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肝臓・胆のうに多い犬の病気と血液検査の数値の異常 

♦消化器/心臓

血液検査は、犬の病気を調べる時にもよく行われます。

肝機能の数値は、肝臓や胆のうの病気を発見するのに重要です。

血液検査の項目は多く、覚えるのは難しいですが、肝臓や胆のうに関係のある、よく耳にする数値だけは知っておくとよいかもしれませんね。

今回は犬の肝臓や胆のうの病気の中で多いものについて、みなさんと情報共有したいと思います。

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肝臓と胆のうは共同で働く

肝臓は大きな臓器で、重要な役割を持っています。

これに比較すると胆のうは小さいですが、胆のうと肝臓はお互いに協力し合い、脂肪の消化をするために働きます。

肝臓には生命に関わる機能がある

肝臓の役割

  1. 栄養素の吸収や合成
  2. 体内の有害物の解毒
  3. 血液の一部を生成する

肝臓はとても重要な臓器であり、丈夫で強く再生能力が高い特徴を持っています。

1.栄養素を取り込んで合成し貯蔵する

食べ物はそれぞれ栄養素(糖、アミノ酸、脂質)に分解され、小腸から吸収されます。

そして腸から肝臓に繋がっている門脈という血管を通り、肝臓に運ばれます。

肝臓でさらに変化させてから血液中に送り出します。

糖質は必要量だけ使用して残りはグリコーゲンになり、いざという時のエネルギーとして肝臓に貯蔵されます。

2.薬物や有害物などの解毒をおこなう

小腸からは、薬物や体にとっては有害な物質なども吸収されます。

肝臓はこのような毒物の分解や中和をします。

蛋白質は栄養素として必要ですが、分解されたあとの副産物としてアンモニアが発生します。

アンモニアもそのまま存在すれば体に大変有害な毒物です。

肝臓はアンモニアを分解して尿素に変えおしっこの中に排出させます。

人が摂取するアルコールやたばこのニコチンを分解してくれるのも肝臓の働きなのです。

3.消化液を作り分泌する

肝臓ではコレステロールを合成し、それを元にして脂肪を消化吸収する消化液を作ります。

その消化液はビリルビンという黄色い色素を含む胆汁で、腸内に分泌されます。

4.血液の代謝や凝固に関わる

血液は骨髄で作られますが、赤血球を作るのに必要な葉酸やビタミンB12などの栄養素は肝臓が蓄えています。

骨髄が必要とした時にその栄養素を送り出します。

他にも、古くなった血液を壊したり、血液を凝固させる(止血作用)物質を作ったりします。

胆のうは肝臓の付属器官

胆のうは肝臓の下に位置しています。

肝臓から総胆管という管を通して繋がり、肝臓で作られた胆汁を胆のうが濃縮し貯めておきます。

総胆管は、膵臓や十二指腸とも繋がっています。

つまり肝臓とそれらの消化管の間に胆のうがあり、食事の刺激で胆のうは濃縮した胆汁を十二指腸に流します。

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血液検査でわかる肝臓の機能

肝臓の機能はこの項目の数値をみる

一般的に肝臓の機能の参考にする数値は、

  • ALT(GPTとも呼ぶ)
  • AST(GOTとも呼ぶ)
  • T-BIL(総ビリルビン)
  • γ-GTP
  • ALP

などです。

ALTとAST

どちらも肝臓に含まれる酵素です。

肝臓に異常があり、組織が炎症を起こして壊れていく時にこの数値が上昇します。

ただし、ASTの方は肝臓の他に心臓や骨格筋にも含まれているので、そちらに病気がある時にも数値は上昇します。

T-BIL

血液の赤血球中のヘモグロビンという物質が壊された時に発生する、ビリルビンという黄色い色素のことです。

胆汁中にもあります。

肝臓の処理能力が悪くなるとこの数値が上昇します。

ビリルビンの数値が高くなると皮膚や目の白い部分に黄疸が出現します。

ALP

胆管の異常で胆汁が滞っている時や、肝臓に病気がある時、この数値が上昇します。

γ-GTP

胆管閉鎖など、胆道の病気がある時や肝臓に病気がある時に上昇します。

数値は総合的に判断する

以上の検査項目は、肝臓の病気の指標になる主な数値です。

でも血液検査の数値は相互に影響しあって動くものもあり、原因も一つではないので、総合的に判断されます。

例えば、

