い主ではない人を舐めてくる
犬が信頼する飼い主さんを舐めてくる理由は納得がいきます。
では、知らない人を舐めるのは？
人懐こい犬などには、よく見られる光景ですよね。
相手がよく知らない人でも、犬はしきりに舐めていることがあります。
知らない人を舐めるその理由、それは犬にとっての情報収集なのです。
匂いを嗅ぐのと同様に、舐めることで情報を探っているのです。
もちろん嫌いな人にはしない行為でしょう。
つまり犬が舐めてくるのは、その人に興味を示していると言い換えることもできると思います。
犬が舐めてくる愛しい行動も免疫力のない人は注意を
犬の口の中には細菌が多数いて、口の中は決してきれいではありません。
そのような理由から、犬は可愛いけど舐められることは避けているという人もいます。
犬と人の間で感染する感染症（人獣共通感染症）もあるので、免疫力が低下している人や乳幼児は、濃厚に犬の唾液に接触することは避けた方がよいでしょう。
舐められた後には洗うことも大事なことですね。
《パスツレラ症》
パスツレラ感染症はPasteurella属菌が感染して生じる感染症である。
本症の伝播様式は，①動物の咬傷・掻傷による経皮感染，②経気道を主とする動物からの非外傷性感染，③動物との接触歴が不明な感染症の3つに大別されるが，①の経皮感染によるものが多い。
咬傷，掻傷による局所化膿症は24〜48時間以内と早期に発赤，腫脹が出現し，膿瘍や蜂窩織炎を呈する。化膿性骨髄炎や関節炎も生じることがあり，さらに重篤な場合は壊死性筋膜炎から敗血症を併発し，死に至る例もある。
呼吸器感染症には副鼻腔炎，気管支炎，肺炎，膿胸，肺膿瘍などが生じることがある。
敗血症，脳脊髄膜炎や脳膿瘍，心内膜炎，腹膜透析患者に生じた腹膜炎などの報告がある。
一般に糖尿病，アルコール性肝障害やacquired immunedeficiency syndrome（AIDS）など基礎疾患を有する患者が重篤になる傾向にある。
出典元 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsicm/19/2/19_158/_pdf
犬の口腔内常在菌で、人との間で感染が起こる原因になる細菌は他にもあります。
犬を汚いというのではなく、これはお互いの為なので、正しい知識を持って注意して下さいね。
まとめ
犬は飼い主さんの匂いが大好き、触れていると安心するという心理があるようです。
舐めてくる理由は、犬の愛情表現・飼い主さんへの甘えです。
ただ、あまりに執拗に舐める時は、犬に何かのストレスがかかっている可能性もあります。
犬の口腔内は細菌がたくさんいるのが普通です。
免疫力の低下している人などはご注意下さい。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
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