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【胆泥症・粘液嚢腫】犬の胆嚢の病気と摘出手術の費用の目安

♦消化器/心臓
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胆嚢(たんのう)は肝臓の下にある小さい臓器で、肝臓と協力し合って脂肪の消化をおこなっています。

犬の胆嚢の病気と言ってもピンとこないかもしれませんが、早く発見して摘出手術しなければならない、内科的には治療が困難な病気もわりと高い頻度であります。

今回は犬の胆嚢に多い病気と、合わせて手術費用のことなどをお伝えしたいと思います。

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胆嚢は肝臓に付属している

胆嚢は肝臓と一緒に胆汁の分泌を行い、脂肪の代謝に関わっています。

肝臓から胆嚢までは、総胆管という管が繋がっています。

そして、肝臓で作られた胆汁を濃縮して胆嚢に貯めておきます。

総胆管は、膵臓や十二指腸にも繋がっています。

肝臓とそれらの臓器の間に胆嚢があり、口から食事が入って来ると、胆のうはその刺激で濃縮した胆汁を消化液として十二指腸に送ります。

 

胆嚢に多い病気

胆泥症(たんでいしょう)と胆石症

胆泥症は、よく聞く病名なのではないかと思います。

SNSなどでも、また同じ動物病院の患者さんの中にも、この病名の子はいるようです。

この病気は、ドロドロの泥状になった胆汁が胆嚢の中に溜まってしまう病気です。

泥が固まって、硬い石の状態になってしまうのが胆石症です。

肝臓で作られて胆のうに溜められた胆汁は、本来は水のように流動性のある液体です。

このさらさらした胆汁が変質してドロドロになってしまうと、このような病気が起こります。

泥状や石になってしまった胆汁は、総胆管に詰まりやすくなります。

そのせいで胆嚢に炎症が起こるのです。

総胆管が完全に詰まってしまうと、皮膚が黄色になる黄疸という症状が現れます。

炎症が進み、胆嚢が破裂すると腹膜炎というかなり危険な状態になります。

 

先に細菌感染があって、それが原因で胆嚢炎が起こり、二次的に胆汁の変質が起こることもあります。

あるいは、内分泌の病気(甲状腺機能低下症など)が原因で胆嚢炎を起こすこともあります。

元々、脂質代謝に異常が多い(高脂血症の多い)犬種もいます。

ミニチュアシュナウザーやシェットランドシープドッグなどの犬種がそれであり、胆嚢の病気が好発する傾向もあります。

 

【症状】

初期には無症状・食欲低下・嘔吐・活気がなくなる・腹痛・発熱・泥状や水様の下痢・腹部膨満・耳の内側や歯肉や白目部分の黄疸・ショック状態

 

胆嚢の病気は、肝臓にも影響を与え、肝臓も何らかのダメージを受けていることが多くなります。

初期ならば、脂肪食を減らすなどの食事療法だけでも胆泥が改善することがありますので、薬物療法と共に内科的な治療を行う意味はあります。

 

【薬物療法】 

  • ウルソ(ウルソデオキシコール酸):毒性の高い胆汁酸を薄めて排出を促す。
  • スパカール(トレピブトン):胆管の出口を広げ胆汁の排出を促す利胆剤。
  • エリスロマイシン:マクロライド系抗生剤。低用量で消化管の運動性向上させる。
  • タウリン、スルフォアデノシルメチオニン(SAMe):肝庇護剤

重症化したケースになると、胆嚢の摘出手術が必要です。

胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)

胆嚢粘液嚢腫は、胆嚢内にムチンというゼリー状の物質が溜まる病気で、胆泥症と似ています。

ゼリー状になった胆汁は総胆管を詰まらせて胆嚢炎を起こします。

完全閉塞で黄疸が出る、胆嚢が破裂すれば腹膜炎を起こすなど、経過は胆泥症と同じなのですが、全く別の病気です。

その区別はエコー検査でわかります。

ゼリー状に変質して固まってしまう原因は、胆嚢の壁からの粘液の分泌過剰と考えられています。

こちらは、胆嚢破裂を起こすケースが多く、その為に治療方法は手術になります。

一方で、この病気を持っているにも関わらず、発症することなく、一生気づかずに過ごす犬もいるそうです。

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胆嚢の摘出手術の費用目安

胆嚢を摘出してしまっても大丈夫なのかと不安な飼い主さんもいるかもしれませんね。

たしかになくてもいい臓器などはないですが、胆嚢の働きは胆汁を貯めていることがメインですので、摘出しても大きな心配はなく、それよりも破裂などの急変の方がかなり危険です。

人の胆石の患者さんも、胆石で外科治療を行う場合、胆嚢を残せば再発率が上がるので胆嚢切除を推奨します。

 

摘出手術は開腹手術が一般的ですが、今は腹腔鏡手術を行う病院も多いようです。

人の医療では、胆嚢の腹腔鏡手術はかなり前から行われていて歴史もあります。

腹腔鏡手術は、傷が小さくてすむので体にかかる負担も少なく、回復も早いことが期待されます。

ただ、開腹に比べると、腹腔鏡下での手術は難易度が高く、高い技術が必要であり、また費用はやや割高にはなると思います。

そして重症の場合などは、やはり開腹手術が適用になるでしょう。

人も、腹腔鏡下の手術の途中で開腹術に変更になることは珍しくないです。

 

では、胆嚢の摘出手術の費用がどのくらいかかるかという話です。

ちなみに、入院は平均して5日以内と考えられます。

 

費用についての情報をネット上で集めてみました。

 

  • 胆嚢摘出術(胆石):¥198,000(東京)
  • 胆嚢摘出術(胆嚢疾患):¥212,850円〜¥407,000円(神奈川)
  • 胆嚢摘出術(麻酔別):¥124,660(東京)
  • 胆嚢摘出術:¥150,000~¥400,000
  • 胆嚢摘出手術(検査手術入院含む):およそ¥550,000(飼い主情報より)

 

病院によっては手術や処置にかかる費用を開示しているところもあります。

でもそれはあくまでも目安で、実際は直接相談して確認しないとわかりません。

それというのも、動物医療には人間のような保険制度がないので、費用が統一されていないからです。

今回の情報では少なくとも最低15万円くらいから上は55万となっていますが、検査費用や入院費用の計算方法など、条件が同一ではありません。

病院によっても地域によってもかかる費用には幅があり、また、検査や入院費用などが加算されると変わるので、必ず事前に話し合って下さい。

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まとめ

犬の胆嚢の病気は、軽症のうちは内服治療も可能ですが、悪化して総胆管が閉塞すると危険な状態になり、緊急手術などの対象にもなります。

手術は胆嚢摘出術ですが、最近は腹腔鏡手術も行われていて、開腹か腹腔鏡かなどによっても費用は違うでしょう。

手術の費用は、かなり上下のばらつきがあるようでした。

病院によってや犬の大きさなどでも違うので、実際には病院で必ず詳しく説明を受けて下さい。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

 

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