CBC(赤血球数)・Hb(ヘモグロビン)=肝臓の異常に伴う貧血などがないか

WBC(白血球数)・CRP・Glb(グロブリン)=肝炎や感染症による全身の炎症の有無や程度

Glu(血糖値)・T-Cho(総コレステロール)・Alb(アルブミン)=肝不全などによる栄養状態の低下

というように、いくつかを組み合わせて参考にします。

さらに血液中にアンモニア増えていないかを調べるためのNH3(アンモニア)などの検査もあり、数値が高いと代謝機能の低下が証明されます。

検査正常値参考サイト:秋山どうぶつ病院 犬と猫の臨床検査

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犬の胆のうの病気

胆泥症と胆石症

胆泥症はよく聞く病名なのではないでしょうか?

これは泥状になった胆汁が胆のう内に溜まってしまう病気です。

胆石症になると、泥ではなく硬い石の状態の胆石ができてしまう病気です。

肝臓で作られ胆のうに溜められた胆汁は、本来、水のように流動性のある液体です。

この胆汁が変質してしまいこのような病気が起こります。

泥状や結石になってしまった胆汁は胆管に詰まりやすく、そのせいで胆のうが炎症を起こします。

総胆管が完全に詰まってしまうと黄疸が現れ、胆のうが破裂すると腹膜炎を起こしかなり危険です。

細菌感染が原因で胆のう炎を起こし、その結果、胆汁が変質してしまうこともあります。

内分泌の病気(甲状腺機能低下症など)が原因になることもあります。

また、元々、脂質代謝に異常が多い(高脂血症の多い)ミニチュアシュナウザーやシェットランドシープドッグなどの犬種に好発する傾向もあります。

<症状>

初期には無症状・食欲低下・嘔吐・活気がなくなる・腹痛・発熱・泥状や水様の下痢・腹部膨満・耳の内側や歯肉や白目部分の黄疸・ショック状態

胆のうの病気は肝臓に影響するので肝臓もダメージを受けていることが多いです。

早期に治療開始することが望ましく、食事療法や薬物療法を行います。

初期なら脂肪食を減らしただけでも胆泥は改善することもあります。

重症化したケースは、手術により胆のう摘出が必要になります。

胆のう粘液嚢腫

胆泥と似ていて、胆のう内にムチンというゼリー状の物質が溜まる病気です。

ゼリー状の胆汁が総胆管に詰まり、胆のう炎を起こします。

黄疸が出て、胆のうが破裂すれば腹膜炎を起こすなど、経過は胆泥症と共通しているのですが全く別の病気で、エコー検査で区別がつきます。

ゼリー状に固まってしまう原因には、胆のうの壁からの粘液の分泌過剰と考えられています。

胆のう破裂を起こす例が多いので、こちらの治療方法は手術です。

ただ、病気を持ったまま一生気づかずに過ごす犬も多いようです。

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犬の肝臓の病気

肝炎(慢性肝炎)

犬の慢性肝炎には、遺伝的要素が関係するものがあります。

ウエストハイランドホワイトテリアなどのテリア系の犬は、銅が肝臓に溜まって慢性肝炎を起こしやすいようです。

ドーベルマンアメリカンコッカースパニエルなども原因がはっきりしない慢性肝炎が若年齢で起こりやすいです。

遺伝以外では食生活から起こるものが多く、半生フードやビーフジャーキーなどの食べ物や肥満が原因になりやすいです。

症状ははっきりせず、食欲不振や慢性的な嘔吐などがありますが気づきにくく、黄疸や腹水などの進行した重度の症状で初めて気づくことがあります。

悪化すれば肝不全を起こします。

早期発見には定期健診が有効です。

慢性肝炎は、少しずつ肝臓の組織が線維化して末期になると肝硬変に移行します。

治る病気ではないですが、肝臓の機能低下の進行を薬などで遅らせる治療がおこなわれます。

これに対し、犬伝染性肝炎は急性発症する肝炎です。

イヌアデノウイルスⅠ型によって起こる感染症で、1歳以下では致死率が高く、成犬は症状が出ないままウイルス感染していることが多いです。

感染力が強く、唾液、尿、食器を介して感染し、回復後も尿中にウイルスが半年程度は残ります。

  • 突然致死型:子犬が急に腹痛で発症し半日~24時間以内に死亡する
  • 不顕性型:症状はないがウイルス感染している
  • 軽症型:食欲不振や発熱などの症状が軽いもの
  • 重症型:2日~1週間くらいの潜伏期があり、鼻水や発熱などで発症。下痢や嘔吐、腹痛などの症状が4~6日継続した後に治る。

犬伝染性肝炎はワクチンが有効です。

しかし免疫力が不足している場合、慢性肝炎になってしまうこともあります。

門脈シャント

門脈シャントは先天的な血管の異常であることが多いのですが、後天性のシャントもあります。

本来、腸から肝臓に栄養分を運ぶ門脈という血管が、肝臓を通ることなく心臓に近道になるバイパスを作ります。(これがシャントと呼ばれる異常な血管)

その結果、腸から流れ込む血液中のアンモニアを始めとした多くの毒素が肝臓で解毒されないまま心臓に行き、体循環で全身をめぐるのです。

肝臓そのものは正常であっても、肝臓の解毒作用が働いてない肝不全と同様の症状になり、有害物質が全身に届けられるので高アンモニア血症や抗尿酸血症を起こします。

肝臓の方は、栄養素が不足する為に肝臓そのものが委縮して小さくなり、身体の発育は不良になります。

生後6ヶ月までの幼犬で、発育不良であり、食後に高アンモニアによる肝性脳症で神経症状が現れるような場合、この可能性が高いです。

後天性のシャントは、慢性肝炎や肝硬変、胆管の閉塞などが原因になって門脈圧が異常に上昇し、発症します。

異常血管のシャントは、一本だけでなく複数できていることもあります。

シャントには、肝臓内にある肝内性シャントと肝臓の外にある肝外性シャントの2種類があります。

治療方法は手術です。

手術前に血管造影の検査が必要なので、高度医療機関でおこなわれることが多いです。

手術が順調であれば生存率の高い病気です。

肝硬変

肝硬変は、肝臓の慢性的な炎症により肝臓全体が線維組織に変質し硬くなって正常な機能が失われる病気です。

肝臓全体の構造が変わってしまった末期的な状態であり、変性した肝臓は元には戻りません。

治すことはできないので、症状の軽減を目的として、利尿剤を使ったり針を刺して腹水を抜くなどの処置をおこないます。

急性肝不全

肝細胞が全て線維細胞に置き換わってしまって、肝機能不全の状態になります。

<原因>

犬伝染性肝炎・レプトスピラ症・薬物中毒・急性膵炎・フィラリア症・外傷による腹部損傷・熱射病など

肝細胞の70~80%が急激に壊死してしまった状態を急性肝不全と呼びます。

<症状>

嘔吐・下痢・多飲多尿・黄疸・肝性脳症(旋回運動・けいれん・昏睡など)・黒色便・皮下出血・肝機能検査の数値の異常

診断しながら同時に早期に治療する必要があります。

抗生剤、水分、電解質などを点滴し、アンモニアを下げ、輸血するなど、原因を特定してそれに対処していきます。

肝臓・胆のうの癌

腫瘍には、そこが原発であるものと他の部位から転移したものがあります。

原発性は良性と悪性がありますが、転移性は全てが悪性です。

犬には肝臓がんも胆管がんも発生しますが、多いのは転移性腫瘍です。

原発性でもっとも多いのは肝細胞がんです。

無症状の時に健康診断でたまたま発見されることもありますが、腹水や黄疸などの重度の症状が現れてから発見されることも少なくありません。

エコー検査でわかりますが、詳細にはCT検査が必要になります。

治療は手術による摘出が第一選択です。

切除可能だった場合は予後良好ですが、切除不可能だった場合、予後は短いかもしれません。

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まとめ

血液検査は目的によって調べる項目もそれぞれ異なります。

単一の数値だけではなく、数値を総合的にとらえて診断されます。

肝機能検査は、医療機関で一般的に行われる検査です。

その数値からわかる病気は実に多いですので、様子がおかしいと感じる時は早期に診察を受けて下さい。

最後まで読んで頂いてありがとうございました。

 

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